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【ドイツ】留学レポート

【派遣先】ミュンスター応用科学大学 【留学期間】2019年8月~派遣中
地域政策科学研究科1年 上山 凌

 

私がドイツに到着してから今までの生活で困ったことやアドバイス、リアルな日常をありのままに書いていきたいと思う。

 

生活・大学

 ドイツに到着後、ミュンスター市内のユースホステルに一泊し、その翌日スーツケースを引っ張り、ミュンスター応用科学大学の寮へ向かった。昼の12時前に着き、手続きをしようとしたところ管理人に「午前の部は終わりだから、午後にこい」と言われた。案内には時間指定は書いていなかった。事情はよく分からないがドイツに来て初めての洗礼を受けた。スーツケースも持っていたのでどこにも行くことが出来ず、管理棟の前で2時間近く待った。手続きを終えた後、鍵をもらい入居した。部屋に着いてから、ドイツに着いたという実感がわいたと同時に「本当に来てしまった」という感情が強くなった。部屋には机、ベット、洗面台、備え付けの棚と衣装棚があり、部屋の広さは8畳くらいだ。

 2、3日後に大学のオリエンテーション(ERASMUS)に参加した。ヨーロッパの大学から来ている留学生が多かった。そのミーティングは全て英語で行われ、私はほとんど理解できなかった。そのあとの留学生の歓迎会も途中で帰った。交換留学生のコミュニケーションは基本的に英語であるので、私はコミュニケーションに苦しんだ。それゆえ、あまり友達が出来なかった。非英語圏に留学する人も英語を使う機会はとても多いので、英語でのやりとりに不自由がないように勉強しよう。

 ミュンスター応用科学大学にバディ制度はなかったので、住民登録やビザの申請、大学等への申請は自分で行わなければならなかった。住民登録は家主からもらった書類を市民局に出すだけなので、とても簡単。銀行口座の開設は最初の鬼門だ。担当者の話すドイツ語が全く分からなかったので、とりあえず「Ja(はい)」と言って、目の前に出された書類にサインをしていたら大丈夫だった。担当者に何度も「Herr Ueyama, Haben Sie verstanden?(上山さん、分かりました?)」と言われ、分かっていないのに笑顔で「Ja,Ja」と言って乗り切った。保険会社への学生保険の申請のときもとても大変だった。そのときも担当者に何度も「Herr Ueyama, Haben Sie verstanden?(分かりました?)」と言われ、しまいにはgoogle翻訳を使って「Haben Sie verstanden?(分かりました?)」と...。「それは分かるわ」と思いながらもちょっと強めに「Ja」と言った。正直なところ、着いて1ヶ月は本当に何を言っているのか分からなかったので、聞かれたことにはとりあえず「Ja」と言って乗り切っていた。

 大学の学生登録、インターンシップの登録は国際交流センターに手伝ってもらった。大学、市役所からドイツ語の手紙が来て、分からなければ国際交流センターに行って尋ねるのがいいだろう。ちなみに私は行政文書が届くとすぐ交流センターに行き、手伝ってもらう。

 

ミュンスター

 生活にかかる費用は日本と同じくらい。ミュンスター応用科学大学の学生寮から徒歩5分圏内にスーパーマーケット、薬局、家電量販店、寝具屋、そしてケバブ屋(主食)があるので生活には困らない。大学キャンパスへも徒歩5分。ミュンスター中央駅は徒歩30分、自転車で15分。ミュンスター応用科学大学の研究所などがある別キャンパス(インターンシップが行われる)へはミュンスター中央駅から電車で30分ほどである。

また、セメスターチケットという大学の学生証は、ノルトラインウェストファーレン州内の公共交通機関が無料で利用でき、ミュンスター市内のバスには自分の他にもう一人乗客を乗せることが出来る。ミュンスター市内は交通網がしっかりしているので、バスと電車でだいたいの場所に行ける。

 

インターシップと語学講座

 交換留学でのメインの活動はインターンシップである。私は専門が政治学で、再生可能エネルギーに興味はあったが、技術的な知識は全くなかったため、専門大学でのインターンシップ活動は難しい部分が多かった。インターンシップの担当者と話し合い、再生可能エネルギーに関する論文を日本語で書き、それをドイツ語に訳すという課題をもらい、今はそれに取り組んでいる。もっと実践的な活動を出来ると思っていたが、自分の語学力が低かったので文献を調べるというインターンシップになったのではないかと思った。

 また、インターンシップの他に大学が提供する語学学校に週二回通っている。クラスの周りの留学生は自分よりもドイツ語が上手で、さらに私は先生の言っていることもわからないことが多かったので、最初は本当に行くのが嫌だった。そして、そこで自分の語学力の低さに毎回気付かされる。授業中に先生が順番に生徒に当てていき、自分の番が来て、答えられなくて授業が止まるということがよくあった。圧倒的な劣等生、周りからはそんな風に見えていたと思う。

 

友達

 私の生活を支えてくれていたのは友達の存在が大きい。留学して1カ月は本当に友達がいなかった。英語もまともに喋れないし、ドイツ語も出来ない。コミュニケーションが取れない。そんな時に助けてくれたのが福島大学に留学していたデニスとナターシャだ。特にデニスは自分のことのように私の面倒を見てくれた。ビザの申請を手伝ってくれたり、パーティーに誘ってくれたり、彼らの存在は大きかった。また、ミュンスター応用科学大学の国際交流センターからタンデムパートナーを紹介してもらったり、語学講座のmeet2speakというチームでもタンデムパートナーを見つけることが出来た。とても運がよかったと思う。海外での生活で、困ったときに助けてくれる友達がいるということは、とても心強いことだと強く感じた。

 

最後に

 私はミュンスター応用科学大学への留学生第一号だったので、大学やインターンシップに関する情報が全くなかった。そのうえ、語学力も乏しかった。英語はTOEICやTOEFLなどの試験も受けたことすらなかったし、第二外国語に関しては中国語で、ドイツ語の勉強もミュンスター応用科学大学への留学が決まってからやり始めたので1年ぐらいしか勉強していなかった。今思えば、よくそんな状態で留学を決意したなと思う。私の留学レポートを見て、ネガティブの要素が多いと思った方は多いだろう。留学生というと華やかなイメージを抱くと思うが、実際は辛いことの方が多い。それでも、そこに小さい幸せを見つけられるようになったなと思う。例えば、スーパーマーケットのレジのおばちゃんとちょっと話せたとか、ケバブ屋のお兄さんの言っていることが分かったとか。本当に小さいことだけれど、そういう小さい自分の成長を感じると少しずつ楽しくなってくる。最初はほとんど分からなかったドイツ語もだんだん程度理解できるようになって、前まで「Ja」しか答えられなかったのが、今では聞かれたことには短文で返せるようになった。

 ドイツに留学したいと思ったとき、そこまで特別な理由というものはなかった。ただ行ってみたいという好奇心だけがあった。すぐに国際交流センターに行き、事情を説明した。その後、書類を提出して、語学試験を受けて、面接して留学が決まった。もちろんきちんと準備をすることはとても大切だ。しかし、「英語ができるようになってから留学しようとか、今は自信がないから今度にしよう」と思っているとチャンスを逃す。見切り発車で動いて、誰よりも手を動かすことが大切だ。

 留学したいと思った学生、今すぐ国際交流センターに行こう。その一歩が踏み出せれば、その留学はもう半分成功したと言えるだろう。


▲ミュンスター応用科学大学の技術提携を受けるザーベック村にあるエネルギーパーク