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留学体験記

【ルーマニア】ルーマニア到着3ヶ月、その所感

【派遣先】ブカレスト大学 【留学期間】2017年10月~2018年8月
人間発達文化学類 O.Sさん

ブカレスト大学の日本語教育

 私は日本語教育について学んでいます。福島大学では日本語教員養成カリキュラムに沿って授業を受講していました。
 ブカレスト大学では1年生、2年生、大学院1年生の授業に参加しています。ブカレスト大学はルーマニアがEUに加入するにあたって4年制から3年制に変わりました。3年制になってからも、同じ分量のカリキュラムをこなすため、授業の進度がとても早いです。1年生はひらがなとカタカナをたった2週間で覚えなくてはなりません。日本語を学び始めた時期も日本語を学んできた環境も生徒ごとに異なるので、能力をつけるためには各々が授業以外に自分のレベルにあった学習をすることが重要になっています。
 ルーマニアでは年に一回12月に日本語能力試験が行われており、それに向けて皆漢字や読解などを勉強します。修士課程の人の中にはN1(最高難易度)を受ける人もいます。

▲愛媛大学附属高校の生徒達の訪問時の写真

 11月には「日本の夜」というイベントが開催され、日本語学科の生徒が習字や折り紙を教えたり太鼓を披露するなどのワークショップを行いました。私は寿司クラブの手伝いをし、寿司ロールを500個以上作りました。作った寿司は会場で無料で配られました。


▲500個以上作った寿司ロール


英語の学習について

 英語の授業は週に2日あります。一回の授業は2時間のものと4時間のものとがあり、90分の福大の授業に慣れていたためだいぶ長く感じます。
 英語に関しては未熟な点が多いので、わからないことがあったら先生や友達に質問をするようにしています。勉強はすればするほど、知れば知るほど今まで知らなかった情報に触れ、わからないことが増えます。焦りすぎず、自分のペースで勉強していこうと考えています。
 ルーマニアには英語が母語の人はほとんどいません。母語が異なる者同士のコミュニケーションツールとして英語が使われます。文法などが多少間違っていたとしても、とにかく話すことが大事だと感じます。世界言語としての英語の有用性を実感しています。
 とはいえここはルーマニアですので、英語で話しかけて当然という姿勢は失礼にあたるのではないかというのも私の考えです。英語の授業のテストや予習、宿題に追われており、なかなかルーマニア語を腰を据えて勉強する時間を確保できていませんが、知っている言葉は話すよう努めています。ルーマニアの言葉で挨拶したり、お礼を言ったりするととても喜んでもらえます。これからも地道に言葉を増やしていく努力をしていきたいと思います。


健康維持

 私は異国での健康維持はとても大事なことだと考えており、この点に関してはかなり気をつかっています。
 まずはストレスをためないこと。これは一番重要です。ルーマニアは結構適当なルールで動いていることが多いので約束したことを忘れられていたり、決まりごとが曖昧だったりすることがしょっちゅうです。
 ビザの手続きにはかなり手こずりました。そもそも大学の人から受け取った書類が間違っていたり、カウンターの人ごとに必要だという書類がちょっと違っていたり、以前必要だと言われたからわざわざ用意した書類を、次に行った時はいらないと言われたり。何度も移民センターに足を運びました。普段もアポイントを忘れ去られることはしょっちゅうありますが、おおらかな気持ちで気に留めないようにしています。ルーマニアに来てだいぶ心が広くなりました。相手に期待しすぎないことがミソです。

 次に睡眠をたくさんとること。睡眠不足はあらゆることの敵です。なので寝たいと思った時に、寝たいと思った分だけ寝ています。
 ブカレストに着いてすぐの頃は、やはり慣れない環境で気も張っており、相当疲れがたまっていたので、とにかくたくさん寝ていました。はじめて英語の授業を受けた日の夜は13時間寝ました。無理をしないのが一番です。睡眠時間を削ることなく、起きている時にやらなくてはいけないことはやるようにしています。
 
 そして食事です。野菜や果物は非常に安く手に入ります。食物繊維とビタミンはちゃんと摂れるようにと買い物をしています。
ルーマニアに来てこれは、と思ったものはレモネードです。レストランやカフェには大抵レモネードがあります。日本ではあまり飲む機会がなかったレモネードですが、頻繁に飲むようになってレモネードの虜となりました。レモンが安く手に入るので自分で作って飲んでいます。蜂蜜はルーマニアの特産品でとても美味しいです。レモンにも蜂蜜にも殺菌作用があり風邪にも効果的です。周りの人が風邪でダウンしている中、蜂蜜レモネードで健康なまま乗り切りました。レモネードはルーマニア人の健康法の一つだと思います。

▲現時点でのベストオブレモネード



国内旅行

 ルーマニアでは学生は長距離列車を無料で利用することができます。なので時間が出来た時には国内を旅行しています。今までにシナイア、ブラショフ、コンスタンツァに行きました。都心を離れるとすぐにのどかな田舎の風景になります。ルーマニアに来る前に買った本には「ヨーロッパ最後の中世」と書かれていましたが、それもうなずけます。新鮮な空気を吸い、きれいな景色を見て、美味しいものを食べるとまた頑張ろうという気持ちになれます。


▲シナイアのペレシュ城



私の3ヶ月の所感

 ルーマニアに来て、日本語を勉強している人にたくさん出会いました。ブカレスト大学の日本語学科の生徒だけでなく、ルーマニアで出会った韓国人の友人達や別の大学で日本語を学習している生徒など。彼女達の学習意欲には驚かされます。そんな日本語学習者達の勉強の手助けをすることに、とてもやりがいを感じます。もちろん、英語の学習も力を入れて継続していきます。しかし、交換留学はただ英語を学ぶだけの価値に収まるものではないと思います。私は日本語教育に価値を見出しました。これについてこれからより深く探求していきたいです。