このたび12月中旬にオザークス大学(アメリカ・アーカンソー州)での11カ月間の交換留学生活を終え、無事に日本に帰国することができました。まずこの場をおかりして、この1年間私の留学を支えてくださった家族をはじめ、国際交流センターの職員の方々、様々なアドバイスをくださった教授、そして全ての方々に感謝いたします。
この留学生活は、私にとって毎日が新しいことの連続であり、たくさん「あう」ことを経験することができました。それは、たくさんの人と出会うこと、様々な文化に出会うこと、そして自分や人と向き合うことです。この1年間の経験すべてが私を大きく成長させてくれました。本報告書では、主にこの3つの「あう」について、私の経験や留学を終えて感じたことをお話していきたいと思います。
この1年間、たくさんの人と出会う機会がありました。大学で、旅先で...アメリカ人だけでなく、中央アメリカ人、ドイツ人、フランス人、韓国人、中国人などと本当に様々な人たちに出会いました。そして、そこでは様々な文化に出会いました。その多くは、私にとってとても興味深く、もっと知りたい、関わりたい、と思えるものでした。しかし、時に、自分が持っていた「あたりまえ」や「常識」とはかけ離れた、すぐには受け入れることの難しい文化と出会うこともありました。もちろん、アメリカで出会った人たちに、私の文化が驚かれることもたくさんありました。
日本で生活をしていた時には、あまり文化の違いについて感じたり、考えたりすることはありませんでした。そのためか、初めはその文化の違いがどうしても気になってしまい、また、どちらの文化が良いか、と判断し、決めつけてしまうことが多かったように思います。しかし、1年という時間をかけてたくさんの人々と関わり、向き合う中で、その難しさはおもしろさに変わっていき、文化を良し悪しではなく、人それぞれの素敵な個性のようなものとして考えるようになりました。そうした中で、留学前に持っていた不安な気持ちはなくなり、新しい人や文化に出会うことを楽しむことができるようになっていきました。
▲ダンスが大好きな中央アメリカからの学生たち
また、たくさんの人や文化と出会うこと、それらと向き合うことを通して、じっくりと自分と向き合うこともできました。
前の報告書でも紹介しましたが、特に、春と秋セメスターそれぞれで受講していた、教育学部の2つの講義(Theory of Human LearningとHuman/Culture Geography)で行ったGlobal Learning Project では、異文化をもつ学生とパートナーになり、お互いの文化についての話し合いや実際に文化交流を経験しました。そのプロジェクトは、異文化についての理解を深めることを目的としたもので、活動を通して、アメリカの文化に対する先入観を崩し、新しい側面をたくさん知ることがでました。他方で、それは、自分自身とじっくり向き合うことのできた経験でもありました。パートナーに自分の文化について紹介するために日本のことや自分のことについて考える中で、予想外に分からないことがたくさんあることに気付き、自分の文化とより深く向き合うことができました。
最後に、私はこの留学でいくつかの危機やトラブルに遭うこともありました。
ある授業での模擬授業(プレゼンテーション)で私のパートナーが来ることができなくなり、英語もままならない中、突然1人でプレゼンテーションをすることになったり、また、自分の不注意ではありますが、旅行先でパスポートをなくしたり、と。その時は、どんなに励まされても、プラスのことを考える余裕はありませんでした。しかし、プレゼンテーションの前日、ウクライナ出身の友達が言ってくれた言葉があります。「成長するチャンスだよ。予定よりも2倍長くプレゼンテ―ションができる、2倍英語を話す練習ができる、こんないいチャンスないよ。」と。プレゼンテーションを終えて、やっとこの友達が言ってくれた言葉の意味がわかりました。
留学を終えて、私はこれから社会人として働くことになります。たくさん新しいことに出会い、向き合い、また、出遭うことがあると思います。これから「あう」すべてのチャンスを大切に、社会人として人生の次のステップを一生懸命楽しみたいと思います。
このたび、アメリカ・オザークス大学へ留学の機会を与えてくださり、また、私の人生の中でとても貴重な経験をさせていただき、本当にありがとうございました。
▲テキサスでのホームステイ