新年(2018年)と共に期末テストを迎え、秋セメスターが終わりました。この長い様で短かった1セメスターで、数々の出会い、数々の感動、数々の学びがありました。少しずつではありますが中国語も喋れるようになってきて、私生活で不自由することも少なくなりました。前回のレポートでは上海の食や私の現状をまとめさせていただきましたので、今回のレポートでは、私の現状をアップデートするとともに、食以外にも焦点をあて、半年という時間で私が上海でどのような生活を送り、何を見てきたかを伝えられれば良いと思います。
留学生活も約4カ月過ぎた12月初め、私の誕生日がありました。誕生日を海外で迎えるのは初めてので、どの様になるのか想像もつきませんでしたが、その日は朝から仲の良い友だちたちと朱角家という上海の西にある観光名所に出かけました。そこは、上海の高層ビルが建て並ぶ騒がしい中心部とは対照的で、ゆっくりと時間が流れる歴史的な美しい水辺の街でした。蘇州のような昔ながらの運河と、その運河に合わせて建てられた中国式の趣がある民家などの建物が残り、また、その周りに迷路のように張り廻らされた路地と商店街があり、景色を楽しみながらストリートフードを試しているだけでも半日から一日は楽しめます。上海に旅行などで滞在する際に、上海から遠出したくはないけど少しディープな体験をしてみたいと思ったときには最適なのかもしれません。お勧めします。朱角家から一度帰宅し、私の誕生日パーティのため、バーに向かいました。その日はそのまま友だちとお酒やケーキを楽しんだのですが、最終的には20人くらいの友だちが集まってくれました。そこで感じたのが、友だちに恵まれた喜びももちろんですが、上海(華東師範大学)で出会える人たちの幅の広さです。その時来てくれた友だちも世界約10か国それぞれの国から、働きに来ている人や学びにきている人など様々でした。そんな様々かつ独特なバックグランドを持つ人たちと出会い、わいわい楽しくパーティができるのも、この上海の魅力の1つなのではないかと感じます。
その話と少し被りますが、ここ上海では、『国際都市』その呼び名に間違いないと感じるほど国際的な季節の楽しみ方を味わうことができます。クリスマスが間近に迫る12月中旬、私は友だちと共に市内で開催されているクリスマスマーケットに訪れました。そこでは、本場ドイツのように食べ物やビール、装飾品などを売る出店が立ち並び、シュネツグやソーセージなど、ドイツの郷土料理も楽しむことができました。ドイツの入場からホットワインを提供され、それを嗜みながらソーセージをほおばり、少し知っているドイツ語をドイツ人の友人に話すだけで、少し大げさに言えば行ったことのないドイツにいった気分になりました。
クリスマスを過ぎるとすぐに気分は年末年始です。留学生たちは年末になるとカウントダウンだ新年だなど騒ぎ始め、年越しに合わせパーティや何かを行います。日本にいれば、神棚を掃除したりお餅や正月飾りを家のいたるところに飾り付けている頃でしょう。しかし、年が変わる12月31日でも特にざわつかないのが中国です。年末年始だというのに中国では年末セールもお年玉もありません。中国では旧正月のみを祝うとは聞いていましたが、実際に中国で年越しをし、その実情に触れ、何とも素っ気ない新年の雰囲気を味わいました。12月31日に私は友人とともに日本風の年越しをしようということで、お酒を飲みながらお餅やお雑煮などの正月料理を作りました。年越しと共に騒ぎながら年越しそばを食べたのは良い思い出です。日本で今まで常識のように過ごしてきた祝日やイベントを他国で経験してみるのも、また違った雰囲気や考え方があっておもしろいと思い、また違う国で年越ししてみたいと思いました。
年が明けたと思ったらすぐに期末テストが待っていました。期末テストの準備はあらかた終え、テスト後の長期休みに思いを馳せていたのですが、半年間一緒に勉強してきたクラスメイトと離れ離れになると思うと、何か少し寂しい気分にもなりました。クラスメイトは問題児ばかりで、授業の最初の30分は一人で受けることも何度もありました。クラス会が開催されることは一度もありませんでした。最初は19人いたのに最後に修了書をもらったのは6人でした。そんな中でも育んできた友情はあり、クラスメイトは授業に来なくても遊びには来てくれることもたくさんありました。そんな思い出を背に、期末テストを終え、同時に今期を終了しました。
上記した以外にも、学校でのフィールドワークや個人での旅行、上海福島県事務所のお手伝いなど様々経験してきた半年間でしたが、結局感じることは『自分次第』。留学に行けば何か変われると、自分を変えてくれると幻想のような『留学』をイメージしてくる人も少なくないと思います。自分で考えて自分で行動していかなければ何も変われないし成長できない。日本語以外の言語でも本気で挑戦してぶつかっていくからこそ親友と呼べるような友だちもできる。そう自らに言い聞かせて過ごしてきました。来期はさらに中国について知りたいと思い、コースを言語コースからGlobal China Programという欧米式の講義コースに変更し、自分が興味を持ったことについて突き詰めていきます。華東師範大学には、それをサポートする環境があり、上海には様々な可能性がたくさんあります。この恵まれた環境に後半年間滞在できることに感謝しながら、主体的に、これからも精進していきたいと思います。