留学を終え、この1年で自分の中で起こった変化として、世界への興味が広がったことが挙げられます。
ヨーロッパ圏に留学をしていたため、ヨーロッパ内の様々な国を旅行する機会を得られました。当たり前のことではありますが、私たちが教科書で学ぶ川も山脈もそれはただの学習事項ではなく、その地形に合った都市が構成され、そこで生活をしている人がいます。
言語や民族も当然ですが、それらはただの教科書に載っているグループのカテゴリーではなく実在するのです。そんなことは小学生でも理解はしているでしょうが、感覚としてそのことを実感できたのは、やはり実物を見たからです。
海外に出たのはこの留学が初めてというわけではありませんでしたが、1年間日本を離れることで改めて感じました。これにより勉強と日常の飛躍が極めて小さくなりました。留学を終え新しい姿勢で学問に向き合えることを喜ばしく思います。
留学に行く前やルーマニアについてすぐの頃は、先輩方にどのように過ごしたか熱心に質問をしたものですが、結局はその人次第で、同じ国に行き、同じ寮に住み、同じ学部に通っていたとしても、その経験は全く違うものになるとわかりました。熱心に机に向かい勉強をしても、常に外出して街をふらふらしていても時間というものはとても平等で、過ごした時間の分何かしら得るものがあります。
学生なので、学問的な分野の能力を伸ばすことが望ましいでしょうが、後者のような時間の過ごし方でも、豊かな経験は得ることができ、そこに価値の違いはありません。極端な話をすると、留学したから特別偉いというわけでもなく、この1年間福島の地で学んでいた友人達も、私と同じくらい価値のある1年を過ごし、各々新たに発見したこともあったでしょう。
留学をして良かったことは、私の興味のあるものにどんどん足を踏み出すことができたことです。言語、日本語教育、地理学、食、宗教など様々な分野での経験の幅を広げることができました。
留学中に、一度絶体絶命と思われる困難を迎えました。ビザの問題です。
現地の国際交流センターの人と、ちょっとした確認不足があり、滞在の問題に直面しました。結果的に法律の範囲内で大丈夫ということで解決したのですが、これから留学をする人には、ビザについてはしっかりと厳重に登録情報を確認すること、これをアドバイスとして記述させていただきたいと思います。
しかし、万が一この問題に直面し、海外で拘束されたり強制送還されたりしても、その後の人生がすべて駄目になるというわけではないので心配しすぎないでください。拘束されたり、強制送還された人も、その後の人生で自由に楽しく生きています。世の中の大抵のことはどうにかなると学びました。
福島に帰ってきて、有り難いことに私には学生として、勉学に励むのに十分な時間がまだ何年かあるので、今まで以上に、様々な情報や経験に触れていきたいと思います。また、この秋から、私が留学をしていたブカレスト大学から交換留学生として学生が来てくれるようなので、ルーマニアでたくさん助けてもらった分、私も出来る限り彼女達をサポートしていくつもりです。
ルーマニア国内も様々な場所に行ったので一部紹介させていただきたいと思います。
【アルバユリア】
ハンガリーとの国境近くにあります。ハンガリーと戦ってここがルーマニアになりました。ルーマニア統一において重要な場所なのでこの地域の人たちはひときわ愛国心が強いそうです。カトリックの教会とルーマニア正教の教会が隣り合って建てられています。
【ネプチューン】
ここで1週間ほどバカンスをしました。ルーマニアの海側には幾つかの街がありますがここはバカンス先として少しリッチな場所です。ネプチューンにはガス田があります。ルーマニアは資源に恵まれている国です。
【サリーナ・トゥルダ】
ここには塩の洞窟があり、地下遊園地が作られています。外は灼熱の気温でも中はとても涼しく羽織るものが必要です。頭上から水が落ちてきますが当然
ながらしょっぱいです。地上に上がるためのエレベーターは1機しかない上非常に効率が悪いですが気長に待つしかありません。ルーマニアのスタイルです。
【サプンツァ村】
世界一陽気な墓。ルーマニアで一番有名な観光地ではないでしょうか。この墓にはその人がどのように生きたのかということや、死因などが絵とともに記されています。イモトアヤコの墓もありますが彼女はまだご存命ですので彫り師のアトリエに置いてあります。文章についても適当に書かれていて視聴率が80%だっただの、怪物と戦って勝利したが蛇に噛まれて死んだだの、相当適当なことが書かれています。
【スチャヴァ】
ここはステファンチェルマーレが拠点を構えた場所で要塞が築かれています。訪れた時にはちょうど中世祭りが催されていました。ルーマニアでは各地方
で中世祭りが催され、中世の雰囲気を味わうことができます。
【シギショアラ】
中世の街並みが保存されており世界遺産に登録されています。ドラキュラの生家があり今はレストランになっています。レストランの上はお化け屋敷が作られ
ています。
【ブラショフ】
ドラキュラ城があります。ここに行くためには鉄道の駅から車で40分ほどでアクセスはあまり良くないですが有名な観光地です。
ドラキュラのイメージは実はブラド・ツェペシュの存在を知ったアメリカ人の作家が生み出したものでブラド・ツェペシュはルーマニア人にとって国を守った英雄です。
まだ他にも行った場所はありますが厳選させていただきました。ルーマニアは首都のブカレストよりもその他の町の方がよりルーマニアの雰囲気を味わえておすすめです。
今年でルーマニアは建国100周年になります。12月のお祭りまでいられなかったことを少し残念に思います。これからもルーマニアと日本が良い関係を築き、そして両国が発展することを願っています。