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留学体験記

【オランダ】留学レポート

【派遣先】ハンザUAS・フローニンゲン大学 【留学期間】2018年8月~2019年7月
人間発達文化学類 A.Yさん

 
留学前半を振り返って

 オランダに到着してから3か月が過ぎようとしています。この留学前半は本当に密度の濃い時間になりました。授業、休日の旅行など、書ききれないほどたくさんの思い出がありますが、今回は私がこの留学前半で一番大変だったことを軸に書いていきたいと思います。

大きな問題

 私は、とても大きな問題を抱えてこの地に降り立ちました。人生でこのことを経験する人は本当に一握りだと思います。しかし、そのスリリングな生活も今では終止符を打ちました。周りの友だちに助けてもらい今では不安も減り、とても充実した生活を送っています。これからその全貌を明かしていきたいと思います。

 私が抱えていた最大級の問題は「住居がない」という事でした。オランダの大学は寮を持っていないので、自分で探すか又は大学と提携しているSSHという会社を通して、住居を確保しなくてはなりません。オランダに来る前から十分準備をしていればそのようなことは起きなかったのではないか思われる方もいらっしゃると思いますが、実際出発の3か月前から毎日のように住居に関する情報を検索していました。しかし、結局住居は見つからず、出発の日を迎えてしまいました。初めは「行けば何とかなる」という考えでいたのですが、大学が始まると、じっくり家を探す時間はありませんでした。最初の2週間は学生が多く利用するホテルで過ごしていたのですが、期限が過ぎてしまったら住む場所がないという状態でした。

 今後どうしていこうか悩んでいたのですが、たまたまコンタクトをとった会社から連絡をいただき、何とか10月からの住居は確保することができました。8月下旬にオランダに到着し、9月上旬にはホテルを出なくてはいけなかったので10月まではその会社が提供するTemporary Housingに住むことになりました。

Temporary Housing

 9月上旬からこの場所に住むことになりました。正直なことを言うと、初めてここに入った日には「この場所に10月まで住むのか」という印象でした。外見はまるで廃墟、キッチンにはガスコンロがない(料理ができない)、1つの教室(部屋)を6人で共有、勉強する机がない、そして私たち留学生たちにとって最大級の問題、Wi-Fiがない(パソコンでの作業が制限される)というような感じでした。

 これからどうやって生活していけばいいのか先が思いやられました。しかし、実際はその不安とは裏腹に、特に問題もなく1か月間楽しく過ごすことができました。
 この環境でよかったなと思うことが2つあります。まず1つ目は、インターネットが家にないので、外で集中して勉強しなければならなかったということです。
 予習・復習は大学でやるか、図書館に行くかどちらかに絞られました。その場所でやらないと、次の授業についていけなくなるということが分かっていたので、本当に必死で勉強しました。時間との戦いです。「図書館が閉館する前に何とか終わらせないと」という思いでいっぱいでした。逆にこの環境が勉強するのにとてもよかったのではないかと今では思っています。
 
 そして2つ目は、多くの友だちを作ることができたことです。実はこのTemporary housingには100人近くかそれ以上の留学生が住んでいたという話を聞きました。建物の中に唯一机のあるcommon roomで食事をとったり、勉強したりする人が多かったので、ルームメイトだけでなく、そこでも数多くの友だちを作ることができました。
 特に印象に残っているのは、とても十分とは言えないキッチンで、各々の創造力を使い必死に料理をしているのを見て、お互いにやり方を教えたりしたことです。この環境下にあったからこそ、会話が他の人に比べ、増えたのではないかと思っています。

New accommodation

 住居の工事の遅れにより、入居日は遅れてしまいましたが、ついに留学期間住める家に入る事ができました。家賃は高めですが、一人暮らしで自由がきくので満足しています。
 最近は生活の方もだいぶ落ち着いてきました。帰宅の際、迎え入れてくれるルームメイトたちがいないのが寂しく感じますが、ほとんどが同じ建物に住んでいるので、平日でもよくお互いの部屋に遊びに行ったり、集まって雑談したり、ご飯を一緒に作ったり、休日買い物に一緒に行ったりと楽しい生活を送っています。確かに初めの方は大変だなと思うことが多かったですが、今となってはあの時間があったからこそ、今の友だちと出会うことができ、今こうやって楽しい時間を送れているのではないかとしみじみ感じています。

終わりに

 この3か月、本当に密度の濃い時間を過ごしました。学校生活はもちろんそうですが、学校以外の場所での経験がとても大きかったです。
 実際に英語で家の契約をしたり、契約説明を聞かなくてはならなかったりと、普通ではなかなかできない貴重な体験をしました。
 前半は住居のことで慌ただしい生活となりましたが、今後はもっと余裕を持った生活ができると思っています。いままでとは違う、新しい体験を留学の後半ではできたらいいなと思っています。11月下旬から新しいブロックがスタートするので、更に実りのある時間にしていきます。そして最後になりましたが、オランダに留学したいと思っている方は、出発前に住居を見つけることを強くお勧めします。


▲ルームメイトたち


▲実際に住んでいた部屋


▲集まって夕飯会