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留学体験記

【オランダ】中間レポート~半年を経て~

【派遣先】ハンザUAS・フローニンゲン大学 【留学期間】2018年8月~2019年7月
共生システム理工学類 N.Sさん

 

1. 序章 -はじめに-

オランダでの留学生活を始めてから2019年2月をもって半年が経とうとしています。前回の3ヵ月レポート(11月)を書いたのがつい先日のように思われ、留学生活における時間というものをとても刹那に感じている日々です。1年間の交換留学生活における"半年"という時点は、文字通り半分が過ぎ去るタイミングであり、3ヵ月目を迎えたときとはまた違った観点からレポートという形で半年間を振返り,様々なことをお伝えできればと思います。

2. 本章 -オランダでの生活-

2.1.年末年始のイベント

1年間留学の1つの魅力として、年間を通して四季折々の海外文化に触れる機会があることだと私は考えます。そして"年末年始"の時期も言わずもがなその時節に少なからず該当します。私が住んでいるアパートはヨーロッパ県内からの留学生が多く、クリスマスシーズンには大半の学生が母国へ帰国します。ヨーロッパの方々はクリスマスに家族と過ごすことをとても大切にします。もちろん日本人が大切にしていないというわけではなく平均的に見たときに日本人よりも割合が多いという事です。どれくらい大切にしているかと言うと説明が難しいですが、例えば、半年留学(すなわち1月中旬~下旬に帰国予定)の学生が交換留学という他国での限りある時間を割いてでも12月に一度帰国をしてお祝いをし、また戻ってくるといった感じです。距離がアジアより近いとは言え、あと1ヵ月弱で帰国するのに一時帰国をして家族とお祝いするという点でその重みが伝わってきました。"家族とのお祝い"という点で見ると、ヨーロッパ人にとってクリスマスという日は、日本でいうお正月に近いのかもしれません。

では年末年始のお祝いは何をするのかと言うと、「花火」です。これは日本でも割と用いられているお祝いの手法だと思います。しかし留学先のフローニンゲンでは街中で住民が花火をバンバン打ち上げてお祝いをするほど活発です。アパートの部屋の中にいてもその音が数秒おきに聞こえてきます。個人的には日本だったら苦情が出てもおかしくないレベルだと感じましたが、これが文化の違いなのだと思います。もちろんお祭り等で目にする打上花火も沢山見られます。私はクリスマス旅行で一緒にドイツに行ったインドネシア人の友達と互いの国の伝統料理を作ってお祝いをしました。習慣化した日常に潜む数多のオランダ文化を知ることも異文化体験の1つですが、やはりクリスマスのような大きなイベントだとその違いをはっきりと認識することが出来ました。

2.2.国際レベルの邂逅と不縁

 「邂逅と不縁」と大げさに見出しを付けてしまいましたが、簡単に言えば出会いと別れです。9月から同じタイミングで留学のスタートを切った仲間が次々と半年間の留学を終えて、帰国していきます。ここで出会った人たちは本当に良い人たちばかりで、私の拙い英語にも丁寧に対応してくれたり、分からないこともしっかり教えてくれたり、一緒に買い物やパーティー、旅行に行かないかと誘ってくれたりと仲間想いの友人たちが多く、別れるのはとても寂しく感じました。日本での"国内"の別れとは異なり、世界各国へ帰国していくので、はっきり言って、この先もう一生会わない可能性が高い友人の方が圧倒的に多いです。それでも「いつかまた。」という言葉の中には社交辞令の枠を超えた何かを感じ、バス停や駅で涙を流しながら別れを惜しむ友人たちも沢山いて、一人一人の互いへのおもいやりを感じました。出会いがあれば別れもあるというのはどこの国でも、そしてたとえ半年間という短い期間であろうと同じであり、そこで出会った一人一人との関係の上に今の自分が成立しているのだと思います。

また、多くの友人の旅立ちの一方で、住んでいるアパートにも新しく各国からの留学生が30人程度やってきました。せっかく友人関係を構築できた友達との別れはもちろん寂しいものがありましたが、新たな友人たちと共に生活をスタートできると思うと楽しみでもあります。留学当初は沢山助けてもらいなんとかオランダでの新生活をスタート出来ました。今度は自分が、少ない知識ではありますが、他の学生たちを助けることができればと思います。


▲ クリスマス休暇のドイツ旅行

▲ アイルランド旅行

▲帰国する交換留学生とのお別れ会

3. 終章 -残り半年に向けて-

上記のように、半年を振返ってみると、今の自分は前半戦の"半年間"という一年という期間から見たらまだ半分にも満たない期間ではありますが、それでもこれほどまでにその一日一日がとても濃密なものであったと感じることが出来ています。

留学期間は残り半年です。その半年間に向けて最近ふと思うことがあります。自分はこの交換留学を通して何をしたいのか、何を成し遂げたいのか、と。留学は言ってしまえば多くの時間とお金を投資する決して安価でない買い物です。その投資に対する対価、すなわち費用対効果で効果の方が上回るものに、そして最大限のものにするためにもフワフワした状態のまま過ぎ去っていくことのないように今一度、原点回帰をして留学前に自分がどんな想いを持っていたのか、その目標に再び向かうのではなく、今日までの体験を加味した目標の再設定を行うことが大事だと思いました。

留学開始時の海外文化に対する"新鮮さ"はおそらく前半の半年間の方がこれから迎える半年間よりも鮮明で、超えることはないと思います。残り半年は、前半で感じた新鮮さに対して、"慣れてきた"という現在の状態を活かして、これまでの経験に負けない程の充実感を得ることが出来たと言えるような日々を送りたいと思います。