私は今このレポートを書きながら、留学が始まってからすでに6か月が経ったということに驚いています。ついこの間、3か月目のレポートを書いたばかりなのに..."1年の留学は長いようで短い"とはこういうことをいうのだなと感じながら、レポートを書いていこうと思います。
この3か月はとても内容が濃かったです。ブカレスト大学の1年間のスケジュールは2セメスター制で、10月から1セメスターが始まり、12月にWinter Holiday、1月の下旬にかけてテストが行われます。そして2月の頭には2週間ほどの休みがあり、中旬から2セメスター目が始まります。
まず、1月には留学に来て初めてのテスト期間がありました。私が履修していたいくつかの授業では日本の大学とは違う方法でテストが行われました。そのことについて紹介したいと思います。
英語学科の授業で、私はLECという音韻学の授業とTEXTEという英語の文法について学ぶ授業を取っていました。事前に教授からテストについて聞くと、その試験はOral Examという口頭試験をするというのです。それを聞いて、心の中では正直「えっ!音韻学の口頭試験って何が出題されるの?もう単位を落としたかもしれない。」とマイナスのことばかり考えていました。
しかし、だからといって勉強しないわけにはいきません。音韻学の専門用語を頭に入れ、教授が授業でポイントだといった内容を整理したり、自分で説明できるようにしたりして、テスト当日を迎えました。 当日、教室には教授が数名待機し、生徒が順番に中に入り、それぞれ内容が違うテストを渡されます。10時からテストが開始なのですが、生徒に対して教授の数が少なかったため、私がテストを受けられたのは16時でした。私は待ちくたびれてイライラしていましたが、ルーマニアの学生は国民性からなのか、とても穏やかにテストの準備をしていて、これも文化の違いかと驚かされました。
本題に戻りますが、テストを受け取ると、内容を整理して説明するための準備の時間が与えられます。その後、教授の元へ行って説明をします。私はその時できる精一杯の力を出し切り、教授の質問に答え、何とかギリギリで単位をもらうことができました。
2月は2週間ほど学校が休みということもあり、いろいろなことを体験しました。
まず、ブカレストから電車で2時間30分ほど離れたブラショフという町へ行き、スノーボードをしました。ルーマニアはヨーロッパでも優れたスキー場を多く保有し、スキージャンプの高梨沙良選手も大会などで度々訪れるほど、冬のスポーツが盛んです。初めてスノーボードに挑戦しましたが、とても楽しく、海外でスノーボードをすることはなかなかないことだと思うので、いい経験になりました。
▲ブラショフのスキー場でのスノーボード
そして次に、隣国ハンガリーに行きました。ハンガリーとブカレストは隣国であるため、街並みが似ているのかと想像していましたが、大違いでした。ハンガリーはおしゃれなカフェや本屋さんなどが多く、街並みがきれいで、ドナウ川から見る夜景は圧倒されるほど綺麗でした。ハンガリー名物のフォアグラも食べましたが、口の中に入れると一瞬でとろけるくらい柔らかくおいしかったです。
▲ドナウ川から見える夜景
▲ハンガリー名物フォアグラ
そして、最後に福島大学から東欧に留学している3人でベルギーに行きました。留学前の事前説明会以降の再会だったため、お互いの国での留学状況を報告し合い、とても刺激を受けました。ここで面白かったのが、シェンゲン協定についてです。ハンガリーとスロベニアは協定に加盟しているため、出入国の際にパスポートにハンコを押す必要がありません。しかし、ルーマニアはまだこの協定に加盟していないため、いちいち出入国の際には審査を通り、パスポートにハンコを押してもらわないといけません。これは2人と話をしているときにわかりました。違う国に留学しているからこそ、EUの基礎知識を学ぶことができました。
▲ブリュッセルのグラン・プラス
1セメスター目から2セメスター目の間では環境に変化がありました。私の2人のルームメイトが帰国し、部屋は1人部屋になりました。2人には留学当初から、いろいろな面でお世話になり、そのおかげでホームシックになることはありませんでした。授業が遅かった日や旅行から帰って来た日はご飯を作ってくれたり、一緒に旅行に行ったりと、4か月間共に過ごした2人は私の中ではとても大切な存在です。日本にいたら出会わなかっただろう人とルーマニアでこうして出会ったことは奇跡だと思います。"一期一会"という言葉があるようにここでの出会いを大切にし、これからの人生でも関係を続けていきたいです。
▲留学当初の初めての学食
▲ルームメイトとの夕ご飯