ハンガリーに着いた日、私は日本に帰る日がすごく先のように感じました。しかし、留学に行った人が口を揃えて言うように本当に留学生活はあっという間に終わってしまいました。この留学最終レポートでは、約10ヶ月のハンガリー生活やハンガリーで行った福島の発表について、留学生活を振り返りながら書いていこうと思います。
この1年間、ハンガリーでは主に英語を勉強する授業と、ハンガリーの文化、歴史、言語を勉強する授業を履修しました。特に印象に残っているのはハンガリー語の授業です。最初にハンガリーに来た時は恥ずかしながらもハンガリー語の「ありがとう」さえわからない状態でした。しかし、一年を通してこの授業を受講したことで、ハンガリー語の挨拶はもちろん、基本的なことが学習できました。まだまだ会話はスムーズにできませんが、留学したことでハンガリーの言語にも魅力を感じるようになったため、今後もハンガリー語の勉強を続けていきたいです。
また、この一年を通して日本語学科のお手伝いも経験することができました。海外の地で海外の人と日本語を使うのは不思議な感覚でしたが、自分では気づかなかった日本語の難しさや日本語の良さ、そして日本の良さにも気づくことができました。
ハンガリーはヨーロッパにある国のため、他国の人たちと簡単に交流することができたり、ヨーロッパの国々を簡単に訪れたりすることができます。そのため、ハンガリーにいながらもハンガリー以外の国の食や文化に触れることができたり、様々なヨーロッパの観光地を訪れることができたました。これもハンガリーに留学して良かった点だと思います。
▲この川の向こうはスロバキアです。
実際に川にかかっている橋に行き、歩いて国境を越えるという経験ができました。
カーロリ大学の先生が、福島についての発表を行う機会を作ってくださり、カーロリ大学、ブダペストにある高校、交際交流基金の計三ヶ所で福島についての発表を行いました。
ハンガリーでは、いまだに「福島かチェルノブイリか」と言われている現実があります。実際にハンガリー留学中に「福島は大丈夫か」や「福島に人はいるのか」といったことを聞かれたことがありました。また、福島大学に留学希望していた学生が親から福島に行くことを反対されたために、留学先を変更するということもありました。この発表では言語により間違った理解が生まれないよう、ハンガリー語の通訳をつけて行われました。発表は難しい内容も含まれていましたが、発表を聞きに来てくれたハンガリー人全員が真剣に話を聞いてくれ、質疑応答では時間を超えるほどの質問が飛び交いました。この発表を通じて「福島に行ってみたい」や「今の本当の福島を知ることができた」などと嬉しい意見が寄せられました。
また、福島で生まれ育った自分自身でも、現在の福島について知らないことが多くあり、自分にとっても改めて福島について考える良い機会となりました。このような貴重な機会を作ってくださったカーロリ大学の先生、ハンガリー語の翻訳に協力してくれた学生の方、発表を聞きに来てくださった方々に感謝したいです。
▲国際交流基金で行った福島の発表。
去年福島大学に留学していたハンガリー人の学生と一緒に行いました。
ハンガリーでの留学を振り返ると、無理だと思ってもとりあえず挑戦することの大切さを実感しました。この留学中、自分の英語のレベルよりも高い授業に参加するというチャレンジをしました。最初は先生も授業についていけない私を心配していましたが、私はほぼ毎日授業の復習をし、テストの勉強に励みました。その成果、最後の授業の時に、先生が生徒全員の前で、私がこのクラスの単位を取れたことを褒めてくれました。クラス全員から拍手をもらうことができた時は、この授業に挑戦した達成感とともに、諦めずに頑張ることが出来た自分自身の成長を感じることができました。もし、留学に行きたいけれど迷っているという方がいれば、一歩踏み出して留学に挑戦してほしいです。そして、ぜひハンガリーへの留学も考えてみてほしいと思います。