私はこの夏休みにオーストラリアのクイーンズランド大学で語学研修を5週間行った。クイーンズランド大学への留学は1年生の春休みに行ったことがあり、その際、私は楽しみながらリアルな英語に触れ、学ぶことができた。そのため、また海外という非日常生活に身をおいて自身の英語力を試し、磨きたいと思い、2度目の参加に至った。しかし、2度目の参加といえどもぼんやりとした不安があり、その不安は正直初めて参加したときより大きかった。ただ、オーストラリアでの生活が始まるとそんな不安など一掃され、本当に毎日が充実しており、参加してよかったと思える5週間となった。
クラスは英語のレベルによって分けられ、私のクラスは日本人以外にも中国とサウジアラビア出身の人がいた。全員が学生というわけではなく、すでに働いている人や結婚している人もおり、年齢も様々であった。また滞在期間も自分のように5週間の人もいれば3か月や半年、中には数年滞在するといった人もいた。授業は日本のように先生が一方的に話して生徒がそれを聞くといった形式ではなく、先生が提示したトピックに対して生徒同士で英語で会話したりディスカッションしたりとみんなが積極的に参加するスタイルだった。日本人以外の留学生は自分のように途中途中考えこむことなく、次から次へと会話を展開しており、その勢いに圧倒され自身のスピーキング力向上への良い刺激となった。また授業中にクラスの人とペアを作り、クイーンズランド大学の学生に質問を行うというアクティビティは非常に印象に残っている。質問内容がなかなか伝わらず、時間をかけて何度も言い直すことも多かったが、嫌な顔せずに必死に聞き取ろうとしてくれる姿勢にオーストラリア人の優しさを感じた。
授業が終わると初めはクラスの人と関わることはなかったが、授業内での交流もあり最終的にはみんなでシティに出かけたりBBQをしたりと仲を深めることができた。
私のホストファミリーは4人家族だった。両親はハンガリー出身だったため、家族全員が英語以外にもハンガリー語を話せたが、夕食の時など私が家族の会話に参加する際には英語のみで話してくれた。それ以外にも英語を学ぶ上でのアドバイスや英語の勉強用に子供向けの本を貸してもらい色々と気遣ってもらった。また、子供が小学校で日本語を学んでいることもあり、私が来てから夕食時には「いただきます」と「ごちそうさま」をみんなで言ったり日本語の歌を披露してもらったりした。そのため、最初は慣れない環境に苦労することはあったが、少しずつ家族の中に溶け込んでいくことができた。自分の英語力で会話なんてできないと卑下することなく、失敗を恐れずに積極的に自分から話題を振ることが大切だと感じた。
授業は午前中のみであったため、午後からは完全に自由行動だった。そのため、私は友達とシティやサウスバンクといったところに行き、食事やショッピングを楽しんだ。ブリスベンの中心地には数多くの高層ビルが立ち並んでおり、特に夜になるとそれらの明かりによってとても綺麗だった。
休日には平日には行けないような少し遠いところへ出かけた。前回訪れたローンパインコアラサンクチュアリーには再び足を運んだ。コアラやカンガルーに触れることができるというのは日本ではできないやはり魅力的な体験だった。その他にはブリスベンから電車で1時間の距離にあるゴールドコーストにも行った。そこにはビーチがあり、目の前に広がる真っ青な海はとても美しかった。また、ゴールドコーストではムービーワールドやシーワールドのようなテーマパークにも行き、友達ととても楽しい時間を過ごした。
留学前は心の中では楽しみより不安が圧倒的に占めていた。実際は5週間の中で留学して後悔したなと思う瞬間など一瞬もなく、様々な人の支えや助けもあって最高の時間を過ごすことができた。前回同様、この5週間のみで目に見えて英語力が上がったわけではない。ただ、今後の英語に取り組むためのモチベーションへとつなげることができたと思う。
この5週間は私にとって生涯忘れられない楽しい経験や思い出を作ることができた。この留学で得たものを今後も忘れずに大切にしていきたいと思う。