現在12月13日、18:02、気温23度。南国台湾に来てはや3か月。高雄に到着したあの夜のことは今でも忘れられません。まず空港の税関に並ぶ長蛇の列、10か所ほど窓口があるのにも関わらず、職員が二人しかいないという矛盾。そこら中に生えているヤシの木。日本とのギャップに早くも胸が高鳴りました。
空港から出てまず驚いたことは、空気が日本と全然違うこと。空港の外に出て3秒間ほどは息が吸えませんでした。体が締め付けられるように暑く、空気がとても重かったので、冗談抜きで私の肺が空気を取り込むのを拒否していました。
出迎えにきてくれていたバディたち(女性3人。一人が僕のバディで、もう二人は付き添いで来てくれた友達。うち一人は文藻の学生じゃない。この時点でもう面白い。)は、さすがは台湾の女性というもの、段取り良くタクシーを捕まえてくれて、文藻の学校の前のセブンイレブンまで送迎してくれました。
タクシーでの移動中も、僕は日本との違いを多く発見しました。一番目についたのは、原付バイクの数が尋常じゃないくらい多いこと。何でなのかを尋ねると、「便利だから」と言われました。バイク専用の道路が舗装されている程、台湾にはバイクが多いです。しかし、なぜかみんな原付に乗っています。台湾で原付バイクに乗るためには、車とは別の免許が必要です。「じゃあ、みんなもバイクは持ってるの?」と再び尋ねると、みんな苦い顔をして「持ってない」と答えました。僕からしてみれば、わざわざ原付の免許を取るくらいだったら、もっと格好いいバイクか車に乗ると思います。このようなことから台湾人(若い層)と日本人の感覚はやや似ているのかなと勝手に思いました。
次に高雄についての紹介をしたいと思います。高雄は台北の次に大きな都市で非常に都会的であり、交通の便も大変よく、地下鉄・電車・バス・シティバイク・高鐵(ガオティエ、新幹線のような乗り物)などが揃っています。高鐵で台北まで2時間ほどなので、週末に遊びに行く学生が多いです。僕はよくバスを使ってデパートや夜市に行くのですが、高雄市のバスは距離にかかわらず、乗車駅から下車駅までなんと12元(およそ40円、1元だいたい3.4~6円)で乗ることができるという、バス業界を破綻しかねない値段です。
台湾は日本より物価が安く、高雄は台北よりも更に物価が安いです。一食の食事にかかる値段はおよそ80元。タピオカは35元で飲むことができるので、タピオカ好きの僕にとっては天国です。しかも大きく、台湾のMサイズは日本のLサイズに相当します。また、食事はとても美味しく、日本人の口にも合う物が多くあります。僕はよく餃子の店や、鶏肉飯という有名な鶏肉を使ったご飯をよく食べに行きます。またバスでちょっと行ったデパートには大戸屋や牛角、ココイチにスシローなど日本のレストランもあるので、食事の心配はないかと思います。
▲よく店の鶏肉飯。大体150円。
文藻外語大学は台湾で唯一の外語大学で、学生のほとんどは専攻の外国語に加え、英語も堪能で圧倒されます。日本語学科にも関わらず韓国語も学び、話すことが出来る意識の高い学生もいます。図書館には英文の本、日本語や中国語の本などたくさんあり、映画を見ることのできる(最新の映画から古いものまで。英語、日本語、中国語がある、漫画もある)スペースもあり、wi-fiも完備されているので僕はよくお世話になっています。
寮は4人一部屋で、8階建ての寮のうち、一階が男子部屋で二階は男子高校生の部屋で、3階から8階までが女子部屋となっています。寮費は一学期17000元です(約55,000円 / 2019年9月現在)。
文藻は高校が同じ敷地内にあるので、高校生によく会います。また、サークル活動が日本と同様に盛んです。僕は時期を逃して入ることができなかったのでよくわかりませんが、友達はよくサークル終わりにみんなでご飯に行ったりして楽しんでいます。
▲学校内、至る所にヤシの木が。
食堂の他に朝ごはん屋、ジム(1学期300元)、カフェも揃っています。
▲学校付近の様子。ご飯屋さんが多くあります。
バイクや野良犬も多いです。
マックもちゃんとあります。タピオカのお店は学校付近だけで10軒はあると思います。
台湾人はとても優しくて明るく、個性あふれる人たちが多いです。僕をご飯に誘ってくれたり、一緒に旅行に行ったりもしています。
ここでひとつ、僕のルームメイト(日本語が話せる)の親切エピソードを紹介したいと思います。それは日本人の友達2人と台中旅行に行った時のこと。前日までに台南を旅行していた僕たちは疲れ果てており、ミスを犯していたことをこの日まで気づきませんでした。夜になり宿泊先のゲストハウスへ向かう途中、チェックインが翌日になっていたという初歩的な間違いに気づいたのです...やらかしました...。今夜の宿がない状況に僕たちは焦りに焦り、安いホテルを探すなど様々な方法を試みましたが、時間も夜9時を回っています。当日に安く部屋を貸すホテルなどありません。途方に暮れてルームメイトにLINEで相談してみると、なんとその友達が実家に泊めてくれると言い出しました。これには大変驚きました。両親や妹も家にいたのですが、みんな僕たちを歓迎してくれて、本当に助かりました。「君たちは困っているね。困っている人を助けるのが台湾人だよ。」と、さりげなく言った彼の眩しすぎる笑顔は、今でも忘れられません。
次に授業について。中国語の授業は毎日3時から5時までみっちりあります。僕は第二外国語でスペイン語を取っていたので、今まで中国語を授業で学んだ経験はありませんでした。渡航前4か月ほど独学で勉強したくらいなので、留学当初の中国語能力は、初心者に毛が生えたくらいでした。
文藻の中国語の授業ではクラス分けテストがあり、初級から上級まで4つのクラスに配分されます。僕は最初初級クラスになりました。最初の授業では、数字を1から100まで数えて終わるという本当に初歩の初歩レベルで、日本でも学習可能なものでしたので、中国語に自信がない方でも安心して授業に参加することができる内容になっています。
ただ、僕はもう少しレベルの高い授業を受けたいと思ったので、レベルを一つ上のクラスに変更してもらいました。本当はテストを受ける必要があったらしいのですが、教科書を渡されて「これが自分の能力で出来そうなら、明日から来なさい」と言われて、なぜかテストが免除されました。しかし、今の授業のレベルは自分に合っていてとても楽しいです。
クラスには日本人が9人ほどいるのに加え、フランス人が2人、ロシア人が2人、ドイツ人が1人、イタリア人が1人と、非常に国際色豊かであり、刺激的な毎日です。先週はロシア人の2人が一回も授業に来なかったり、9月にはドイツ人が沖縄旅行で2週間ほど授業を休んでいたりと、とても自由でユニークな学生たちが多いです。彼らとは英語を介して話すため、英語の力も自然と伸びてくると思います。
交換留学生は好きな授業を何でもとることができます。夜間の授業や大学院の授業、日本語で開講される授業を取ることもできるので、日本語学科の生徒たちと一緒に学ぶことが出来ます。僕は日本語学科の授業をとったおかげで沢山の友達ができました。
台湾と日本は古い歴史もあるため、どこか親しみやすい雰囲気があります。文藻での留学生活は人生で一度しかない経験だと思うので、これからの生活もよく学び、よく遊び、大いに楽しみたいと思います。また、今後留学をしたいと考えている方に文藻のことを少しでも考えていただけたら幸いです。
▲中秋節の日に知らないおじさんたちと飲んだ時の写真