【専攻】経済経営学類経済分析専攻3年
【派遣先】文藻外語大学(高雄市)
【留学期間】2019/9~2020/6/21(約1年間)
【場所】台湾、高雄市(台北、台中に次ぎ3番目の都市)
・レート 1元=3.5~7円
・気候 北部:亜熱帯、南部:熱帯
【中国語歴】1年5ヶ月(2019/4開始)
【第二外国語】スペイン語
みなさんこんにちは。私は去年の9月に台湾の高雄市へ渡り、文藻外語大学で交換留学を開始し、今年の6月に留学の全課程を修了して帰国しました。今回は留学を終えて私が感じたこと、学校の様子、高雄市について。そして台湾のコロナウイルス対策を簡単にご紹介していき、総じて台湾留学には魅力しかないことをお伝えできればなと思います。
みなさん、「台湾のイメージとはなんぞや?」と聞かれたらどのようなことを頭に思い浮かべますか?「タピオカ」や千と千尋で有名な「九份」はもちろんのこと、そのほかにもアジアで初めて同性婚を認めた一方で、16もの民族が暮らす多民族国家であることはご存知でしょうか。
しかしまだ国際的には国として認められない事実も存在するのです。ちょっと歴史の話になってしまいますが、台湾はそもそもなぜ国じゃないのか。オランダ統治時代を経て清朝統治、大日本帝国による植民地、そして中国大陸の内戦で敗北し台湾島に逃げてきた国民党による支配など、さまざまな国の中の「TAIWAN」として国際社会に登場してきました。現在は中華民国を設立した国民党の支配から替わり、台湾独立を掲げる蔡英文総統率いる民進党主体の政治体制です。ここまで話しましたが、興味のない方々すいません。つまり台湾には複雑な歴史があるんだということをわかっていただければ幸いです。台湾の歴史を紐解いていくと島としての「台湾」や省としての「台湾」があり、いろんな国との関係が見えてきてとても面白いですよ。
台湾にはさまざまな「人」がいます。もともと1600年代オランダ統治が始まる遥か昔、オセアニアからやってきたといわれるいわゆるオーストロネシア語族や中国福建省からやってきた客家人や中国内戦後に台湾にやってきた人々など、多くの民族から成っているのが台湾です。どこかに「属してきた」彼らが現在は「自分たちは台湾人」としてのアイデンティティーを確立しようと行動しているのも現在の台湾情勢の一つです。
外語大である文藻では英語、フランス語、スペイン語などの外国語(このほかにもタイ語など比較的マイナーと呼ばれる言語も学べます)のほかに、英語を使って台湾の文化を学ぶ科目や国際関係の科目、イギリス文学、さらにリスニングに特化した科目やスピーチ力を上げるためだけの科目もあり、自分の言語に足りない部分を徹底的に鍛えられるのも魅力です。
グラウンドが整備され、体育館にはジムもあり、1年間200元でジムのカードが買えます。コンビニやコーヒーショップ、台湾の朝ごはんで有名なダンビン屋もあります。飲み物屋では台湾の安くてフルーティーな南国ドリンクを手に入れることができます。また、屋上から高雄の景色を堪能できます。寮については前回のレポートを参考にして下さい。
▲文藻外観。緑中心のキャンパス。屋上から撮影。
▲学校付近。ごちゃごちゃ感が良し。
▲友人と台湾東部へ。
▲寮内部。四人一部屋。勉強しやすい環境。
台湾は日本人からすると台北のイメージが大きいと思いますが、高雄市はビル群が立ち並び、ショッピングモールや遊園地がある都会であり、船で30分足らずで離島へ行きリゾート気分を満喫できる一面もあります。都会度でいえば福島より発達していて十分満足できる暮らしができます。
▲高雄市立図書館。とにかく綺麗!
▲美麗島駅。世界で2番目に美しい。
▲きれいな夕焼けも海で見れる!
▲高雄のランドマークタワー「高雄85」
▲だるまの展示。日本と台湾のつながりを感じる。
▲ストリートアートが並ぶ芸術特区
今現在、留学を考えている方の悩みの一つとして感染症による影響があると思います。台湾は前回の感染症SARS(死者84人)の教訓から、2月には中国全土からの入境を制限するなど、いち早く対策を進めてきました。政府によるマスクを買い上げで在庫管理することによりマスクの買い占めを防ぎ、マスクの在庫を一目で把握することができるアプリを開発するなど政府対応の速度、的確さには現地にいた私も驚きました。
そして何より国民が一丸となってCOVID-19に対抗する姿勢を肌で感じることができました。だからこそ現在(2020/9/5)感染者数492人死者7人に抑えられている現状があります。そのため自粛も約2週間で済みましたし、大きな影響を感じることはありませんでした。
▲学校に設けられた検温所。通行するだけで測定可。
▲駅にもあります。
私は今回の留学を通して「当たり前」が当たり前でなくなる状況を目の当たりにしてきました。他大学の友人の中には帰国を余儀なくされた友人もいます。そんな中、留学を継続できたのは台湾政府による対応、文藻の対応並びに福島大学の職員の方々のおかげであり、この御恩を忘れずにしていきたいと思います。
私は実は3年後期での留学を検討していましたが、結果事が上手く運びました。「迷っていたら一歩踏み出す」。このことを大事にし、そしてぜひ留学を考えている方たちには台湾を留学候補の一つとして考えていただけたら幸いです。長くなってしまいましたが最後まで読んでくださりありがとうございました。