私はドイツのルードヴィヒスハーフェン経済大学に現在交換留学をしています。準備段階から現在までの状況をお伝えします。
はじめに、留学前にするべきこと・個人的にしておいた方がよかったと感じたことについてお伝えします。海外旅行保険の加入など、留学における基本的な必須事項はたくさんありますが、ドイツの大学への留学で特殊な点としては、閉鎖口座(Sperrkonto)の開設が挙げられます。閉鎖口座とは、外国人がドイツで滞在ビザを申請するために使用する特殊な銀行口座で、滞在中の経済力をドイツ側に証明するために、決まった金額を送金する制度です。1年間の留学の場合、日本円で100万円以上を一括で振り込まなければならないため、レートが安いうちに、そして手数料が低い国内にいるうちにやっておくことがベストだと感じました。
また、ビザの取得も必ず行ってください。私自身、留学前に様々なサイトなどで調べたのですが、コロナ禍だったということもあり、緊急の場合しか日本国内でのビザ発給は受け付けないというような触れ込みが大使館の公式サイト含め多くありました(現在も変わってないかもしれません)。ですが、交換留学であればビザは間違いなく発給されます。私は事情があってビザ無しの状態で渡航してしまったので、留学開始から3カ月が経った現在でもまだビザは未発給です。そのため、銀行口座を開設できないなど様々な弊害が出ています。これからドイツに交換留学へ行く方は、必ずビザを国内で取ってから行って頂きたいです。ただし、日本国内で取った場合も半年後に現地で再度更新をしなければならないのでご注意を。
大学は私が住んでいる寮からバスで約10分弱の場所にあります。キャンパスは2つあり、交換留学生や主要学部の学生はメインキャンパス(かなり新しい)、東アジアセンターの学生はライン川沿いにあるキャンパスに行きます。授業はドイツ語と英語でそれぞれ開講されており、交換留学生は英語が話せれば何とかなりますが、それぞれの専門単語に加えて、歴史の講義などはドイツやヨーロッパ諸国の歴史的背景を多少学んでいないと厳しい部分が多くあると感じました。また、テストが難しい講義や授業時間が1コマ3時間弱という日本と比べてトリッキーな講義もあります。また、単位区分も日本とは異なるため注意が必要です。私は今期、単位数のほぼ上限まで受講しましたが、中には3個しか受けていない人もいて様々です。
大学の寮は2か所あり、私は大学に近い方の寮で暮らしています。寮とはいっても一般のアパートで、大学が斡旋した部屋に学生が入居する形なので、隣や上下の部屋には一般の人たちが暮らしています。部屋に家具は一式揃っていますが、食器などは過去の学生が残していったものがあるため、部屋によってかなり異なります。食費に関しては福島にいたころとあまり変わらないという印象です。
また、ドイツの大学生は留学生も含めて全員がゼメスターチケットを利用することができます。このチケットは一定額を支払うことで、学期中に区間内の公共交通機関を自由に使うことが可能です。
ルードヴィヒスハーフェンはライン川沿いの町です。対岸にはマンハイムという中規模都市があり、寮からも路面電車一本で行けるため、買い物に行ったりしています。さらに古都として有名なハイデルベルクもS-bahnなどの地方電車で15分ほどの距離にあり、ゼメスターチケットの区間内であるため非常に行きやすいです。また、他の大都市へのアクセスもよく、ICEなどの新幹線を利用すればフランクフルトまでは30分、スイスのバーゼルまでは2時間半、ミュンヘンやパリまでは3時間と便利な立地のため、ヨーロッパ旅行をするにはとてもいい場所だと感じました。今までに、ミュンヘンのオクトーバーフェストとスイスのバーゼルに行きました。この他にも留学中に訪れてみたい国がたくさんあるので、各地を回ってみたいと思っています。
▲ライン川のほとり
▲ハイデルベルグのクリスマスマーケット