九ヶ月間、長いようで本当にあっという間だった。
目をつむると、まるであの九ヶ月が夢だったのではないかと錯覚してしまうほどだ。
それを何度もスマホのアルバムやインスタを通じて焼き付けた友人との思い出を振り返る度に、これは現実であり、私の中学生からの夢が叶った瞬間だったのだと再度認識する。
私があの九ヶ月で学んだことは何だったのか?私はどんな点で成長したと言えるだろう?
帰国後、幾度も幾度も考えた。
トルコ語だったのか、英語だったのか、生物学の知識だったのか。
いや、きっとそれ以上に大切なことをあの270日で学んだ。
今回は留学日誌最終ということで、私がこれまでに学んできたことや経験したことを抜粋して伝えたいと思います。
1.プチホームステイ
2.異なること=素晴らしいこと
3.感謝を言葉に、感謝を原動力に
4.最後に
私は基本的には寮生活を送っていました。しかし、ありがたいことに、イズミル、アンカラ、イスタンブールに実家がある3人の友人がそれぞれ休みの日に彼女らの家に招待してくれたのです。
私はトルコ語が話せないし、彼女らのご家族も英語を話すのが苦手でした。そこで友人が通訳に入り、私はご家族の皆さんとも楽しく会話することができました。
トルコの美味しい家庭料理をたらふくいただき、友人が小さい頃の写真を見せてもらいながらどんな幼少期を過ごしたのかを話しては心温まり、観光地を案内してもらっては一緒に写真を撮りました。彼ら彼女らの優しさに触れ、その家庭で過ごした時間は私の心を温かくしたのです。以前、どこかで"お・も・て・な・し"の文化は日本独自のもので他の国にはないと聞いていましたが、トルコでも同様に感謝を込めたおもてなしをしていただきました。私の友人も素敵ですが、彼女らの家族もやっぱり想像以上に素敵な方々でした。
留学前にトルコ人の性格を調べたことがありましたが、ネットに書かれていた通り、人懐っこくて、外国人を大歓迎し、お節介なほど優しい人々が多いことを再確認しました。
▲イズミルの友人宅で夕食を囲む
▲マンティと呼ばれる家庭料理
私たち日本人はなるべく周囲と調和して生きることが求められることが多いです。そしてその生活の中で、自分の個性を表すことに躊躇することがあり、新しい環境では周囲に馴染むことを優先しがちです。
しかし、トルコに来て分かったことは、個性つまり異なることが美しいということです。
この点が、日本と圧倒的に違うことに気づきました。私のトルコ人の友達は、異なるところやユニークなところが素晴らしいと考えているようです。例えば、トルコ人のほとんどは、アジア人の一重の目はかっこよくて美しいと思っています。また、ヨーロッパ圏の青い目を持つ人や、アフリカ圏黒人の方々の髪型や肌色も魅力的と考えています。さらに、トルコとは異なる文化や風習が日本にも存在することを知って、ますます興味を持ちました。これらの異なる要素について友人たちと語り合う中で、私は自分自身に対する見方が変わっていくのを感じました。
実際に私は、自分が嫌っていた一重の目を持つことについて、トルコの友人たちから褒められました。「綺麗だね」と言ってもらえたことで、人と違うことが美しいという考え方を受け入れることができました。日本人の中には、外見や性格に対するコンプレックスを抱く人が多いですが、トルコではその違いが尊重されることを学びました。これはとても心地よい驚きでした。
また、以前イスタンブールを訪れた際、かつての王族たちが住んでいた建物を再現した場所で、アジア、南米、ヨーロッパなど様々な国から送られてきた贈り物が展示されていました。トルコがシルクロードの要点として貿易が行われていた場所という理由もあるかもしれませんが、それ以上に異国へのリスペクトの心がそこから感じられました。
古くから島国として、国交を閉ざしていたために、独自の文化が開花し、それを守り続けた日本。そして、古くからアジアとヨーロッパの境界として国際交流が盛んに行われ、独自の文化に様々な文化の影響を取り入れてきたトルコ。
この違いが、現在の国民性や各国の人々の性格や考え方にも大きく影響していると思いました。両国のアプローチが、それぞれの個性を形成していることが興味深いです。
"せっかく留学に行くなら、全く違う経験をしたい。異なる考え方を持つ人々に出会い、視野を広げたい"という私の10歳の頃からの夢が、トルコで叶ったことを胸を張って言えるようになりました。
皆さんは、日頃、感謝や気持ちを家族や友達に伝えていますか?私はトルコに行くまで、少し躊躇してしまうことが多くありました。
しかし、春休み中にトルコで起こった未曾有の大震災によって、オンライン授業や帰国の可否について考えざるを得ない状況になったとき、私が真っ先に思ったことは、「このまま仲良くなった友人にもう二度と会えないまま帰国し、今までの感謝や思いを伝えられずに終わるのだろうか」ということでした。そしてその瞬間、ものすごい後悔に駆られたのを覚えています。
結局のところ、授業は無事に対面で再開され、待ち望んでいた友人たちにも再会することができました。それでも、あの時の不安や焦りは今でも私の心に強く残っています。
だけど、その経験から、私は後悔のないように、しっかりと言葉で誰かに感謝を伝えることを決意しました。感謝は伝えられるときに伝えるべきだと気付かされました。またトルコを旅立つ前に、約三十人の友人たちに手紙を書き、それをみんなに手渡しました。その結果、ほとんどの友人がお返事の手紙まで書いてくれました。その温かな反応に、本当に感激しました。今でもその手紙を大切に保管し、時々読み返しては、その時の思い出に浸っています。
そして、友人たちからもらった言葉を、感謝を原動力にして、今後も自分らしい形で努力し続けていきたいと思います。トルコでの留学がいかに素晴らしく、意義ある時間だったかを、行動で示していくことで、感謝の気持ちを形にしたいと思います。この経験は私の人生に深く刻まれており、これからの未来に向かって前向きなエネルギーを注ぐ原動力となっています。
▲人生初パラグライダー
▲留学生の友人と湖にて
留学を通し、私は沢山のことを学び考え成長することができました。しかし、これらは私を支えて下さった家族、友人、先輩方、福島大学の先生や国際交流センターの皆様、そしてトルコで出会った人々のサポートあっての経験でした。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。今後はこの経験を活かし、さらに躍進すると共に、後輩へ留学の素晴らしさ、英語でコミュニケーションを取る楽しさを伝えつつ、福島大学に留学される方達のサポートにも徹したいと考えております。
最後に私が心にとめている言葉を言葉をここに(^^)v
Once in a lifetime means there's no second chance.