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留学体験記

【中国】中国短期語学研修2023レポート

【派遣先】華東師範大学【派遣期間】2023年9月~10月
経済経営学類
 Y.Cさん



研修参加理由 


 大学に入学してから本格的に中国語に触れ、中国に興味・関心があったことと、今まで海外に行った経験がなかったため短期で参加できる今回の研修は良い機会だと感じた。また座学で学んでいる言葉が現地で本当に通じるのか、自分がどれだけ海外で生活できるのか知りたかったことが理由だ。

研修参加時の語学スキル

 
 HSK
3級合格、5級は1度受けて不合格
大学では1年次、2年次共に週2回中国語の授業を履修
なお、この研修で語学力は問われない

研修日程以前の流れ


 GW
前後に募集があり応募し、何度か事前研修や各種支払い等を行った。8月に事前のテストや書類の提出をして9月にビザ取得、同月の17日に渡航した。
準備は遅れると期末試験準備と被ってしまうため、早め早めが望ましい。

1日(平日)のスケジュール

 午前 2コマ中国語の授業
(総合、リスニング、スピーキングの3種類で曜日により異なる)
午後 自由時間(企業訪問や観光地、宿題等)

授業について


 8月に事前テストがあり、先方の大学の留学生担当の先生と発音・会話のテスト、選択問題のペーパーテストの2つを受ける。

1-1が一番易しいクラスで3-2が一番難しいクラスとなっている。ボリュームゾーンは1-31-4だと思う。最初の一週間は自分に合うクラスを知るために好きなクラスに参加可能だ。私は当初1-4Bに在籍していたが、レベルが高く半分も理解できていないと感じたため最終的に1-3Cになった。同じレベルでも人数が多ければクラスがABCと増え、先生も異なるので自分に合うクラス探しが大事になる。ABCのなかで細かくレベルが分かれているかは不明だ。しかし、クラスのレベル変更の際、ABCは選択できないため完全に運になる。ちなみに1-31-4は共にメインの使用言語は中国語、1-3は中国語で話したことを先生が英語でも話してくれることが多いと感じた。1-4は話すスピードが非常に速かった。個人の意見としては自分のレベルが1-31-4の中間のレベルだと感じたため、レベルだけで考えるとどちらにいてもなんとも言えない気がしたが、1-3Cの先生は非常に面白く分かりやすくて自分に合っていて良かった。クラスは確か17人だったと思う。日本人、韓国人、タイ人、イラン人など様々で20代前半が多いように感じたが、サラリーマン風の方もいて年齢はばらつきがある。Wechatと呼ばれる(日本でいうLINE)アプリでグループを作り、授業連絡を行う。

大学の立地、周辺

 
 大学は午後に地下鉄やバスを使い訪ねて帰ってくることのできる距離にある。福島大学と比較して非常に大きい。大学内にコンビニ、スーパー(コンビニより安く購入可能、形はコンビニ)、理髪店、スマホ関係の店、大学グッズの店がある。図書館内に小さな博物館があった。大学周辺にテイクアウトの飲み物屋さん、飲食店、靴屋、本屋、コンビニ、服屋、果物屋、地下鉄の駅直結の大きなショッピングモールがある。生活するのに困ることはない。

携帯事情

 
 自分のスマートフォンがEsim対応端末のため、ネットで購入したesimを利用した。特に問題はなかったが、部屋のWi-Fiを使用する際はLINEGoogleなどは使えない。入れておくといいアプリはwechat(微信)、アリペイ(支付宝)、地下鉄のアプリ、地図アプリ(私が使用したのは百度地图)だ。あとは必要に応じて微博、小红书もおすすめする。

お金・支払事情


 訳あって滞在中全て現金払いにしていた。渡航前はキャッシュレス決済しかできないかもしれないと非常に不安だったのだが、そんなことはなかった。しかしアリペイ等のキャッシュレス決済が主流のため、一応現金で支払い可能か聞くとなおよい。「現金?!」と驚かれることもしばしばあった。お店によっては偽札か確認する機械が置いてあるところもある。ただ、タクシーを呼ぶときや自転車を使いたい時には現金は難しいと思うので、長期的な滞在の際、キャッシュレス決済は必須だと思われる。

中国の物価


 日本に比べると非常に安い。レート1元=22.6円程度と考えると、例えば水は1.7~3元、 パンは4.5~8元、地下鉄は3~8元、バスは2元だ。特に交通費は日本と比較してとても安いと分かる。私自身、交通費は1日に10元前後だった。学生食堂なら安ければ10元以下、高くても20元、大学周辺の飲食店なら20~30元で非常にしっかりした食事が食べられる。

交通に関して


 日本と比べ、バイクやQRコードのついている自転車(シェアサイクル)の利用率が非常に高い。大学は広いので自転車を利用している学生が大半だった。道は右側通行で車よりバイクが危険で注意する必要がある。バイクは通常の移動に加えてデリバリー文化が発達しているため、配達員が非常に急いでいる。

生活


 基本的にトイレにトイレットペーパーは流せない。きれいなショッピングモールや空港にはトイレットペーパーが備え付けてあるが、通常の生活ではトイレットペーパーを持ち歩いていると便利だと思う。また乾燥している日が多かった気がする。のど飴を買おうと思っても売っていないので持っていけば良かったと後悔した。

お湯のサーバーはお店や空港、寮などどこにでもある。コップまたは水筒もあると便利だと思う。どの学生寮で生活するかによるが、今回の滞在先(C楼)はトイレとシャワー室が部屋外にあって共用のタイプだった。

日本と異なるところ


 いい意味で自由で、適当だと思った。例えば店員は客がいなければ携帯をみていたり電話している。これは日本では考えられないが、個人的にはゆったりと見ることができて楽だった。日本にいると型にはまりがちでたまに息苦しくなることがあったが、こんな風に自由に生きていいんだと感じた。また文字を打つよりボイスメッセージが主流なのか、携帯に向かって話している人をよく見かけた。服装はTシャツに短パン、サンダルに小さいバックなど、ラフな服装の人が多い。通勤・退勤の時間帯にはクラクションを鳴らすバイクや車ばかりで外にいると非常にガヤガヤしている。ただ単に早く進みたいだけだと思うが、日本では静かに追い越すことが多いと思うため自分の意見をしっかり周りに示す行動は新鮮に感じた。独特の匂いが常にしていたのだが、日本に帰ってきて八角というスパイスだと知った。なかなか日本にはない匂いなので中国に行った際には嗅いでみて欲しい。

また地下鉄は乗る際に必ず手荷物検査がある。あるところとないところがあるが、歩行者用の信号機の下の部分にモニターがついている信号機は、赤信号で信号無視して渡った人の顔が映し出されるようになっていて面白かった。

助けられたことと悔しかったこと、感想


 今回の研修で1番心に残った出来事と言えば、上海博物館に行ったときのことだ。記念にメダルの自販機で20元のメダルを購入し、100元札を入れ80元おつりが出てくるはずが出てこなかった。とても焦っていたが近くにいた中国人の家族に状況を説明したらどうすればいいか一緒に考えてくれて、最終的に係の人を呼んでくれた。簡単な文でお礼を伝えたが時間を取らせてしまったのでしっかり感謝を伝えたかった。しかしなかなか言葉がでてこなかった。もっと中国語を学んで行けばよかったと思った。

 今回、基本的には自分の言葉で伝えたい、話したいと思って翻訳機を使用することを控えることを目標としていたが、長い文章や難しい文章になると聞き取りも困難で使わざるを得ない状況もあった。店員さんが日本人と分かると翻訳機を使って意思疎通しようとしてくれたりと、他者の優しさに触れることのできた研修だった。後半は一人で街に行き買い物をする、バスに乗る、簡単な受け答えもすぐに返すことができるようになり、自分の成長を感じた。

 語学の研修に加え、福島県上海事務所の方に福島県の中国国内での働きについてお話頂き、企業訪問では実際に工場の見学や働いている方の仕事のやりがいを聞くことができた。さらに上海領事館で活躍なさっているOBの方とお話する機会もあり、将来についてまた改めて考えるきっかけになった。この研修は進路の可能性や方向性を考えるにあたって、自分にいい影響を与えられたと感じている。

 最後に、今回の研修に関わってくださった福島大学の先生方、福島県上海事務所や県庁の方、企業訪問を快諾してくださった福島にゆかりのある企業の方々、OBの方、華東師範大学で仲良くなった日本人学生の方など、全てに感謝をしているということをここに書いておきたい。そして今後、困っている人がいたら自分がしてもらったように助けたいと強く思う。

写真


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▲大学のキャラクター、留学生寮、毛沢東の巨大像
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▲授業と教室の様子


▲地下鉄の乗車券を買う機械
(現金で払うとカードが出てきて改札で回収というシステム。100元札は使えず一番額が大きくて50元札が使えるが、
何台か設置されているそれぞれの機械の画面に映っているお札、硬貨しか使えないので注意。
キャッシュレス決済ならそのまま改札に行ってかざす)
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▲地下鉄乗車券
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▲華東師範大学の学食「河西食堂」1階で食べた朝食と
大学近くにあるお気に入りの飲食店