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留学体験記

【ドイツ】ハノーファー大学での交換留学を振り返って

【派遣先】ハノーファー大学【派遣期間】2023年10月~2024年8月
経済経営学類
 I.Kさん


 ハノーファー大学で交換留学が始まってから11ヶ月が経ちました。この間本当にいろんな事を経験し、様々な人に出会うことができました。総括するのはとても難しいですが、一言で言えば「人生で一番充実し、また自分の世界観の狭さを痛感した一年」だった気がします。小学校から高校、そして日本での大学生活を振り返ると、多くの時間を勉強や部活動といった学校生活に費やしてきたように感じます。当然、こちらでもほぼ毎日授業があり、その後は図書館で復習をするのですが、やはりヨーロッパでは日本と比べて、オンとオフの切り替えがはっきりしているような気がします。例えば、夕方にみんなで集まってバーに行ったり、地元のクラブでスポーツをしたり、週末はガーデンでバーベキューをしたり、森にハイキングに出かけたりと、大学以外でのコミュニティが多く存在しいるので、それらに積極的に参加することで、新鮮で充実した日々を送ることができました。

 また、ローカルのドイツ人はもちろん、ヨーロッパ、中東、アジア、南アメリカといった様々な国籍の留学生といろいろなことを話し合いました。その国の政治だったり、宗教観だったり、国際情勢だったり、日本では考えても見なかったことが、他の人にとっては常識だったりします。またその逆もあるので、誰かと会話する度に新しいことを知ることができ、自分の世界観がどんどん広がっていくような気がしました。また、近年ドイツ含めヨーロッパ諸国の政治状況は、国際政治の影響をより受けている気がします。様々な人種の人々が住んでいるからこそ、大学生を含む多くの人が、政治そして国際情勢に関心を寄せています。しかし、いざ外国人に日本の政治について質問されても、客観的な情報、状況は伝えることが出来たとしても、明確な意見を表明することが上手く出来ていませんでした。それは単に語学力の問題ではなく、本質的にその話題に関して、日常的に触れているかということに関わっていると思います。自分たちの国、そして社会について問題意識・当事者意識を持つという事が、私自身欠けていたのだと痛感しました。確かに自分一人が国の方針に影響を与えるということは難しいかも知れない。それでも、知る権利や訴える権利を放棄してしまうと、民主主義は形骸化の一路を辿ることになります。本当に難しく、目に見えにくい問題ですが、きっと誰もが考えなければいけないのだと、留学生活の中で学びました。

 もともと英語圏への留学を考えていましたが、様々なことを考慮した結果ドイツに残り、こちらの大学の修士課程に入ることを決断しました。将来的には英語はもちろん、ドイツ語でも仕事が出来るようになりたいと思っています。この一年間は本当に自分の未熟さを痛感してばかりだったので、次の数年で大きく成長し、今度は自分が困っている人の力になれるよう頑張っていきたいと思います。


▲大学の図書館。試験期間は大変混む。
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▲図書館の外観。夜10時まで開いている。
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▲メインキャンパスの外観。実際の城を改築した。
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▲大学最寄り駅。自分の寮から歩いて3分。
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▲大学から庭園までの道。大学の周辺は自然豊か。
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▲自分が住む寮。恐らく一番大学に近く最安値。