2024年8月3日から8月23日の3週間、カナダにあるマクマスター大学短期語学研修に参加した。本レポートでは、このプログラムを通して学んだことや印象に残ったことについて言及する。
はじめに、プログラムの概要について以下に示す。カナダの空港へは個々で行くこととなっており、空港到着後にマクマスター大学の担当者と落ち合うことが出来た。そこで、一日のスケジュールが概略的に記載されているスケジュール表が渡された。参加者は、私たち福島大学の学生の他に高校生や明治大学や中国の大学生、ベネズエラの高校生も参加していた。滞在先はマクマスター大学の学生寮であり、1人部屋であったが、シャワールームやキッチンなどは4人で共有することとなっていた。スケジュールの内容に関して、平日は、午前中にマクマスター大学の教授によるアカデミックな内容の授業が行われ、午後にマクマスター大学の学生によるゲームを中心としたアクティビティが行われた。休日は、オープンスケジュールであった1日を除いて予定が決められており、プログラムに参加する学生全員でトロントアイランドやカナダズ・ワンダーランド、ナイアガラの滝などの多くの観光地を訪れた。オープンスケジュールの日には、各自が行きたいところへ行くことが出来た。
▲マクマスター大学
平日の午前中に行われたマクマスター大学の教授による授業では、カナダの戦争や移民の歴史、気候、芸術などに関して学んだ。朝9時から昼までの3時間の中で、講義を聴くだけでなく、問題を解いたり、映像を視聴したり、スピーチを発表したりするなどの活動が行われた。具体的な内容としては、第一次世界大戦や第二次世界大戦による影響や国旗の誕生、フランス語を話すことが出来るバイリンガルが多い歴史的背景、カナダで発生する竜巻の規模、フォークソングの数々に関して学んだ。授業の中では特に、アメリカの小説であるThe Great Gatsbyに関する理解を深めることが出来た。授業では、チャプターを毎日1つずつ読み進め、最終的に小説に関するレポートを作成した。作品の内容を楽しむだけでなく、当時のアメリカ社会の様子を知ることが出来た。平日の午後に行われたマクマスター大学の学生による授業では、カナダに関するクイズや学校探検、ペアワーク、グループワークなどが行われた。
その中で最も印象に残った活動は、グループで行ったミュージックビデオ作成である。動画を撮影したわけではないが、曲のテーマや出演者、服装など、曲に合ったミュージックビデオの構想を練ることに興味深く感じた。平日には週に1,2回イブニングクラスが開講され、グループごとに議論することでスピーキング能力を高めることが出来た。特に印象に残った議題は、少子高齢化や外国人労働者などの政治に関するトピックである。普段の生活において友達と話す機会が少ない話題であったが、この少々難しい内容について自分の考えを英語で伝えることは新鮮であったと感じている。ネイティブスピーカーも参加している中で、分かりやすく伝えるにはどうすればよいのか試行錯誤しながら自分なりに表現することが出来た。しかし、会話する中で、正確に聞き取れなかったところやスムーズに伝えることが出来なかったところがあったため、これから改善していこうというモチベーションが高まったように感じている。
休日には、トロントアイランド、カナダズ・ワンダーランド、CNタワー、トロント・ブルージェイズの野球観戦、ナイアガラの滝へ訪れた。その中で最も印象に残った場所は、3週間目の日曜日に行ったナイアガラの滝である。当日は雨が降っており、滝がきれいに見えるかどうか不安を抱えていたが、想像していたよりも美しい景色を見ることが出来た。私たちは船に乗って滝の近くまで行くことが出来、水の流れる音や水の冷たさなど五感を通じて楽しむことが出来た。
▲CNタワー
▲トロントの街並み(CNタワー内部から撮影)
▲カナダズ・ワンダーランド
▲トロント・ブルージェイズの野球観戦
▲ナイアガラの滝
また、オープンスケジュールの日には、ルームメイトたちとトロント観光に行き、オンタリオ美術館やセントローレンスマーケットを訪れた。オンタリオ美術館の館内はとても広く、絵画や木や石の彫刻、ガラス工芸など様々な芸術作品を見て楽しむことが出来た。その後セントローレンスマーケットに行き、様々な生鮮食品を見たり、いくつかのお土産屋さんでカナダのお土産を購入したりすることが出来た。お昼にはハンバーガーショップを訪れ、ハンバーガーを注文し、その大きさに衝撃を受けた。この日の夕方には、「ジャパン・フェスティバル・カナダ」に訪れ、日本の食べ物や日本人歌手による演奏を楽しみ、カナダに滞在しながら久しぶりに日本文化に触れることが出来た。自由に行動できる休日はこの日だけであったが、平日の授業が終わった後も活用しながら大学周辺のスーパーマーケットや書店など様々なお店に訪れることが出来た。カナダ留学の最後の一日は午後の時間が空いていたため、ルームメイトたちとサーカスを見に行った。日本のものと比べると、非常に緊張感があり、刺激的だったように感じる。以上のように休日や平日の授業後の時間も有効に活用することを通して、いろいろな場所に訪れ、カナダの街を堪能することが出来た。
▲オンタリオ美術館
▲セントローレンスマーケット
▲ハンバーガー
▲スーパーマーケット
▲サーカス
この語学研修を終えた今、私はさらに英語力を向上するために英語学習により力を入れたいと考えている。実際に英語圏に訪れ、英語を使用することによって、外国の方とコミュニケーションをとる楽しさを感じるだけでなく、うまく聞き取ったり伝えたりすることが出来なかった失敗も経験し、自分の英語力に気付く機会となった。特に、英語で道を尋ねる時やレストランで注文する時にうまく自分の意思を伝えられなかったことがあり、英語力を磨く必要性を感じた。そのため、この経験を生かして、今後はよりリスニング力やスピーキング力を向上していきたいと考えている。
私にとってこの研修は初めての海外渡航であり、研修前は一人で渡航出来るのか、自分の英語は通じるのか非常に不安を抱えていたが、勇気を出して英語を話してみることで多くの苦難を乗り越えることが出来た。また、困っている時に多くの外国の方が声を掛けて助けてくださったこともあり、安全で楽しい旅にすることが出来た。今回の研修を通して、カナダと日本の文化の違いやカナダの人の優しさに触れることが出来、またカナダに訪れたいという意欲や他の国にも行ってみたいという興味を抱いている。研修で学んだことや気付いたことを生かし、次回の海外渡航ではより自分の意思を伝えられるよう学習を続けていきたい。
▲福大の参加者たち