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留学体験記

【カナダ】短期留学プログラムを通して

【派遣先】マクマスター大学【派遣期間】2024年8月
行政政策学類
 T.Kさん

短期留学を通して、私はカナダで学んだ日本との違いや、初めてのカナダ留学の感想を述べていきたい。

まず、カナダの若者は、政治に対する興味関心が強いということを知った。Evening Classでマクマスター大学の学生が授業をするプログラムがあったのだが、その時に日本の労働環境についてディスカッションをした。そこで、学生の自国についての知識が日本人と比べると雲泥の差があると感じた。マクマスター大学の学生の多くは毎朝新聞を読むらしい。そして、今新聞を読む日本人が少なくなっていることにカナダの学生はとても驚いていた。この出来事は、私の政治に対する興味関心の薄さ、考えの浅さが露呈し、本当に恥ずかしく、悔しい出来事となった。「あなたは行政政策を学んでいるんでしょう?学校でどんな事を勉強しているの?」と聞かれて、すぐ答えられない自分が恥ずかしかった。

ただ、政治の事を海外視点で意見を聞くのは本当に貴重で、良い機会であった。

また、カナダでは、多様性についての理解が日本より進んでいると感じた。学生も言っていたが移民が多い故に様々な人種の方と出会い、お互いの文化や価値観を認め合う事が大切なのだと言う。それ故なのか、私がカナダで生活していた中で、人種差別をしてきた人はほぼいないに等しかった。本当にカナダに住む人は優しいと感じる。ここからは私の実体験を述べようと思うのだが、まだカナダに来て二、三日目であった時、私は学校が広すぎて学校に置いてあるサブスク制自転車を使いたいと思っていた。しかし、どうすれば使えるのか分からず、駐輪場に立っていると、自転車を借りに来た学生が優しく声をかけてくれて、お金の払い方、専用アプリの話など、事細かに教えてくれた。

また、休日にナイアガラの滝に行ったとき、船に乗ってナイアガラの滝に近づいたのだが、背が低いのと、人が多すぎるのであまり滝を近くで見ることが出来なかった。それを察知したのか、私達の前にいた夫婦が場所を譲ってくれたのだ。そのおかげで綺麗な景色を間近で見ることが出来た。そしてその夫婦と少しお話をして、最終的には写真を一緒に撮った。これは、私にとって最高の出会いであったし、大切な思い出となった。

そして、私が特に仲良くなった学生は、日本が大好きで日本について沢山の事を知っていたし、そういった日本の文化をとても尊重し、敬愛していた。海外にきて日本の事を教えてもらうのはとても新鮮だったし、逆にカナダに住む人が小さい時から使う言葉、流行などを教えてもらい本当に楽しい時間を過ごすことが出来た。特に印象に残っているのは、重要な単語を強調したいとき、両手をピースして、その指を二回折り曲げるという仕草をするのだそうだ。それがとてもキュートで、留学中は何かとこの仕草を取り入れようとしていた。

そして、最終日には彼と他の友達とも一緒にカラオケパーティーをした。日本の歌を何曲も楽しそうに歌う彼には本当驚かされたし、一緒に歌を歌えるというのはこんなにも楽しくて愛しい気持ちになるのだなと気付いた。

そして本当にカナダ人はオープンな人が多い。最初の授業で、自己紹介があり、カナダの学生に「日本人の印象は?」と聞いてみると、「本音を隠しているように思う」と言っていた。それは色んな意味合いがこもっていると私は思う。シャイである所、NOとはっきり言えない所、上手にお世辞が使える所等々。海外の人にそれが無いわけではないと思う。ただ、カナダに住む人は思っている以上に優しく、心を広く持っている。そしていつも笑顔だ。強くて優しい、そんなカナダ人を私は本当に好きになったし、そういう風になりたいと強く思った。

最後に来年このプログラムに参加したいと思った人の為に、このプログラムに参加した感想を述べたい。

まず、このプログラムは、英語を学びながらキャンパスライフやカナダ観光が出来るすごく良いプログラムだ。休日は色んな場所にバディが連れて行ってくれるし、自由時間もかなりあると私は思う。また、日本人の参加者が多い。これは人によってプラスにもマイナスにも働くと思う。今回は明治大学の学生、中国の学生と共に留学をしたのだが、母国語を話せてしまうというのは時に足枷になる。私は、ルームシェアをしている学生が全員日本人だったが、日常的に英語で話すことは心掛けていたし、本当に緊急の時に日本語を使おうと決めていた。しかし、疲れてくると日本語に頼ってしまう部分も少なくなかった。

その為、次の留学の機会があるならば、私は、より多くの外国人と共に学び関われる留学にしたいなと考えている。皆さんは、自分にとってどんな留学にしたいのかを明確にすることがとても重要であると私は考える。

最後に、この留学を通して、20日間という短い間であったが、現地でしか味わう事のできない体験、会話ができて本当によい経験であった。カナダから離れる時は本当に寂しかったし、向こうでできた友達に会いたい、その為に頑張ろうという英語を学習するモチベーションにもなった。もし、留学を迷っている方がいたら、私は是非行って欲しい。短期であれ、なんであれ、飛行機のチケットを取り、準備をし、色んな不安を抱えながら自分の足で旅立つことはこれからの人生でかけがえのない財産になる。そう私は信じている。

その機会が今目の前にあるのなら、是非飛び込んで欲しい。私はこの留学で飛び込む勇気と人と繋がりたいという強い思いを持てたように思う。