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留学体験記

【中国】短期研修レポート

【派遣先】華東師範大学 【留学期間】2024年9月
行政政策学類 O.Mさん

※行く前後で、感じたことその時々に感じたことを時系列的に紹介しています。

これからこの短期研修に参加しようと考えている方や迷っている方たちの役にたてたら良いな、という思いでこのレポートを書いています。

留学に対しての不安感(留学をなぜ決めたのか、なぜ中国?)行く前の気持ち


 もともと私は大学に入学したときからずっと、頭の片隅で、大学生のうちに外国に行ってみたいなと思っていました。遡ること約3年前に、生協の大学入学準備説明会で、その時担当していただいた先輩に「大学生活はあっという間だから、できるときにやりたいことをどんどんやった方が良い!」と言われたことで、大学入学当初から何でもやりたいと思ったら、怖がらずにやってみよういう姿勢で大学生活を過ごしていました。そしてそのやってみたい!ことの中に、「外国に行くこと」や「日本を出て海外から見た日本を知りたい」という願望がありました。しかし私自身、もともと超がつくほどのビビりで...さすがに金谷川、福島、東北、日本をでて、海外に行くとなると怖い、不安という気持ちが行きたいという気持ちより前に来てしまい、挑戦できていませんでした。

 そんな私でも、この短期研修に参加しようと決意したのには三つほど理由があります。一つ目の理由として、もともと語学学習が好きであったためです。中国人旅行者が日本にたくさん来ていることを知り、これから需要が高まるのでは?と考え、第二外国語として中国語を選び、基礎、特設など受けられるものはすべて履修していました。授業では中国の文化を知る機会もあり、面白いなと感じていたこともあって、本場の発音を聞いてみたい、中国人と話してみたい、話せるようになりたいと思うようになり、この研修に参加しました。二つ目の理由として、何よりも、研修の期間が2週間であったことを挙げます。前述したように、私の性格上、期間の本格的な留学に対しては大きな不安があったので、2週間だと頑張れるかなと思えたことも、参加する理由に繋がりました。三つ目の理由として、一緒に授業を受けていた友人がこの研修に参加すると聞き、知り合いの人が一人でもいるとわかったことでより不安が減り、参加しようと思えたからです。

 さらに、親日的ではないと言われる中国では、日本がどのように見られているのかに興味がありました。私たち日本人の中には中国人に対してあまり良い印象を持たない人が多いと感じていた(※個人的な意見です)ので、そうした印象が本当に正しいのか、もし、その通りだとしても何が理由でそのような印象を抱かせているのかを、自分の目で確かめたいと思ったことも大きな理由です。

こうしておけばよかった(準備、研修中)

 
 はじめに準備段階について、次に中国に到着してからについて、私なりの後悔や学びから、この短期研修に参加しようと思っている、または悩んでいる途中の学生さんにお伝えしたいことがあります。

 まず、行きの飛行機についてです。便の選び方については、参加者や国際センターに確認し、友人と同じ便やおすすめの便を選べば問題ないと思います。また、出発前日は、飛行機が出発する空港の近くに前泊することをおすすめします。出発時間帯にもよりますが、その方が安心です。当初は深夜高速バスで福島駅から東京駅に向かい、早朝5時半頃に到着してから電車で成田空港に行く予定でした。しかし、当日は台風の影響で新幹線の遅れや運休の可能性があるとのことだったため、急遽前泊することにしました。その結果、高速バスをキャンセルし、ホテルの予約や前泊の準備、新しいバスの手配を行うことになり、無駄な出費がかかってしまいました。

 持ち物についてですが、中国の黄砂が気になる方は、PM2.5対応のマスクを用意すると良いと思います。実際、現地で確認したところ、遠目から見ると空気が少し汚れているのが分かる程度でしたが、地上では思ったよりも影響がなく、マスクをしていない人も多く見られました。また、寮の部屋で冷房をつけると非常に乾燥するので、その際にもマスクを着用していました。さらに、私としてはアイマスクがあると非常に便利だと感じました。移動中はもちろん、寮は二人部屋のため、同室の友人が戻るまでは電気をつけておく必要あったのですが、自分が先に寝たい時にアイマスクがあると快適ですし、寝たいという意思も相手に伝えやすくなります。加えて、耳栓が苦手でなければ持っていくと、より快適に過ごせると思います。

 また、出発日に東京に台風が接近した影響で、出発が予定より4時間遅延したということもありました。もし飛行機が欠航になったら、その日はどう過ごせばよいのか、お金は戻ってくるのだろうか、泊まるホテルはどうするかなど、不安になったことを覚えています。イレギュラーな例だとは思いますが...。このような事態があっても大丈夫なように、もしものことを考えるておくことは良いことだと思います。今回は何とか飛行機は飛びましたが、中国に着陸するときはとても揺れて怖かったです。

 次に、研修中の事についてです。中国に行ったら、頼れるのは基本的に自分たちだけだと思っておいた方が良いです。現地に着いてから何をどうすればよいかはゼロから自分で考えて行動することが求められました。このように書くと怖い印象を与えてしまうかもしれませんが、実際はスマホで道を調べて観光地に行ったり、普段の生活は現地の留学生に教えてもらったりと、大きなトラブルもなく無事に観光地に行ったり、普段の生活については現地の留学生に教えてもらったりして、大きなトラブルもなく無事に過ごすことができました。
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留学に対しての不安感 行ってから、振り返って感じる今の気持ち、感想


 今回の研修を振り返ると、出発前に感じていた外国や中国に対する不安が完全に消えたわけではありませんが、以前よりはかなり軽減したと感じます。その理由として、少し矛盾するかもしれませんが、今回は17人という大人数での参加だったため、異国の地でほとんど初対面の人と行動すること自体が大きな不安であり、気疲れやストレスの原因になっていたことが挙げられます。

 同じ日本人で福島大学の仲間なので不安はないだろうと思うかもしれませんが、私にとっては、いろいろな場面で相談したり、自分の意見を自由に言ったりするのが難しく、常に気を遣っていました。困ったことがあっても頼れる人がいないと感じ、中国に来て一週間ほど経った頃、精神的にかなり滅入ってしまった日がありました。その日は部屋で一人になった瞬間、精神的に参っている自分に気づきました。親に電話して声を聞いた途端、涙が止まらなくなり、異国でどうすれば良いのか分からなくなりましたが、それを親に伝えれば心配をかけてしまうとも思い、いろんな思いが頭の中で巡って、声を出して泣きました。この体験は私にとって大きな学びでしたが、大人数での海外滞在は、思ってもいなかったことが問題になることがあると実感しました。個人差はあるかと思いますが、私にとっては大きな不安要素でした。

 一方で、滞在中にスリや盗難、差別などの被害には遭うことはなく、到着して数日後には中国での生活にすっかれ慣れて、一人で買い物に行ったり、大学内や周辺にご飯を食べに出かけたりなど、楽しいキャンパスライフを過ごしていました。ただし、安全面や交通手段については、上海だから大丈夫だった部分もあると思います。(中国は広いため、地域によっては言語が通じない、治安が良くないといったケースもあるようです。)

 学校の授業はすべて中国語か英語で、内容も新鮮でとても楽しかったです。また、大学の学食が美味しかったので、多いときはご飯を4杯おかわりすることもありました。生野菜はなく、炒め物や麺、水餃子などが中心で、タピオカミルクティーのお店もありました。麺類は辛いものが多いですが、辛くないものもあり、食堂の配膳係の方が辛い香辛料を入れるかどうか聞いてくれるので、自分に合った味を楽しむことができました。重慶麺もとても美味しかったです。また、2階の食堂で働いていた方は私の顔を覚えてくれて、私の注文を手伝ってくれたりなど、とても温かく接してくれて、優しさが印象的でした。このように情に厚いところが、中国の人々の特徴なのかもしれません。
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そもそも、行く必要ある?!


 もちろんあると思います。短期間で自分と海外との相性や、中国の文化や雰囲気、日本との違い(食文化や人柄など)について濃密に知ることができたので、充実した2週間だったと胸を張って言えます。大学生のうちにこういった経験ができたことは、これからの人生にとって大きな糧になると感じています。

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