授業は平日の午前に行われた。1コマ90分×2。クラス編成は華東師範大学の先生と日本にいるうちにビデオ通話を行い振り分けられる。私は非英語でドイツ語の授業を受けており、全く中国語に触れたことがない状態で現地に行き、授業を受けた。私は初級クラスだったが、文法や発音などを現地の先生から直接教わることができるので、とても分かりやすく、面白いと感じた。先生は優しく、わからないところはわかりやすいように説明してくれ、質問に対しても丁寧に答えていただき、不安に感じることは一つもなかった。授業自体は英語で行われるため理解できた。クラスはアジア系からヨーロッパ系と様々な国籍の人たちと学ぶことができ、休憩時間は英語でコミュニケーションをとるなどして関係を深めることができた。学んだばかりの中国語で会話することもあり、世界共通語である英語ではなく、共に学んだ中国語で会話するというのは少し不思議な感じがしたが、他国の友達を作るという貴重な経験をすることができた。二週間では現地の人とペラペラと会話できるほどまでは上達でできなかったが、お店に行ったときに「韓国人?」とよく聞かれたので、「日本人です。」と答えたり、「華東師範大学に通っています。」というような簡単な会話のキャッチボールをすることが出来たので、嬉しかった。
現地視察では上海総領事館、三菱电机机电(上海)有限公司、上海高島屋、福島県上海事務所の訪問、上海福島県人会との交流会があった。上海総領事館では福島大学出身の今井さんによるご講演があり、領事館ではどんなことをしているかを知ることができた。三菱电机机电(上海)有限公司では最先端のロボットなどを見学させていただいた。間近でそのような機械を今まで見たことがなかったので面白かった。上海高島屋には日本のお店がテナントで入っており、また、スーパーには日本の食品が多くあり、まるで日本にいるような雰囲気で落ち着いた。しかし店員さんはみな中国人であったので、不思議な感じであった。福島県上海事務所ではどんな仕事が行われているのか聞いたり、まだ上海にきて間もない私たちの不安を解消するために、質問に答えていただいたりして、有意義な時間を過ごさせていただいたし、現地で働く皆さんが明るく私たちを迎えてくださったので安心感があった。上海福島県人会との交流会では実際に現地で生活をしている人たちからどのような仕事をしているのか、どうして上海では働いているのかという話から、現地の食文化の違いや、日本との生活の違い、おすすめの観光地などたくさんお話ができて楽しかった。また、私たちが中国にきて10日間ほどたつ頃だったので、私たちが上海に来てみてどう感じたのか、どんな生活を送っていたのか、どんな場所に行ったのかなど思い出話などをして盛り上がった。
上海は日本に比べて発展しているように感じた。特にそう感じたのは交通面である。交通は地下鉄、電車、リニアモーターカー、バス、タクシー、自転車、原動機付自転車などがあった。私がよく利用していたのは地下鉄とバスである。地下鉄は大体三元(60円ほど)で、バスは大体二元(40円ほど)で利用でき、日本に比べて安く利用でき、かつ運行本数が多かったため、不自由なく利用でき、とても便利であった。全体的に公共交通は運賃が安く、利用しやすい。学生の多くは自転車を利用していた。キャンパス内は広く、徒歩移動は大変であるせいかキャンパス内には多くのレンタルサイクルがあった。また原動機付自転車を利用している現地の人も多かった。街ではデリバリーサービスの原動機付自転車が多く走っていた。中国は右側走行で日本とは交通ルールが全く違う。歩行者の信号が青で横断歩道を歩いていても、車や原動機付自転車が走ってくるので、よそ見はできない。また、現地の自動車の8割はほぼ電気自動車であった。電気自動車であると、エンジン音が静かで、近くを走行していても自動車の存在に気づかないことが多かった。
上海にはセブンイレブン、ローソン、ファミリーマート、すき家、アピタなどの日本のお店が意外と多くあり、驚いた。また日本でもお馴染みのマクドナルドやスターバックスなどの世界チェーン店も見られた。しかしそのようなお店で売られている商品は日本とは全く違っていて、中国の人たちにあうものが売られているので、買って食べてみたりするのが面白かった。
また、中国は電子決済が発達していた。主に使うのはAlipay、WeChatである。レジでQRコードを読み取って支払いしたり、お店の中で提示されているQRコードを読み取ってそこから注文し決済するなどとても便利であった。現地ではLINEを使えないためWeChatを利用して会話昨日を利用していた。
上海には有名な観光地が多くあった。その中で私は豫園、夜市、上海ディズニーランド、外灘、南京套路、田子防、静安寺、上海動物園、七宝老街に行った。 豫園は雰囲気が素敵で建築が素敵だった。タイムスリップしたかのように感じた。夜市は地元の人とコミュニケーションをとりやすく楽しかった。食べ物も安く、美味しかった。上海ディズニーランドは日本よりも大きかった。アトラクションは日本に比べたらスリルは劣るが、ショーのようなアトラクションが多く、子供から大人まで楽しめるものが多かった。
外灘は上海タワーなどの近代的な建物や洋風の建物を見ることができ、夜になるとライトアップされ、とてもきれいであった。南京套路は歩行者天国でお店が多く立ち並んでいてショッピングに最適であった。
田子防は狭い路地にお店がたくさんある場所で雰囲気が良かった。
静安寺は金色に輝いており、夜になると光っていてとても目立つ。日本では見られないような荘厳さがあった。
上海動物園ではパンダや珍しい動物を見ることができた。七宝は水郷であり、レトロな街並みがあり、お店も多い。食べ歩きを楽しむことができる。
香辛料の香りが凄く、日本では嗅いだことのない、食欲を掻き立てる香りであった。上海は小籠包が有名であり、豫園には小籠包発祥のお店があり、そこで食べた小籠包の味は忘れられない。また火鍋も食べたが、想像以上に辛かった。唐辛子というよりは山椒のしびれるような辛さが特徴であった。日本で食べられている中華料理とは味や辛さが全く違い、日本の中華料理が日本人の味覚に合わせて作られたものだということが分かった。また、中華料理といえば日本では麻婆豆腐やエビチリなどが思い浮かぶが、上海ではそのような日本でおなじみの食べ物がメニューに全くなく、驚いた。中国は地域によって料理に使われる材料や調味料のベースが変わってくる。今回は上海での食事であったため、そのような食べ物は食べられなかったのかもしれない。中国ではアヒルやカエルなども普通に食べる。はじめてアヒルを食べたが鶏肉とあまり変わらず美味しかった。またコンビニに行った際に思ったのが、日本比べてサラダが少ないことだ。中国の人は野菜を生で食べる文化がないのではないかと思った。中華料理はやはり、脂っこく、飽きやすかった。しかし癖になる味であった。そして中国は物価が安く、400円あればお腹いっぱいに食べることができた。
私は、現地に行くまで中国に対してマイナスのイメージしかなかった。しかし実際に行ってみるとそのイメージはなくなった。困っていると助けてくれたり、フレンドリーに話しかけてくれる人もいて、実際に関わってみないとわからない一面を知ることができた。また何も知らない、行ったことのない地で、自分たちで一から調べながら行動し、上海という街を楽しむことができてよかった。本場の中華料理や現地で販売されている日本食を食べることができて嬉しかった。また、学ぶことがないかもしれない中国語にふれて、ほかの留学生と学ぶことができたことも面白かった。この2週間で多くの体験をして、一生の思い出に残る良い経験となった。これからもっと様々な国に行って、まだ経験したことのないことをたくさん経験してみたいと思うきっかけになった。