研修の事前準備として特に大変だと感じたのがビザの申請である。オンライン上で申請書を記入する際に項目が多く、かなり時間がかかったと感じている。また、必要な書類をすべてそろえて新潟の領事館まで行くのが大変だった。ビザの申請含め、航空券の予約など、事前準備は早めに進めておく方がよいと感じた。また、SIMカードは電話番号付きのものと電話番号付きではないものの2種類を購入したが、どちらもLINEやYouTubeなどが閲覧できた。個人的には電話番号がついているものをおすすめしたい。
大学内はとても広かった。学内にある寮から校門まで行くのに10分以上かかってしまうため、学内では自転車やバイクを利用している人が多かった。寮の部屋にはトイレとシャワールームがついていて過ごしやすかった。洗濯・乾燥機は共用だったが、台数が少なく空いているタイミングを見極めるのが大変だった。
学食はそれほど多くは利用しなかったが、バイキングになっていて重さで値段が決まる形式や、係の人に食べたいものを言ってよそってもらう形式があった。辛いものが多かった印象だった。朝食は校内のコンビニエンスストアのようなお店で買ったパンやおにぎりを食べていた。フレンチトーストが一番おいしかった。また、学外にあるお店で焼売や餃子など現地のものを食べることができて良い経験になった。
支払方法については、私は中国に知り合いがいたのでWe chat Payを使っていた。観光地では現金を使えるところも多いが、飲食店などではテーブルにあるQRコードを読み込んで先に支払うという形式をとっているところが多かったので、電子マネーは必須であると感じた。バスや地下鉄などの公共交通機関や飲食店だけでなく、ガチャガチャまで電子決済だったことが驚きだった。
私のクラスは約25人で、ベトナムやモンゴル、アメリカ、トルコなどから来た留学生が多かったが日本人学生も私の他に5人ほどいた。授業はほぼ中国語で行われ、実際に喋る機会が多かった。大学近くの公園に行き、グループごとに現地の方々に故事成語を質問し、学んだことをプレゼンするという活動もあった。
クラスの雰囲気で印象に残ったことは、先生と学生の距離が近かったことである。授業中も質問が飛び交っていたり、We chatグループ上でも頻繁に近況を報告し合っていたりと、日本とは異なる文化を感じた。また、クラスにもよると思うが私のいたクラスはとてもにぎやかで、音読や単語の復唱の声も大きく、それぞれが初対面や国籍関わらず声を掛け合ったり励まし合ったりしていたことが日本と大きく違うところだった。良い意味で、人の目を気にしないという価値観に触れることができたのは大きな学びだったと思う。
私は1年生の間しか中国語の授業を受けていなかったが、2-1Bクラスの授業で先生が言っていることや教科書の内容はかなり身になるものだったと感じている。授業がほぼ中国語で行われていることと、学んだ単語を使って例文を作るなど頻繁にアウトプットの機会があったことが個人的には学びやすかったと思う。
主に訪れた観光地は豫園と田心坊である。地下鉄やバスを利用して行き、お土産を買ったりアイスを食べたりしたが、福島県上海事務所の方がおっしゃっていたように、お土産を買うには値段が高すぎるというお店も中にはあった。田心坊では女性の方に写真撮影を頼まれ、お礼に私の写真も撮ってもらったことが思い出に残っている。最初に声をかけられたときは少し距離をおいてしまったが、会話をする努力をしてよかったと感じた。
観光スポットの他に友達と一緒に行ったのは主にデパートで、学校の近くには大きなデパートがたくさんあり、見て回るのに半日以上かかることがほとんどだった。有名な海底撈火鍋やluckin coffeeに行くことができた。レジでの店員さんとの会話も最初は大変だったが、少しずつ慣れることができた。私が学んだ言葉は「买一送一(1個買えば1個無料)」である。店員さんに質問をする機会が多かったため、積極的に中国語を使おうと意識することができた。
今回の研修では、上海領事館や三菱电机自动化有限公司、福島県上海事務所を見学した。特に感じたことは、実際に現地に行って知ることの大切さである。日本人も中国人も、それぞれ実際に相手の国に足を運ばないと相手国にもつ固定観念は消えないということである。私も実際に中国に来てみてその文化や人々の雰囲気を知ることができたが、これは日本にいるだけでは分からないと思う。日本でも中国でも、相手の国に対して悪い印象を持たせるようなニュースも多く、本当の情報を広めることの難しさを改めて感じた。福島県上海事務所の方々は震災後の福島県に対する風評被害を減らすための正確な情報発信に力をいれていた。私自身も、普段見聞きするニュースやインターネットの情報ばかりに左右されず、実際に体験して物事を知るという姿勢を大切にしたい。
まず印象に残っていることが、上海の方々はとても親身になってくれるということである。特に店員の方やタクシーのドライバーの方など、初対面にも関わらず家族のように接してくれることがとても新鮮だった。また、「谢谢」と言った際に必ずと言っていいほど「没关系」という言葉が返ってくるのも新鮮で温かみを感じた。
語学面では、2週間という短期間で劇的な上達は期待できないと感じたが、実際に中国語しかない環境に身を置くことで周りの目を気にせず中国語を使った会話に挑戦できるということは海外に行くメリットの1つであると感じた。さらに、実際に現地で生活してみることで分かる現地の文化や人々の雰囲気は語学を学ぶ上でもとても大切であると感じた。