9月16日から29日にかけて、華東師範大学へ二週間語学研修にいってきた。
中国旅行は家族共にいった経験があるが、大学のプログラムとして行くことは初めてだった。1年次に中国語基礎、特設を授業科目で履修しており、自分の語学力を試したく、参加を希望した。二週間滞在して気づいたこと、感じたことをまとめていく。
日本と中国は国際関係でも、SNS上の日本国民の中国に対する見方からも関係性は決して良いとはいえない。中国に数回行ったことはあるが、全て母方の祖父母へ会いに行くためのもので、観光地などには行ったことがなかった。そのため、良い印象を持たない知らない土地へ行くことに不安は少なからずあった。しかし今回、上海に滞在し、周りのお店や領事館など訪問したことにより中国への見方が変わった。中国では現金ではなく電子マネー決済がほとんどで、観光地では現金が使えるお店もあったが、その他のお店ではおつりが用意できなく、現金を出すとあまり良い顔をされなかった。しかし事前に現金を使えるか聞き、お礼などをきちんと言いコミュニケーションをとることで、きちんと対応してくれるお店がほとんどだった。アジア系外国人だとわかると、全員に「韓国人ですか?」と聞かれることが多く、日本人か聞かれることが全くなかったことから、中国人からしても日本人が観光にくるという印象が薄いのだろうと感じた。また、中国語の発音がきれいなど褒めてくれる人もいたり、お金の決済がわからないと戸惑っていると別の決済方法を提示してくれたりなど優しい人たちが多かった。日本に上がっている中国人観光客批判のSNSの動画の印象とは全く違うように見えた。先入観、そしてその一部の動画だけの印象にとらわれすぎていたことに気付かされた。
研修期間では午前中が語学授業、午後が自由時間のプログラムが組まれており、語学授業では中国語のレベルに合わせてクラスが割り振られていた。中国語を学ぶ授業がほとんどであったが、その中で中国文化を学ぶ授業もあり、古代文字をみたり、習字をしてみたりなどといった実技の授業もあった。漢字に触れたことない学生は積極的に筆を持ち、習字を楽しんでいた。聞き取り単語テストもあり、高得点だと先生が褒めてくださり、一人ひとりに向き合った授業が行われていた。福島大学生以外はほとんどが一年留学で参加しており、様々な国、年齢の学生が集まっており、文化そして価値観が違う人たちと交流することができ、自分の視野が広がるいい経験を得た。また、授業では英語及び中国語のみが使用されており、英語に苦手意識があったが、使われる英語も簡単なものばかりで、先生の話す中国語を聞き取り、授業に臨んだ。他国の学生と話す際にも中国語を使用し、二週間という短期間ではあったが、中国語を積極的に活用しコミュニケーションをとろうとする主体的な態度が身に付いた。
食事は学食を使用したり、大学内のコンビニで買ったりなどした。現金は使えず、支払いは福島大学生協のユニコのような大学専用の電子マネーで支払った。辛い食べ物が多いと思っていたが、全てに香辛料を使用されているわけではなく、辛くない料理もあった。油をたくさん使用した料理が多く、大変美味しかった。夕食は外で中国料理を積極的に食べに行き、中国文化を体験してきた。中国の果物は日本より比較的安く、八百屋に行き朝食として食べることが多かった。秤で重さをはかり、重さによって金額を決定する形だった。日本では見たことがない果物に関して、店員さんにどんな味がするのか聞くと味見をさせてくれた。詐欺疑惑のある勧誘もあったが、外国人に対し気さくに話しかけてくれる人がほとんどで大変楽しく観光をすることができた。
研修を終えて、二週間日本人以外とは中国語しか話さなかったことにより、中国語の語学力が向上した。また、道に迷ったとき、知らない食べ物の味や金額を聞くときなど、積極的に現地の人とコミュニケーションをとり、教科書に載っている中国語とはまた違う表現の中国語を多く学んだ。また、日本のニュース、SNS上の動画だけではわからない中国という国を自分の目できちんと見て日本の文化と比較して考えることができた。中国と日本の歴史、それに対するお互いの意識はなかなか変えられないものではあるが、少しでもお互いの見る目が変わるように、中国と日本の関係良好のためにできることは何か、考えてみたいと思った。