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留学体験記

【ハンガリー】Szia!ハンガリー

【派遣先】カーロリ・ガーシュバール・カルビン派大学【派遣期間】2024年9月~
行政政策学類
 H.Aさん



はじめに


こんにちは。私は今、ハンガリーの首都であるブタペストにキャンパスを構えるカーロリ・ガシュパール・カルビン派大学というところに留学しています。私がハンガリーに来た8月下旬は強すぎる日差しにより熱中症になるくらい暑かったのですが、この頃はすっかり寒くなり手袋とダウンジャケットがないと過ごせなくなりました。今回は、そんなハンガリーでの生活についてお伝えしたいと思います。
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ルームメイトとマダック劇場へレミゼラブルを観に


ハンガリーでの生活ついて


ハンガリーは中欧に位置する、周りをオーストリア・スロバキア・ウクライナ・ルーマニア・セルビア・クロアチア・スロベニアに囲まれた内陸国です(日本では東欧に入れ込むこともありますが、ハンガリーでは中欧を主張しています)。言語はハンガリー語で、EUに所属していますが、フォリントという独自の通貨を採用しています。世界平和度指数では18[1]に位置し、失業率は3.6[2]となっています。

ハンガリーでの生活はこのデータの通り、かなり治安の良い国であると私は思います。携帯電話や財布をすられたこともなければ、過度な押し売りに遭遇したこともありません。しかしながらホームレスは道端でよく見かけます。基本的に声をかけられたりすることはありませんが、一度学校帰りに腕を掴まれて怖かったことはあります。

EU圏ではありますが、フォリント通貨であることから物価は日本と同じくらいで、ものによって安かったり高かったりします。主に安いのは乳製品・パン・はちみつで、チョコレートなどのお菓子嗜好品系は高いように見受けられます。

生活費について記述すると、私の一ヶ月間の生活費は大体146,800Ft(約57,000円)程度です。固定費として寮費35,000Ft+通信費20G5,000Ft+交通費1,890Ftに、食費や月に2,3回購入する衣服や化粧品、外食費を足してこれくらい値段になります(一応1日の予算として2,900Ft1,600円、1ヶ月89,000Ft35000円を定めています)。外食は1回でも2,000Ft以上かかることがデフォルトなので私は月に3,4回程度に留め、その他は全て自炊しています。周りの日本人留学生と比較してもかなり節約をしている生活であると感じていますが、個人的にはまだ節約の余地があると思っています。
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▲Arenaショッピングモール、ここにある格安服屋を愛用
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▲主な授業が開講されるKalvin ter



授業について


私は『English LanguageB2』『Medieval Hungarian History』『Past and present of Budapest』という授業を履修しており、その他に週に一度日本語学科の授業に日本人ボランティアとして参加しています。私はカーロリ大学の人文学部に所属しており、その中でも英語で開講されている英語学科の授業と、日本語学科の授業を履修することができます。上記のうち『Medieval Hungarian History』『Past and present of Budapest』は留学生向けの授業なので、私はハンガリーに留学に来たアメリカやメキシコ、ドイツやスペイン出身の子たちと一緒に授業を受けています。個人的におすすめの授業は『Past and present of Budapest』です。この授業は1回目から5回目の授業でブタペストの町を歩いたり、美術館や博物館を巡ります。町を歩きながら教授が解説してくれるのでとても楽しいです。またそれだけでなくブタペストとユダヤ教の関係についても学ぶことができます。ha4.jpg
▲『Medieval Hungarian History』教授の庭でお茶会


寮について


私は今Obudai Diak Hotelという福島大学の歴代のハンガリー留学生が滞在したことのない寮に滞在しています。ここはカーロリ大学の寮ではなく、カーロリ大学が連携している寮の一つであるらしく、寮には他大学の学生たちも沢山滞在しています。部屋は二人部屋で、トイレ・シャワー・キッチンは同じフロアの人たちと共同です。私は同じくカーロリ大学に留学に来た大分大学の子がルームメイトで、ふたりで協力し合いながら何とか暮らしています。寮の学生たちも国際色豊かで、コロンビアやタイ、ラオスやカンボジア、トルコなど様々な国から来ています。

私は節約のためにほぼ毎日自炊をしていますが、それはこの寮に住む多くの学生たちも同じなのか、夕飯時の8時頃にはキッチンはとても混みあいます。そのため私は少し時間をずらして5時頃に夕飯を作っています。

▲寮最寄りのトラム
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▲誕生日会
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乾燥で喉を痛めており愛用していたのど飴。最近は濡らしたバスタオルをかけることで解決


さて、ここで突然ですがあれば良かったものランキングと、持って来てよかったものランキングを発表したいと思います。

〇あれば良かったものランキング

  • ルーズリーフ⇒ハンガリーのノートのサイズが日本のものより少し大きくて使いにくいと感じました。iPadでノートを取っていますが、私は紙に書く派なので軽くメモしたいときにルーズリーフを持ってくればよかったなと思います。
  • 長めのコード類⇒コンセントの位置が高いため、充電器のコードを長いものをもってくるべきだったと少し後悔しました。
  • 電子レンジでパスタ作れるもの(名称不明)⇒パスタなんて茹でればいいじゃんと思うかもしれませんが、茹でる用の鍋を買うのがお金もかかるし面倒くさいです・・・。

〇持って来て良かったものランキング

  • iPad⇒調べものにも使えてノートも取れて、これさえあればどこでも勉強できます。日本でも同じことかもしれませんが、荷物が制限される留学においては一つで多機能をこなせるiPadは最強だと思います。
  • フリーズドライの味噌汁・スープ⇒ハンガリーにもないわけではないですが、意外と値段が高いです。フリーズドライ食品は大活躍しますが、体調不良の時などは、食べなれた味で手軽に食べられる食品があると本当に助かります。
  • 電子レンジでお米が炊けるもの(名称不明)⇒100円ショップやスリコで見かけるこれがあると、手軽にご飯を食べられます。鍋さえあればお米は炊けますが、そもそも留学先でわざわざお米を炊く用の鍋を買うくらいなら持ってきたほうが絶対良いです。


SPALの米。1㎏で699Ftセール時599Ftで安い

〇番外編~ハンガリーにもあるけど初日から使えると便利なもの~

  • ケトル⇒温かい飲み物を飲むたびにキッチン行くのは想像以上に面倒です。
  • 浄水器⇒大容量の方が安いのでみんなそれを買うようになりますが、車等もない中で2L×6本をスーパーから寮まで運ぶのは大変です。

この二つはハンガリーにも売っていますが、値段は同じ、もしくは少し高いように見受けられます。

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▲寮のキッチン。この前害虫駆除が行われたが、その際に死んだゴキブリが放置されていた。1匹いたら100匹いるとよく言われますが、本当にいるんですね。
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▲自炊


終わりに


入寮して2日目に部屋にコウモリが入ってくる、キッチンに結構大量のゴキブリがいる、暮らし始めて1ヶ月しか経っていないのに、トラムから寮までの帰り道で人種差別に2回遭うなどの経験もあり、ここ数ヶ月の生活は慣れることに精一杯でした。英語が上達したかと聞かれた「はい」とは答えられませんし、華々しい何かを得たかと聞かれても答えられないでしょう。環境の変化に心身ともについていけず、様々なことを取りこぼしたようにも思いますが、自分のペースでゆっくりと進んでいきつつ、残り少ない留学生活を悔いのないように過ごしていきたいです。お読みいただきありがとうございました。

[1] https://www.visionofhumanity.org/maps/#/
[2] https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/hungary/data.html#section1