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留学体験記

【ハンガリー】Eljen!ハンガリー

【派遣先】カーロリ・ガーシュバール・カルビン派大学【派遣期間】2024年9月~2025年2月
行政政策学類
 H.Aさん

はじめに


 Szia
!日本に帰国して一か月が過ぎました。生まれ育った祖国への順応は早く、留学の日々のほうが夢だったかのように思います。ハンガリー留学体験記も2回目となりました。この留学体験記ではどのような留学生活を送ってきたのかについてまとめていきたいと思います。

授業について


 秋学期の授業が終わり成績も発表されたので、私が履修した授業がどのようなものであったのかについて書いていきたいと思います。

 私は『English LanguageB2』『Medieval Hungarian History』『Past and present of Budapest』という授業を履修しており、その他に週に一度日本語学科の『上級会話』という授業に日本人ボランティアとして参加していました。『English LanguageB2』『Medieval Hungarian History』『Past and present of Budapest』の3つの授業はテストが無いことが特徴です。『English LanguageB2』は1ヶ月に1回程度の小テストと、毎回の宿題が課せられており、これらの提出率と小テストの結果にプラスアルファとして英語でのプレゼンテーションを行うことで成績が決定しました。英語の小テストはあまり得意ではありませんでしたが、英語のプレゼンテーションで日本の100均について説明したら先生も生徒も大変興味を持ってくれて嬉しかったです。

 『Medieval Hungarian History』は、先生が出したハンガリーの歴史についての文章を母国語に翻訳することが課題でした。これ以外に特にこれといった課題やテストは課せられていなかったため、いったい何で成績がつけられるのだろうかと不安に思っていましたが、無事にExcellentを取ることができて安心しました。『Past and present of Budapest』はレポートを2つ提出することが必要でした。1回目のレポートは比較的軽いものでしたが、2回目のレポートは私が普段福島大学で書いているようなレベルのレポートが求められ、資料を集めまたそれを英語で書き直し考察することが非常に大変でした。

 『上級会話』はボランティアだったため成績は出ませんでしたが、最後にみんなで打ち上げをしました。

▲上級会話の打ち上げ。色んな話ができて楽しかったです。
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▲『Past and present of Budapest』の授業風景の一つ

ハンガリー国外の旅行


 日本からヨーロッパは非常に遠いですが、ハンガリーからなら簡単に様々な国へ旅行することができます。私はこの半年でヨーロッパだけで7か国も旅行することができました。今回はハンガリーからはどんな国を訪れることができるのか簡単にお話していこうと思います。

 1番最初の旅行先はウィーンでした。オーストリア・ハンガリー帝国から見られるように、オーストリアはハンガリーから最も近い外国だと言えるでしょう。行き方は高速バスと列車どちらもありますが、私は料金の面を考慮してバスで行くことが多かったです。どちらも3時間程度の移動ですが、列車のほうが体感速いように思います。
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▲ベートーヴェンの墓。沢山の人が見に来ていました。

 その次に訪れたイタリアには飛行機で行きました。私たちのルートはローマから段々と北上するルートだったため、最初に飛行機を選択しましたがハンガリーとヴェネツィア間なら高速バス8時間で移動することもできます。ポーランドやチェコ、ドイツなどは基本的に高速バスでの移動が主な手段で、大体6~8時間程度で着きます。この半年間で心から行ってみたかった場所を訪れることができ、夢って叶うんだなあとしみじみ思ったりしました。
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▲ダヴィデ像。想像よりもずっと大きくて驚きました。
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▲ドイツ・チェコは一人旅でした。ミュシャのポスターを模した展示の前で自撮りしていたら写真を撮ろうか?と声を掛けて頂いて撮って貰った一枚です。



ハンガリー国内の旅行


 国外だけでなくハンガリー国内にも素敵な場所は沢山あります。私のおすすめはGodolloTihanyi、そしてEgerです。GodolloにはGodollo宮殿という宮殿があり、ここはオーストリア・ハンガリー帝国の皇帝フランツ・ヨーゼフと皇妃エリザベートの夏の離宮として利用されていた宮殿です。ブダペストから30分程度というアクセスのよさも魅力ですが、豪華な装飾が施された宮殿は一見の価値ありです。比較的こじんまりとした場所ですが、日本語オーディオガイドがある所も嬉しい点です。
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▲大好きなハプスブルク家を沢山浴びれて幸せでした。

 Tihanyiはハンガリーの海とも呼ばれるバラトン湖沿いの観光地です。初夏にはラベンダー畑が魅力の観光地ですが、私が訪れたのは9月だったため見ることは叶いませんでした。それでも真っ青な空とバラトン湖はとても爽やかで、色々と大変だった留学初期の息抜きに最適でした。余談ですがハンガリー国鉄のしくみがこの頃よくわかっておらず、私と友人共々罰金を取られたのもいい思い出です。
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▲バラトン湖

 最後のEgerはワイナリーがあることで有名な場所です。ハンガリーは世界三大ワインを排出する国の一つであるらしく、ワインを手軽に楽しむことができます。私はワイナリーを訪れるのが初めての経験でしたが、お手頃価格でワインの試飲ができて楽しかったです。
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▲ワインの試飲。量が多くて日和る。

 また、少しマイナーですがBory Castleという建築家で画家・彫刻家でもあるBory Jenoが自身の家族のために建てた城も建築や芸術が好きだったらおすすめです。ただ、あまりメジャーな観光地では無いうえに少し郊外に位置しているのでハンガリー人の友人に連れていってもらいました。ハンガリーにはハンガリーパスという定期券があり、それを使えばハンガリー国内を安く移動できますが、時々指定席券が必要だったり、郊外のバスには乗れなかったりするので注意が必要です。
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▲建築が好きなので楽しかったです。



最後に


 4年後期での留学というのはやはり大きな決断が必要になる選択でした。就職や卒業論文など真剣に向き合って考えなくてはいけないことが多く、毎日頭を悩ませる日々が続きました。私は3年生の頃に交換留学の選考に申し込み落選していることもあり尚更、あの時こうしていればああしていればこんなに苦しむこともなかったのに、と思うことが非常に多かったです。しかしそんな状況でも留学する、という選択をしたことに関してはまったく後悔がありません。今までの人生からは想像も出来ないような場所に住み、ルームメイトとどうすればお互いに居心地よく暮らすことができるかを真剣に話し合い、寮でそれぞれの人生で苦しかったことや辛かったことなど普通の友達とはしないような深い話したり、それとは打って変わってみんなでバレーボールをしたりしたことは私の人生においてかけがえのない時間だったと思います。
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▲ハンガリー人の高校生とバレーをする様子。強豪のクラブに所属しているらしく、とても上手でした。


 もし、この留学体験記を読んでいる人のなかに留学を迷っている人がいるのならば迷わず挑戦してほしいなと思います。ただ、私はそれが必ずしも交換留学である必要もないと思います。私自身は留学の手段に交換留学を選択しましたが、正直に言うと交換留学であることが足を引っ張った側面があります。ハンガリーでは交換留学とは異なるプログラムで留学に来て過ごしている日本人学生や、ハンガリー政府奨学金を使い正規でハンガリーに留学している日本人学生に出会いました。海外に出る方法は沢山あります。どうか自分の選択の幅を狭めることなく、挑戦してみてほしいです。

 高校生の頃に抱いていた海外で暮らすという憧れを叶えるのは長い道のりでしたが、本当に素晴らしい沢山の経験をすることができました。ハンガリーで出会った友人たち(特にルームメイトと、一緒に旅行に行ってくれた2人共)と、沢山相談に乗って下さったゼミの先生には感謝の気持ちでいっぱいです。今回受け取った沢山の優しさを返せるように努力していきたいです。ここまで読んでくださりありがとうございました。以上で私の留学体験談を終了させていただきます。
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空港にて。カーロリ大学の同期が見送りに来てくれて嬉しかったです。