キャンパス内の梅の花も見頃を迎え、また一つ季節が移り行くのを感じています。上海での留学生活も7ヶ月目となり、時間の経過の速さに驚かされます。今回は前回の留学レポートからの3ヶ月間について共有したいと思います。
12月は友人とクリスマスパーティーを開いたり、クラス主任の先生にルールを教えてもらいながらクラスメイトと初の麻雀に挑戦したり、学校の冬至イベントに参加したり充実した日々を送っていました。中でも印象的だったのは誕生日にフランス人の友達から日本語で書かれた手紙をもらったことでした。なぜ言語を学ぶのか、母語というのはどのようなモノなのか、少しだけその答えを見つけられた気がしました。また、その友達とは留学初期に出会い、一番不安や悩みを共有し、支えになってくれている存在でもあるためとても感謝しています。
中国では日本の年末年始の期間1月1日以外の休みがなく、さらには1月2日にはスピーキングの期末試験があったため年末年始をゆっくり過ごせず少しカルチャーショックを受けました。初めて家族がいない年末年始に少し寂しさを感じつつも友人と外灘で見た初日の出はとても綺麗で今年一年も明るく灯してくれるように見えました。
1月10日には修了式が行われクラスメイトや帰国する友人に別れを告げ冬休みを迎えました。私も上海に一度別れを告げ中国内陸5都市(杭州、武漢、西安、延吉、深圳)をはじめ韓国(ジェジュ島)、香港に旅行に行きました。旅行中沢山の初体験、新発見や出会いがあった一方で失敗も沢山経験しました。
まず驚いたのは、南京に行くために火车(鉄道)に乗車した際、1車両に100人程乗車可能であったことです。日本ではある程度ゆとりのある列車が多いと思いますが、座席は対面で一列5席ありました(新幹線を対面にしたような感じです)。そこでなんと2枚連番の切符を買ったのですが運悪く端同士になってしまい3時間友達とも離れ缶詰状態で少し窮屈な思いをしました。しかしながら周辺に座っていた人の中には知り合いではない人同士で話しているのも見かけ、鉄道ならではの取り柄でもあるのかとも思いました。
また、中国の博物館や重要な観光スポットは事前予約が必要であるところも多く、知らずに行って入れないなんて事もありました。場所によっては中国国民とは違う窓口に行く必要があり事前調査が必須です。南京博物院に行った際に窓口が見つからず、スタッフにも場所を聞いたのですが聞き取れず結局自分たちで探しました。場所は複雑ではなかったのですが看板などの目印もなかったため少々手こずり到着してから入場するまで30分以上かかってしまいました。
今回の旅行で最も大きな失敗は体調を崩してしまったことです。ちょうど西安に到着した日に胃腸炎になってしまい3日間の西安の予定を全てキャンセルすることになってしまいました。精神的なダメージも大きくかなり落ち込みました。
このように旅行中に様々な出来事がありましたが、中でも武漢は深く印象に残りました。コロナウイルスの発生地となったことで世界に知られることになった武漢は何処となく福島と似たものがあるかなと親近感を感じています。友達の友達が武漢出身であったこともあり、その方に武漢を案内してもらいながらコロナ期間についてや近年の武漢の状況について聞くことができました。コロナ発生からから早くも5年が経とうとしていますが、やはりまだ以前の状態に戻った訳ではなく活気が足りないと伺いました。確かに中心街から一歩離れた場所や裏通りはシャッターが閉まっていることが多く寂しさを感じました。どのように復興していくのかはこの両都市が抱える共通の問題であると考えます。
数々の失敗のお陰でといっても良いかもしれませんが、この旅行を通して挑戦することのハードルが段々と下がってきたと感じます。これまで失敗を恐れて行動に移すことができないことが多かったですが、少しづつ失敗しても良いから挑戦してみようという心持ちを持つようになりました。また、私は元々周りを気にしすぎる性格だったのですが、中国ではみんなが自由に思うままに生活していることに影響されてか、だんだん周り中心の思考から自分を中心に考えるようになってきたかなと感じます。
2月の最終週から春学期が始まりました。久しぶりに再会した友人たちと近況について話しながら新たな学期のスタートに胸を躍らせています。前学期に引き続き同じプログラムのため冬休み中に簡素なテストが実施され、新たにクラスが振り分けられました。クラスメートも先生も一変し、気持ちも一度リセットしてこれからの授業に'取り組んでいこうと思います。
まだ留学は終わってないですが、自信を持って留学に来て良かったと言えます。もちろん全てが順調に進んでいる訳ではなく、文化の違いに悩んだり、失敗して落ち込んだり、弱音を吐いてしまうこともあります。しかし、これらの経験は、自分はどのような人間であるのか理解するきっかけであり、自分を見つめ直すきっかけでもあり、自分を成長させる糧でもあると感じています。
それに加え、この留学で出会った友人や先生方と過ごす日々は新鮮で、これまでにない学びがあると実感しています。また、この留学はこれからの人生を生きていく上でとても重要な経験になりつつあるとも感じています。もし留学をするかどうか迷っているのならばぜひ一歩踏み出してみて欲しいと思います。