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留学体験記

【ハンガリー】苦境を乗り越えて

【派遣先】カーロリ・ガーシュバール・カルビン派大学【派遣期間】2024年9月~
行政政策学類
 S.Kさん

 Sziasztok!ハンガリーに来て7か月を迎えようとしています。留学期間が半年の留学生たちが帰国し、もう半年が過ぎたのだと日々感じています。3か月目の体験から変化したこと、試験、春学期などについて紹介していきたいと思います。


滞在許可証の申請、延長

 私は9月に現地の移民局で滞在許可証(Residence permit)の発行手続きをしました。カーロリ大学を通して現地で許可証を発行するには日本で

・パスポート(希望する滞在期間+6か月分)
・パスポート全ページの写真(但しハンガリー入国時のスタンプが必要なため、これは到着直後の提出となる)
・4000USDの残高証明書(半年の場合は2000USD、円建て発行可)
・海外留学のための保険証
・パスポートサイズの証明写真2

 上記の準備と提出が必要です。ハンガリー入国後、カーロリ大学のオフィスで滞在許可証の書類と入寮証明書にサインをし、移民局またはEnter Hungary上で発行手数料24000Ft(10,000)を支払います。その後私は10月下旬に滞在許可証を受け取ることができました。しかし有効期限が2025年の131日までと留学期間よりも短く、すぐに大学に確認のメールをしましたが、大学側もなぜそうなったのか分かっていない状況でした。昨年度は全員が希望する留学期間の許可証が貰えていたこと、カーロリ大学に作成していただいたEnter Hungary内の書類にも滞在期間は2025630日と記載されていたことから、なぜ希望期間より短い期間の許可証が下りたのか分かりませんでした。

 その後、126日の午前2時ごろ(日本時間126日午前10)に許可証の期限が2025131日までの人は129()までに新たな$2000+飛行機代$1000(45万円)の残高証明書を提出してほしいと連絡が来ました。土日は銀行が休みかつ時間がほとんどなかったので、怒りと不安でパニックになりながら日本にいる両親に残高証明書の代理発行をお願いしました。日本とハンガリーは時差があるため何とか間に合いましたが、もしできなければ1月末に日本に帰らなければならないのではないかと不安でいっぱいでした。

 残高証明書を提出した後は再びオフィスで書類にサインと延長手数料23000Ft(9000)を支払い、移民局で手続きを行いました。その後1月下旬に有効期限が2025630日までの滞在許可証を受け取ることができました。国が違うので対応が異なるのは承知ですが、大学から延長申請になる可能性の言及があれば余裕を持って準備できたのではないかと思います。

 今後カーロリ大学へ留学し、滞在許可証の有効期限が予定よりも短かった場合は、延長申請が必要になることを念頭に早めの準備をお勧めします。


寮の引っ越し

 210日にObuda寮からBethlen寮に引っ越しをしました。当初はアメリカ人1人と韓国人2人と同室でしたが、現在は部屋の移動をし韓国人3人と共に生活しています。Obuda寮はトイレットペーパーを自分で購入しなければならなかったり、洗濯機、乾燥機の使用にお金がかかったり、シャワーからお湯が出なかったりすることがありましたが、Bethlen寮では上記のことがなくなったので、移ることができて良かったと思います。


試験や評価

 試験は12月中旬〜1月下旬にかけて行われます。しかし上記の試験期間に試験を行うのは選択した科目がLectureの場合です。私の選択した科目は全てSeminarだったので授業最終日までに試験やレポートが終わりました。私は英語、ハンガリー語、日本思想史と現代文化の授業で試験とレポートを終えることができました。どちらも日本の試験と比較して難しくなく、しっかりと勉強したり、要点を抑えたりしていれば問題なく良い結果が得られると思います。Seminarの授業によっては15,00020,000 characters のレポート作成やプレゼンテーションを最終評価として行うこともあります。また友人の中にLectureの科目を選択している人がいましたが、期限内に毎回の課題を100%正解まで行わなかったため最終試験を受ける権利を与えられなかったこともあったので初回の授業で先生によく確認してください。


学習について

 2/17から春学期が始まりました。私は今期English Language B2, English Language C1, Hungarian Language and Culture for Post beginners, Medieval Hungarian History, Healing Power of Nature, Moder Japanese LanguageⅡ, 教授法7つの授業を履修しています。Medieval Hungarian Historyの授業は先生が毎回弓や剣などを実際に見せてくれるため、とても興味深いです。現代日本語の授業では修士課程1年生向けの授業で、日本語でプレゼンテーションするのを最終目標に、司会者・発表者・質問者の3役に分かれて練習します。私はゲストという扱いですがプレゼンで質問をするのが苦手なので、練習を通して少しでも苦手意識をなくしていければと思います。Healing Power of Natureは全3回の集中講義のような扱いの授業でブダペストの洞窟などを探索します。(今期は5月下旬を予定しています。)教授法IIMA向けの授業ですが、履修しているほとんどがBA1年生であることから、英語を交えつつ日本語を話す練習をしています。前回の学期は4つしか授業を取らなかったのですが、スピーキングを含め自分の成長につながっているのかあまり実感できなかったので、今期はより英語を話す機会を増やすべく授業を増やすことにしました。また最近授業のほかに仲良くなった日本語学科の修士課程1年生の方と英語、ハンガリー語、日本語を勉強し始めました。まだ完全には慣れていませんが少しずつ成長できるように頑張ります。
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ハンガリーでの年越し

 福島大学に留学に来ていた友人とハンガリーで再会し、エステルゴムの大聖堂や城の跡地、公園などを案内してもらいました。エステルゴムからはドナウ川を境に歩いてスロヴァキアに行くことができます。歩いて国境が渡れるという島国の日本ではできない体験をして心が躍りました。友人の家でハンガリーの家庭料理をいただいたり、どのような勉強、仕事をしているかなど話したりできてとても楽しいひと時を過ごすことができました。ブダペストの年越しは「非公式」で花火が上がります。私は国会議事堂前のカウントダウンに行きました。ここではドナウ川から少し離れたところでも人々が花火を打ち上げ、とても怖かったのを覚えています。ハンガリーでの年末年始の過ごし方として12/31にシャンパンで乾杯し、1/1にレンズ豆のスープを食べるという風習があるそうです。

 ハンガリーでの半年は様々な出来事があり、あっという間に時が過ぎていったように感じます。日常生活の中で覚えたハンガリー語を使うことで大学の購買や寮のレセプションの方、友人たちが嬉しそうにしてくれるのでこちらも嬉しくなる一方で、福島の友人たちが就職活動を頑張っているのを見ると自分は出遅れていると焦ってしまった時もあります。しかし留学だから得られる学びや考え方もあるので、今に集中して残りの4か月を後悔のない留学生活にしたいと思います。ここまで読んでくださりありがとうございました。
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