8月5日から22日にかけて、韓国中央大学校ソウルキャンパスで行われたChung-Ang University International Summer Program(通称CAUISP)に参加した。その目的は、韓国語能力の向上と、韓国文化に触れてみることである。その内容について報告する。
まず、ISPは以下の日程で進行された。
表中A、『Creating my own K-contents』とは、多岐にわたるKコンテンツについて概要を学び、自分たちでもKコンテンツ制作を目指す授業を指す。
表中B、『Alive Korean with K-Drama』とは、Kドラマを用いてリアルな韓国語に触れ、文法や表現を学ぶ授業を指す。
特別授業『Special Lecture』は実際にKコンテンツ制作に携わる方々を講師として招き、講話を聞く授業を指す。
すべての授業は韓国語で進行されたが、Aと特別授業では英語の通訳がつけられた。また、8月13日の文化体験は当初野球観戦を予定していたものの、天候の影響で国立中央博物館見学に変更された。
Aで最も印象に残っているのは、Kドラマ『冬のソナタ』のいくつかのシーンを実際に鑑賞したことである。これは日本でも有名なKドラマであり、私は名前こそ知っていたものの、見たことは一度もなかった。授業ではこのドラマと併せて日本での韓国ブームについて取り上げたニュース映像を扱った。当時日本では『冬のソナタ』と共に爆発的な韓国ブームが訪れており、現在の世界的な韓国ブームの先駆けと学ん
だ。
Bの授業では、『海街チャチャチャ』と『梨泰院クラス』を用いて文法や表現を学んだ。はじめに事前情報なくドラマを見たときは、どんな場面なのか、何を話しているのかまるで理解できなかったが、一つ一つ文法と表現を確認したあとに再度見ると理解できるようになった。それだけでなく、プログラムのサポート役の韓国人学生たちとの会話の中でも授業で習った表現が使われていることがわかった。たとえば、省略の表現『난』『절』は本当に生きた韓国語であると感じた。
特別授業で最も印象に残ったのは、Webtoonについての講義である。私も日本語版でWebtoonを読んだことがあったので、興味深かった。Webtoonのいくつかは日本でも高い人気を誇り、日本でアニメ化するという例もあり、身近に感じた。
また、Webtoonに限らず、Kコンテンツは日本文化に強く影響を受けているという内容が何度も説明されたことも印象に残った。
文化体験では、現代的なポップカルチャーや歴史的な伝統文化の両側面から韓国文化に触れ、その奥深さを知ることができた。特に印象に残ったのは、国立中央博物館見学である。私はこれまで韓国文化についてよく知らず、韓国文化といえばK-POPアイドルや韓国ドラマというイメージがあった。そんなイメージを覆したのが国立中央博物館であった。国立中央博物館では石器時代の石器や土器、中世の武器、各時代の文書資料が展示されていた。特に土器は本当に多様で、保存状態もよく、当時の日本よりも進んだ技術を目にすることができた。また、展示された文書も非常に興味深かった。ほとんどすべてが漢文で記述されており、ハングルで書かれたものはごくわずかであった。ハングルは15世紀に作られたものだと習ったが、実際に史料を見てみると普及は19世紀以降なのではないかと予測できた。
プログラム全体を通して最も楽しかったのは、サポート役の韓国人学生たちとの交流だった。私が今回プログラムに参加するにあたって立てた目標は「韓国人の友人を3人作る」であったが、プログラム自体の目的は「韓国語を学ぶ・韓国文化に触れる」ことであり、内容も座学と文化体験のみで韓国人との交流は織り込まれていなかった。したがって、プログラムに参加するだけでは韓国人との交流は見込めなかった。しかし、サポート役の韓国人学生たちに、事務的な連絡だけでなく積極的に話しかけ、何人かと仲良くなることができた。一緒に夕食を食べに行ったり、人生4カットを撮ったりした。SNSアカウントを交換し、現在も連絡を続けている。
このプログラムに参加し、私の英語・韓国語能力を授業や実際の会話の中で試すことができた。読み書きはできるものの、聞き取りや話すことに関しては実力不足を痛感することが多かった。それによって滞在中も帰国後も韓国語学習に関して意欲を高く保てており、今後の学習目標を具体的に設定できる機会になった。また、私は韓国文化について表面的な知識しか持っていなかったが、このプログラムに参加したことで、韓国文化の奥深さを学ぶことができた。さらに、サポート役の韓国人学生や他国からのプログラム参加者との交流を通じて、異文化交流の楽しさを知ることができた。今後も韓国の豊かな文化に関心を持ち、韓国語学習に励んでいきたい。韓国だけではなく、異文化交流の機会があれば積極的に参加していきたい。
▲鳥型の土器(国立中央博物館)
▲韓服体験
▲Nソウルタワーから見たソウル市