

私は福島大学の大黒ゼミに所属し、そこでの日台交流活動に参加したことが、台湾を留学先に決めたきっかけでした。留学を本格的に決意したのは11月で、周囲と比べると準備期間はかなり短いものでした。実際、文藻外語大学にいる日本人留学生の多くは、1年以上前から中国語学習などの準備を継続していました。
私はそれまで中国語を勉強したことがなかったため、まったくの初心者として1から学習を始めました。留学選考ではHSK2級の合格を条件に仮認定されたため、中国語学習は主にHSK2級の合格を目標としたものになりました。
あまり知られていませんが、中国と台湾の中国語には大きな違いがあり、その1つが字体です。台湾では「繁体字」という画数の多い漢字を使用するのに対し、中国ではより簡素化された「簡体字」を使います。HSKは中国政府が実施する試験であるため簡体字が用いられており、当時はその勉強が台湾留学でどの程度役に立つのか不安もありました。しかし、基礎的な文法や単語を身につけるという点においては、HSKの勉強をしておいてよかったと今は感じています。
台湾に来てから、言語の準備はもっと万全にしておくべきだったと強く感じました。中国語において最も重要なのは発音で、日本語にはない音や声調があります。発音が少しでも違うと、現地の人にはほとんど伝わらないこともあります。3カ月経った今でも発音には悩まされているため、日本での準備段階でもう少し完成度を高めておけば、中国語の上達度も今とは大きく違っていたのではないかと思います。
また、英語が話せるかどうかによっても、留学生活のスタートラインは大きく変わると実感しました。台湾で生活するうえでは中国語ができれば基本的には困りませんが、文藻外語大学は台湾唯一の外国語大学ということもあり、英語が堪能な在学生が多く在籍しています。さらに、日本人以外の交換留学生の多くは、英語をネイティブレベルで話すことができます。少しでも英語でコミュニケーションがとれれば、より多くの外国人の友人を作ることができたのではないかと感じています。
私が文藻外語大学のある高雄に到着したのは、授業が始まる約2週間前の9月1日でした。現在は学校の中にある学生寮に住んでいます。寮にはおおよそ台湾人が7割、留学生が3割ほどの割合で滞在しており、部屋はランダムに振り当てられます。私のルームメイトは2人とも台湾人で、そのうち1人は日本語学科の学生だったため、生活面や手続き面で多くの助けを受けました。
台湾人学生は、日本語学科以外の学生でも日本に強い興味を持つ人が多く、現地学生の友達をつくることは想像していたよりもずっと簡単でした。文藻外語大学は留学生サポートも手厚く、留学生サポート事務所に行けば、多くの問題はそこで解決することができます。またそこでは留学生向けのイベントが多く開催されています。
授業については、交換留学生向けの授業数はそれほど多くありませんが、希望すれば多くの学科の授業を受けることができます。その場合、現地学生と同じ授業を受けることになり、中国語で行われる講義を聞き取るのは中国語上級者でなければ非常に困難です。実際、私を含め、多くの交換留学生は履修科目数をかなり絞っているのが現状です。その点に関しては、もっと事前に情報を集めて履修計画を立てておけばよかったと感じています。
この3カ月間の留学生活を通して、語学力だけでなく、自分で情報を集め、選択し、行動していく力の重要性を実感しました。今後の留学期間では、今回の反省を踏まえながら、中国語学習に一層力を入れ、より多くの人と関わりながら台湾での学びを深めていきたいと考えています。