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留学体験記

【オランダ】なんで、私がオランダに。

【派遣先】ハンザUAS・フローニンゲン大学 【留学期間】2019年8月~2020年3月
経済経営学類 S.Kさん

 

 日本を出発してから3ヶ月が経ち、クォーター制を採用している私の学校では一学期目のテストが終了し、すぐに二学期目に入るところです。今回のレポートでは来年度の交換留学の応募が始まるということで、自分が留学に行くまでとオランダでの生活について取り上げたいと考えています。また、基本的な情報はインターネットで収集可能なため、個人的に感じた事を多く書きたいと思うので、一個人の意見として読んでいただければと思います。

私が留学に行くまで

IELTS取得


 留学というと多くの人はアメリカやイギリスなどの英語圏への留学を希望する方が多いと思います。しかしアメリカやイギリスの他にトルコ、ドイツの一部、僕が派遣されているオランダでもIELTSのスコア基準を突破することが必須となっており、それを理由に挑戦しない方も多いと思います。自分も、もともとその一人であり、今までに特別な英語の学習経験もなければ、高校卒業以来まともに英語を勉強していない状態でした。IELTSの具体的な勉強方法としては、昨年の後期から国際交流センターの何さんが開講する全ての勉強会(詳しくはセンターのHPにも書いています)に参加しました。この勉強会により、TOEICは勉強開始1ヶ月で200点以上のスコアアップで790点取得、IELTSはoverall5.5を4ヶ月で取得することができました。また、周りに同じ志を持つ仲間ができ、みんなで頑張ることができたのも、諦めずに続けることができた要因の一つだと思います。私は僅かに届きませんでしたが、半年以上期間があればIELTS6.0は福大生であれば誰でも達成可能だと思います。語学要件のある国に行きたいと考えている方は、一度、国際交流センターに相談に行くことを強くお勧めします!

なぜオランダを選んだのか


 
交換留学先がオランダに決まるとたくさんの友達に「なぜオランダ?」「オランダ語を勉強するの?」とよく言われましたが自分がオランダを選んだ軸として以下のようなものがあります。

・習得したい言語は英語
・経済経営系の授業を受講したい
・ヨーロッパ(旅行やEUの制度に対して興味があった)

という感じで、そこに自分の持っているIELTSのスコアを照らし合わせオランダへの留学を決めました。またこの大学は普通の大学と違い、より実践的な教育を行っているということに魅力を感じた事も要素の一つです。国によっては所属学部や選択できる授業に制限がある場合があるため、留学先を選ぶ際は、派遣中の学生や以前派遣された学生から、情報を収集することがとても大事だと思います。ちなみに福大の協定上、ハンザ応用科学大学で受講できるのは1つの学部のみで後から授業、学部などの変更が一切できないため、出願を希望される方は、授業内容やスケジュールを経験者に聞くことを強くお勧めします。

オランダでの生活

3ヶ月オランダで過ごして感じること


 私が一番違いを感じたことは、オランダ人の外国人を受け入れる態度についてです。彼らは英語が流暢に喋れることもあり、学校やお店でも、私たち外国人に対して特別扱いせず、現地のオランダ人と同等に扱います。最初は随分ドライな人たちだな、と思っていましたが、慣れた今となっては現地人のような気分になり、心地よく感じています。日本では、外国人に対して変に身構えてしまったり、いつまでも特別扱いをする傾向があるなと感じていたので、このような接し方もまた良い姿勢だなと感じています。

Groningenの街並みです。とても綺麗なので時々散歩やランニングを楽しんでいます!

学校生活


 
この大学のスタイルは特殊で、日本の高校のように学科がクラスとなり全員で同じ授業を受講します。専攻はFacility managementですごく簡単に言うと企業における裏方の役割(人事や建物のメンテナス、経営管理、労働環境など広い分野)の勉強をしています。授業数が多いことで自然と英語を使う場面が増えるという良い所もありますが、本当にこの制度に振り回され悩みました。最も悩まされた2つのことについて書こうと思います。

①言葉の壁
 私のクラスはオランダ人8割という構成で、英語よりもオランダ語の言葉の壁に苦しんでいます。いくら英語が流暢でも、彼らのたわいもない会話はオランダ語で行われるので、時折疎外感を感じるだけでなく、グループミーティングで度々オランダ語を使われたり、グループレポートを書く際のインタービュー調査では、アンケート用紙や対面のインタビューまで全てオランダ語で行われたので意味がわからず参加することができませんでした。今後、オランダ語を学ぶ予定はないので「今なんて言ったの?、これどういう意味?」としつこくチェックする癖をつけたいと思います。

②Project(グループレポート)
 この大学の一番目玉の授業でありこの3ヶ月一番僕を苦しめた授業です(笑)6人一組になって学内の問題点に関する調査を行い、学期末にグループレポートを完成させる授業ですが、ミーティングのために夜遅くまで拘束されたり、集まっているのにみんな個々の仕事や関係ないことをやっていたり、先生の指示を無視するなど、英語がうまく話せず、自分の主張や意見を言えない自分にとってかなりストレスで体調を崩すほどでした。そして、効率を求めるイメージがあったヨーロッパのイメージを完全に覆されました(笑)。しかし、異なるバックグラウンドの人と一つのものを作り上げる経験は滅多にできる経験ではないので、次からは少しずつ自分がグループを動かせるように頑張りたいと思います。

ヨーロッパ旅行


 授業がとても忙しいですが、休日は留学の目的の一つでもあるヨーロッパの国々の旅行を思いっきり楽しんでいます!私の学校は長期休みがないため、三連休以上休みがあれば、国外に旅行に行くというルールを自分で決めて旅行をしています。隣接する国への日帰り旅行を始め、 10月下旬には一週間休暇(正規学生ならば本当はテスト勉強をする期間みたいですが...)があったこともあり、現時点で、ベルギー・ドイツ・イギリス・ハンガリー・オーストリア・チェコを旅することができました。オランダとの違いに面白さを感じながら、綺麗な建物や景色を見るたびにまた頑張ろうと思うことができます。


▲ケルンでは、前セメスターまで福大に交換留学に来ていた学生と再会しました!



終わりに、3ヶ月の振り返り


 正直なところこの3ヶ月は、1日1日を生活することでやっとでした。38度の熱を出しながらのドタバタの出国から始まり、挙げればきりがないほどの不運や理不尽な出来事に見舞われ(今となってはほとんどがネタになっていますが)、何度も日本に帰りたいと思いました。英語力が全くないこともさらに追い討ちをかけ、交友関係では時々悲しい出来事もありました。また、上で述べたように授業やprojectのミーティングなどで学校に拘束される時間があまりにも長く、疲労で予習復習が手につかず、授業のコンテンツの理解に力を注げなかったことや、友達を作ったりする時間と体力がなかったことに悔いが残っています。ヨーロッパ観光がオフシーズンになるこれからの冬の期間は、学校の勉強や人との関わりに重点を置いて生活しようと考えています。

 ここまでの日々で落ち込むことはあっても、一度も留学に来たことを後悔したことはありません。ここで自分自身と全力で向き合い、戦うことができるこの日々はとても充実しています。また、語学面だけではなく人間的な面での成長を感じたり、ここには書ききれないほどたくさんのことを感じ、学ぶことができています。私の留学の目的について詳しくは次回以降のレポートで詳しく触れることができればと思います。泣いても笑っても来年の夏には終わりを迎えてしまうこの生活を、1日1日大切に過ごしていきたいと思います。
 もし、私に詳しく話を聞きたい方がいらっしゃいましたら、国際交流センターを通じて気軽に連絡してください!