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留学体験記

【ルーマニア】ルーマニア留学中間レポート

【派遣先】ブカレスト大学 【留学期間】平成28年2月~平成29年1月
人間発達文化学類 M.Yさん

 ブカレストに着いたのは夜だったが、ブカレスト大学の日本語学科の女性が彼女の母親と一緒に車で迎えに来てくれた。漢字で福島大学と書いてある紙を持っているのを見て、少しほっとした気持ちになった。彼女は日本語が非常にうまく、驚いた。
 寮に着くと早速トラブルが発生した。私たちが入る予定だった部屋の鍵がなく、入ることができなかった。彼女は先生に電話をしたり、寮のガードマンと話をしたりしてくれたが、手違いがありすぐには貰えないので、後日受け取るということになった。
 そのときたまたま通りすがった男性の助けもあり、私たちが入る予定の部屋の隣に住む女性が泊めてくれることになった。十数時間も飛行機に乗ったのははじめてで、疲れていて早く寝たかったし、少しお腹も空いていたので、非常に助かった。
 ルーマニアで人気のチョコやパンをくれ、サンドイッチを手作りしてくれた。着いて数時間で、ルーマニアの大雑把さとルーマニア人の優しさに触れることができた。このとき出会った人々には、その後も非常に助けられている。

 この寮はブカレスト大学でも一番いい寮らしく、部屋は比較的きれいで部屋は大きかった。
 近くにはスーパーや地下鉄の駅があり、住みやすい。学校には地下鉄を使って40分くらい。ルームメイトは日本人2人で3人部屋。他の留学生も国籍ごとにまとめられているようだった。寮にはベッド、机、棚、トイレ、シャワー、洗面台があり、最低限生活できるようにはなっているが、台所はなかった。
 日本のようには接続が安定していないがWi-Fiもつなげることができる。生活が落ち着いてきてから、近くのスーパーで冷蔵庫を購入し、コンロや料理道具は2月で帰る日本人の留学生から頂いた。
 パンの種類が豊富でおいしいものが多いが、日本のパンと比べて生地が固め。魚は高いが、野菜、果物、パン、乳製品などが安く、生活がしやすいと思う。

 ルーマニアに来て最初のイベントはマルチショールで、3月1日に男性から女性に贈り物をする。学校の周辺などにたくさんの出店が並び、かわいいアクセサリーや小物などが売られている。まだ出会って間もない友人から手作りのプレゼントをもらったときはうれしかった。
 道端では男性の警察官がマルチショールの贈り物を配ったり、一般の男性が道で誰かにあげたりもしていた。

 授業がはじまると、予習や復習、課題などで1週間があっという間で、週末は友人と出かけたり、日本人会の方々と運動をしたりした。英語学科の授業は主に4種類で、学年ごとにLec、Literatura、Texteがあり、それぞれ構文学、文学、英語の練習と3年生の選択授業curs optionalがある。それぞれ学年や内容によって難易度がさまざまだ。
 1コマは2時間で、8時から20時まで。授業間の休みやお昼休みは設定されていないが、たいてい早く終わったり、遅くはじまったりするので特に問題はないようだ。最初は休み時間がないことに驚いたが、学生は空いている時間にリンゴやバナナ、サンドイッチやお菓子を食べていた。
 
 今受けているTexteのクラスは主に文法を勉強しているが、文法のレベル自体は日本の高校くらいかそれより少し難しいくらい。このクラスは発言が求められるが、ゆっくり質問してくれたり、授業についていけているか確認したりしてくれる。文学の授業は、これまでの積み重ねがあり、学生の知識も多いので、難しかった。ルーマニア人にとっても難しいらしい。選択授業は難しく課題も多いが、内容は面白いので頑張ってついていきたいと思っている。
 英語学科の授業は基本的に英語で行われる。政治学部の授業も英語のようだが、他の学部ではルーマニア語で授業が行われることが多いようだ。しかし先生と相談すれば受講することが可能で、英語のテキストや英語での課題などをもらい自分で進めるという形になる。
 英語のテキストの読む量は多く、専門用語も出てくるので難しいが、先生や学生に質問すると丁寧に教えてくれる。授業は講義形式なのが多いが、福大と比べると教室は小さいので先生と学生の距離が近く、議論も活発に行われる。少数派の意見も大切にされている印象があった。議論の展開も早く、次々と話題が変わっていった。

 体育の授業もあり、様々な種目から選んで参加できる。先生はルーマニア語で進めるが、動作や雰囲気でなんとなく言っていることがわかり、ときどき英語で冗談を言ってきたりもするので楽しい。ルーマニア語の勉強にもなる。体育館は外国語学部のすぐ近くにあるがわかりにくいので、いつも待ち合わせをして友達と行っている。私はダンスのクラスをとっているが、クラブダンスや社交ダンスよりで日本との違いを感じている。英語で授業を受けるのは大変で、集中力が続かないこともあるが、わからないことは友達に聞くと、詳しく教えてもらえるので助かっている。

 週に2回、日本語学科の授業に参加している。そこでは日本語のテキストの読み上げや、学生の日本語学習の手伝いをしている。日本語学科のある高校出身の学生や大学入学前から独学で日本語を勉強していた学生もいて、日本語能力に差があるが、2、3年生のほとんどは日常会話ができるほどうまい。日本人の先生も何人かいらっしゃり、文法から社会的なことまで教えていておもしろい。アクティビティが豊富で、日本語でゲームをしたり、会話をしたり、日本語についての研究発表をしたりしている。折り紙や書道、かるたなどのクラブ活動も行っている。

 先月ビザの申請に行ってきたが、少し大変だった。まずは法学部のキャンパスの国際センターで書類をもらい、そのほかに必要な書類を教えてもらった。ここには何度か通い、申請書の書き方も教えてもらった。残高証明書を日本から送ってもらったが、どの国際郵便を使うかで1週間かからずに届くのもあればなかなか届かないのもあり、時間がかかった。1番早くて正確なのは郵便局のEMSだということがわかった。荷物は郵便局に取りに行かなければならなく、荷物や手紙が直接個人の部屋に届くわけではないので、追跡できる制度があると安心だった。

 まだルーマニアに来て3か月だが、英語だけではなく、これまで知らなかった様々なことを学んでいると思う。ルーマニアの文化や歴史、ヨーロッパの様々な国についてのことなども知り、自分の興味関心も広がっている。ルーマニアは私にとって未知の世界で、わからないことばかりだったが、ここでの出会いは私の財産になることだろう。留学も残り4分の3。実り多いものにしたい。