福島大学トップ福島大学の国際交流国際交流ブログ > 【中国】留学生活を終えて

国際交流ブログ

【中国】留学生活を終えて

【派遣先】河北大学   【留学期間】2016年2月~2017年1月
人間発達文化学類3年 鈴木 みどり

 私は中国河北省で約一年の留学生活を送った。まず、目標について述べる。

 留学前は①積極的な姿勢で中国語を学ぶ②問題解決能力を身に着ける③日本の良い所を伝え、中国の良い所を学ぶという目標を立てた。

 ①の目標については達成できたと思う。最初はどうしても自分の中国語に自信がなく、積極的に話すことが難しかった。しかし他国の留学生の積極的な態度を見て、先生に質問したり意見することが自然なことに思えるようになった。
 また、授業に出席するだけでは勉強が足りないと感じていたので、中国人の友達と一緒に勉強したり、茶館に行って中国人と会話を楽しんだ。また私は、タクシーに乗ったら必ず運転手と話す、分からない言葉は必ず調べるか質問するなど、自分で小さなルールを作って実行した。知らない人に行きなり話しかけどんどん会話能力をあげていく人もいるが、人によって性格が違うので、自分に合ったやり方を探すことが大切だと思う。
 このような方法を続け、久しぶりに会った友達に「中国語上手くなったね」と言われると、頑張ってよかった!と感じ、さらにやる気が出た。また、一人で旅行に行くと嫌でも中国語を話す機会が増えるので、アウトプットの場として活用できた。(安全には注意する)

 ②の問題解決能力を身に着けるという目標は、身についた部分と反省すべき部分がある。留学前よりはたくましくなったと思う。一人で旅行に行って中国語が完璧にわかるわけでもない中、人に道をきいて目的地に行ったり、一人でできるようになったことが増えた。
 しかし一方で注意が足りず、色々なものをなくしたりして、自分で問題を作り出したことも多かった。自分で解決できない時、いつも先輩や他の留学生が助けてくれたので、心から感謝している。

 ③については、達成できたと思う。日本の良さを伝えるという目標は実はあまり意識していなかった。しかし、私は日本語教師をしている中国人の友達がいて、何回か授業に顔を出し、日本文化を紹介したことがあった。
 また、留学生の友達と寿司パーティもした。中国にも寿司は売っているが、場所や値段によっては全然寿司らしくないものもあったため、本物に近い日本食を伝えられたのではないかと思う。


 中国の良いところも十分学んだ。たくさんの歴史的な遺産、おいしい中華料理、様々な文化。同じ中国の中でも、他の省に行けば異国のような雰囲気が広がっている。内モンゴルに旅行に行った時も、看板には中国語とモンゴル語が並んでいたし、モンゴル語で電話している人もいた。南京も昔の街並みが残っており、青島も海の香りがしてヨーロッパのような街並みがあった。私は中国の歴史をあまり知らないが、南京を旅行しながら、辛亥革命や科挙、第二次世界大戦など、南京に関する歴史について勉強した。教科書で勉強するより鮮明に記憶に残った。様々な文化、民族が共存する中国は、一生かかっても全ての場所にいくことはできないだろう。そして一生飽きることはないだろうと思う。もちろん何回か日本が恋しくなったが、いざ中国をはなれるとまた行きたくなる、癖になる、中国はそんな魅力を持った国だと感じた。

 次は中国の文化について述べる。私が中国人の友達が出来て感じたことは、思ったことを比較的はっきり言うこと、友達との関係がとても近いことだ。個人の性格にもよると思うが、このような性格の人が多かった。中国人の友達は、「太った、痩せた、中国語が上手くなった、下手になった、発音が上手い、下手」などの少々デリケートな問題をズバズバ指摘してくる。最初は傷ついたが、今ではその方が気を使わなくて楽だと思うようになった。
 しかし友達が困っているととても親切に世話をしてくれる。例えば離れたところに住んでいて、遊びに行くと何もかも世話してくれたり、病気になったと聞きつけると知り合いの医者を手配してくれたり、ネットで切符が買えないときわざわざ駅まで一緒に来てくれたり。家族のように世話をし、親切にしてくれ、友達なら当然だと言ってくれた時には、感動した。

 その他おもしろいと思った文化の違いは、プレゼントについてだ。日本では、相手が日常使いそうなものや、細やかで綺麗なものなどを渡すと思うが、中国では立派なもの、比較的大きいものが喜ばれると聞いた。父と母が中国に遊びに来たとき、中国人の友達が大きな置物をくれ、日本人だったらそういうプレゼントは選ばないだろうなと思い、新鮮だった。

 最後に、治安について述べる。私が留学した一年間で特別危険なことはなかった。なるべく危険なことに近寄らないようにしていたのも良かったのだと思う。反日の中国人がいなかったというとウソになるが、テレビで以前報道されたような過激な人はいなかった。かえって日本が好きという人や、日本語を勉強しているという人のほうがたくさん出会うことが出来た。もし日本が嫌いだという人がいても、過激に反論しなければ危険な目にあうことはないと思う。

 私は中国に留学に行って本当によかったと思う。まずは中国語がある程度話せるようになったこと。日常会話はほぼ問題ないので、今後自分のスキルとして生かせるように、専門知識も学んでいきたい。
 また、旅行に行って感じたが、言葉が分かると出会いの幅が広がる。知らない人に自分の生い立ちを話したり、相手の今までの経験談を聞いたり、とても人生が豊かになると思った。次に、様々な文化を学び、視野が広がった。私は留学生寮に住んでいたので、時々皆でご飯を作って食べたり、遊んだりした。皆話し好きなので、家族のことや将来の夢、結婚観、中国と自分の国の関係など、たくさんの話をした。普段ふざけていても、自分の意見を持っている人が多く、自分がいかに何も考えていないかが分かった。多国籍の友達は、それぞれ違った宗教を信仰しているので、それもまた面白く、理解も深まった。

 また、私のルームメイトはイスラム教徒だった。今まではムスリムと聞くと、全てを宗教に捧げている厳格な人というイメージがあった。しかし彼女と付き合うと、私たちと何も変わらない普通の人なんだと実感した。同じような悩みを持ち、同じようなことで喜び悲しみ、冗談が好きで、アニメ「ナルト」が好きな、同じ人間だった。テレビでイスラム国の人がテロを起こし、日本ではイスラム教徒=怖いとネットで言っている人がいて、悲しくなった。このように、多国籍の友達が出来たことで、世界のニュースが他人事でなくなり、ずいぶん視野が広がったことも、留学してよかったことの一つかもしれない。
 慣れるまでは大変なことももちろんあって辛かったけれど、必ず助けてくれる人が現れる。留学に行くか迷っている人は是非勇気を出して一歩踏み出してほしい。悩んで努力して楽しんだ海外の一年間の生活は、一生の財産になるだろう。