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【中国】中国留学を経て

【派遣先】河北大学   【留学期間】2016年2月~2017年1月
行政政策学類2年 榎本 泉生

 

はじめに

 私は中国河北省にある河北大学で、平成28年2月29日から平成29年1月12日までの約11ヵ月間、とても貴重な時間を過ごしました。語学の向上や異文化を理解する力、日本を別の視点から見つめ再認識することを目標に、留学生活に臨んできました。この11ヵ月間、楽しさだけでなく辛い思いもしましたが、留学したからこそ学び、感じ、経験できたことがあり、帰国した今ではすべてが私の財産であると感じています。
 留学前の自分と比較しながら、私が中国で学んできたことを具体的に報告します。


留学先の課題と成果


1 語学力

 まず語学力の面では、言葉を学ぶことの難しさや意思疎通が上手にできないもどかしさを度々感じることがありました。特に留学生活が始まってからの数か月間は、聞き取ることも困難で、大学で学んだ中国語の知識だけでは会話も満足に続けられない、という自分の現状が悔しく、また誰かと話すことが怖いと感じてしまうことがありました。

 そのような中でも私が留学生活を全うできたのは、学校の先生方、留学生の友達、日本学科の生徒達、日本人留学生との関わりのおかげです。特に留学生や日本語学科の生徒たちには、中国語や現地での生活について多くのことを教えてもらい、ルームメイトだったモンゴル人のお姉さんの、「必ず中国語が話せるようになるから頑張れ」という言葉に何度も励まされました。

 中国語の上達が認識できるようになったのは、半年が過ぎてからです。徐々に理解できる言葉、話せる言葉が増えていき、今では冗談を言い合ったり、旅行に行ったりとできるほどになりました。

 2 日中関係

 留学生活を送る中で私の場合、日中関係の壁を感じることは全くありませんでした。現地の先生や学生はもちろんのこと、町に出てもその印象は変わりません。日本人だからと冷たく対応されるかもしれないといった留学前の不安は杞憂に終わり、お互いの国の良いところを話し合ったり、質問したりと非常にいい交流ができました。

 さらに、韓国やインドネシア、タイ、モンゴル、バングラディシュ、など多くの国の学生との交流を通すことで、諸外国から見た日本を知ることができました。反対に、相手の国を知ることもできました。留学生同士、互いの国の料理を作ったり言葉を教えあったりする中で、私は韓国人の女の子と親友になりました。夏休みは彼女と共に韓国旅行に行き、春休みには彼女に日本に来てもらい日本を案内しました。

 このように、中国人をはじめとした他国の学生達との交流は文化や宗教の違いから戸惑うこともありましたが、異文化理解という点で非常に良い経験になりました。


相手国の文化

 中国で過ごしていて、一番感じたことは中国人の優しさです。特に中国人の学生は、友達のためならどんな労力もいとわない、といった姿勢がよく見られました。なぜそのように親切なのか尋ねたとき、友達だから当たり前のことをしているだけという返答に驚かされました。自分の損得よりも、困っている友人を優先させる彼らの人柄には、私自身学んだことが多く中国をさらに好きになった瞬間でもありました。

 もう一つ私が驚いたことは、中国の経済格差です。物乞いをする人、ぼろぼろの服を着ている人、他人が残した食べ物や落とした食べ物を食べる人など「貧富の差」というものが顕著に目に見えるので、戸惑うことが多々ありました。また、物乞いをする方が働くよりもお金が得られることもあり、あえてそうする人が多いというのが現状のようです。きちんと働いても、満足に賃金を受け取ることができない中国経済の現実を知るとともに、自分が当たり前に過ごしてきた生活が、どれほど有難いことなのかを身をもって感じました。

治安・危機管理

 普段の生活の中で、治安の悪さを感じることはありませんでしたが、やはり日本にいるとき以上に危機管理には敏感になる必要があると感じました。道を渡るにしても、歩行者よりも車やバイクが優先されるため急いで渡らなければなりません。また、携帯を盗まれたという中国人の友人もいたので、人ごみの中やバス・地下鉄に乗るときは持ち物の管理に注意を払うようにしていました。特に観光地や駅・空港付近には、高いお金を請求するタクシーが客引きをしていることが多いので、はっきりと断るスキルも必要です。

おわりに

 中国留学を経てまず感じたことは、これほど中身の濃い充実した一年を過ごせたのはこれが初めてだ、ということです。親元を離れ、住み慣れた町、慣れ親しんだ日本語から離れて異国で暮らすことに心細さと不安がありました。しかし、現地での人々との出会いや交流、自分の中国語が伝わった時の喜び、自信が私を前向きに変えてくれました。

 帰国後は、電車の切符を買うのを手伝ったり、あるイベントでは中国人観光客のために中国語でアナウンスをするなど、中国語が役に立ったと実感する場面が多いです。このように留学を通して得た語学力、コミュニケーション能力、友達、自信などを大事にしながら、今後も中国語の更なる向上を目指していきたいと考えています。