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【ドイツ】1年間のドイツ留学を終えて

【派遣先】ルール大学ボーフム 【留学期間】2017年9月~2018年8月
地域政策科学研究科2年 森岡 修人

 
 

留学を通して学んだこと

 私が留学を通して一番言いたいことは、日本は私が思っていたよりもそんなに良い国ではないということです。ここでいう良い国というのは、大学生が何か研究したいと思える環境と、将来や就職に対して幅広い視野と選択肢を持つことができるかということです。留学によってグローバルな視野を持つことはもちろん可能ですが、それ以上に私にとって有意義だったことは、多くの国や地域を訪れ、そこで様々な経験をしたことによって、自分自身を見つめ直すことができたことです。今回の報告によって、留学しようか迷っている方へ、少しでも決断の助けになれればと思います。

 

ドイツに留学すべき理由

 ドイツは、学生に対して非常に優しく、そしてアグレッシブルな学生生活を後押ししてくれる国でもあります。学費は無料であり、半年ごとに大学に4万円程度を納めれば、州内の公共交通機関をすべて無料で乗ることができます。公共交通機関が無料であることは、私たち学生にとって、多くの場所を訪れ、そこでいろいろな社会経験をするチャンスを与えられるということを意味します。さらに多くのミュージアムは学生料金を設け、無料で利用することのできる施設も非常に多いです。私が現地で知り合った友達と将来のことや研究のことを話すとき、彼らの視野が常に広く、将来や研究に関する選択肢をたくさん持っていることに驚かされました。

 ドイツはまた、非常に多くの国からの留学生を受け入れている国の一つでもあります。旧市街に行けば、ドイツならではの木組みの家々を見ることもできますが、同時に、様々な国の文化にも触れることができます。大学のカフェに行けば、様々な国籍の学生が、様々なことについてそれぞれの国や文化を基に議論を交わし、世界を縮めたような空間がそこに現れます。私自身、留学する前では想像できないほどに多くの国籍の人と知り合うことができ、色々な情報や考え・意見を聞くことができました。彼らとは留学を終えた今でも交流し続けており、ニュースでは知ることのできないような情報や、その国々の実情を知ることができるだけでも、留学する価値はあると思います。


 ドイツで生活するということ

 留学する際に重要となってくるのは、自身の研究だけではありません。その国でしっかりと生活ができるかということが大前提となってきます。
 ドイツは、場所によりますが、気候は日本とよく似ています。夏は30度を超え、秋になると雨量が多くなり、冬には氷点下に達するときもあります。ただ、台風などの自然災害はなく、私の住んでいたボーフムは雪もほとんど降らないため、生活はしやすいといえます。 
 
 生活費は、日本に住んでいるよりも少なく抑えることができます。基本的に物価は日本よりも低く、特に食べ物に関しては500gのパスタが50円くらいで売られていたりなど、非常に安いです。もし大学の寮に住む場合であれば、光熱費やインターネット料金を含めおよそ300ユーロの家賃を1か月に払えばよいので、一月の生活費をまとめると、日本円で8万円もあれば生活することができます(1€=130円とした場合)。

 

様々な国・地域を旅行する

 ドイツは、西ヨーロッパの中央に位置するため、ヨーロッパ各国へ行きやすいです。私はこの1年間を通して、10か国以上を旅行しました。ヨーロッパ各国へ旅行する際、日本のパスポートがあれば、ほとんどすべての国にビザなしで旅行することができます。また、バス・鉄道・飛行機のどれについても、格安チケットがあるので、例えば、夏の行楽シーズンにドイツ北部からイタリアのヴェネチアまで飛行機で移動したのですが、たった1200円で乗ることができました(荷物制限などあり)。またパリへ行く際は夜行バスを利用しましたが、バスにはfree wifiがあり、値段も往復で6000円程度でした。ただし、どの交通機関を利用する際も、安く利用したいのであれば早めの予約が必要となるでしょう。

▲ルーヴル美術館での一枚

 ドイツ国内については、東西南北ほぼすべての州を旅行することができました。ドイツ鉄道は、日本と異なり、新幹線の料金が固定ではありません。1カ月前に予約すれば、通常2万円のチケットを3000円程度で買うこともできます。ドイツは、各州異なる文化を持っており、飽きることはありません。特にドイツは中世からのお城が非常に多くあり、場所によって建築様式も異なるため、非常に興味深いです。


▲ドイツを代表するお城「ノイシュバインシュタイン城」

 旅行する際に気を付けたいのは、現地の治安についてです。ドイツはほかのヨーロッパ諸国に比べ非常に治安が良く、1年間、深夜に一人で出歩くことも多かったのですが、何も問題ありませんでした。一方で、イタリアやフランスなどは、観光都市の治安は比較的良いですが、パリやローマ、ミラノなどではスリなどの犯罪がいまだに多いのが現状です。ただ、ある程度の危険意識を持っておけば普通に旅行できますし、もちろん親切な方も多いので、どの都市も、訪れてはいけないといことはないです。

 

日本ってどういう国?

 留学し、ほかの国の文化に触れながら生活すると、私たちの住む日本という国がどういう国なのかを客観的に、そして比較的に知ることができるようになります。ヨーロッパでは、日曜日には基本的にどのお店も閉まっていて、24時間営業のコンビニもありません。これらのことは、留学しなくてもよく耳にすることだと思いますし、日本って便利な国だなと思われると思います。しかし、ドイツをはじめ多くのヨーロッパ諸国は、日本に比べ公共施設に大きな投資をおこなっており、例えば、図書館は夜の24時まで開いています。また、福島市程度の規模の都市にも地下鉄や路面電車が街中に張り巡らされ、それらは24時間走っているのです。

 日本人の多くがヨーロッパ諸国について多くを知らないように、ドイツ人もまた、日本について多くのことを知りません。前回の報告でも書いたように、東日本大震災以降、福島には誰も住んでいないと思っている人もいますし、日本語と中国語、韓国語は同じだと思っている人もいます。一方で、日本に対するイメージとして、過労、自殺、いじめなどのワードを挙げる人をよくみます。私がホームで電車を待っているとき、「今日はすぐ帰りたいから、線路に飛び降りて電車止めるなよ」と友達によく冗談を言われました。私はあまりいい気持ちはしませんでしたが、それらが日本で、また世界でも社会問題化し話題となっていることは事実のようです。

 

ルール大学ボーフムで勉強するということ

 ルール大学ボーフムは、ほかの大学でみられるような中世の宮殿のような外観を持つキャンパスではありませんが、大学にいれば、すべてを知ることができます。広いキャンパスの中では、数えきれないほど多くの学問が研究されており、6階建ての図書館では、様々な分野の、年代を遡れば500年以上前の文献まで手に取ることができます。また、キャンパス内の各建物には必ずカフェやレストラン、ディスカッションや自習用のスペースがあり、大学内で利用できる学生用のFree wifiを使えば、研究も捗ります。

 キャンパスへは、市街地から地下鉄(U-Bahn35)で最寄りの大学駅まで行くことができます。大学駅の南側にはキャンパス、そして北側には様々な店がある複合施設があり、スーパーや郵便局、銀行、本屋、ドラッグストアやレストランなど、その施設だけでも生活するためのすべてが手に入る、非常に便利な場所です。大学の寮にも非常に近いことから、ルール大学の学生にとってかかせない存在となっています。


▲キャンパスのシンボルである多目的ホール

 

語学の習得について

 ドイツ語を習得したいのであれば、大学内に附属している2つの語学学校をおすすめします。1つはDaFといって、ドイツの大学に入りたい人向けの学校です。留学生用の無料コースは週一回しかありませんが、有料コースにも参加することができ、スピーキングからライティングまで幅広く教えてくれます。もう一つは、キャンパス内にあるAStAです。こちらは3か月で3万円ほどの有料の語学学校ですが、高校生から主婦、ビジネスをしたい若者など幅広い人がドイツ語を学んでいます。先生は非常に優しく親切で、授業はすべてドイツ語で行われますが、わからないことなどはゆっくり丁寧に、そしてわかるまで教えてくれます。

ドイツ語以外の言語を習得したい場合、大学の授業として用意されているZFAを利用することをお勧めします。こちらは大学の講義として履修登録をするため、単位を取ることもできますし、もちろん無料です。英語やスペイン語、日本語、中国語など多くの言語を学ぶことができ、レベルも様々用意されているため、自分に合ったコースを選ぶことができます。

▲ドイツ語の授業風景

 

最後に

 現在、海外旅行は私たちにとって身近なものになり、行こうと思えば行けます。しかし、そこを観光するのと実際に住んでその国の文化の中で生活するのとでは、経験できること、学べることは全く異なっています。今、すこしでも外国に興味を持っていて、異なる文化に触れてみたいと考えているのであれば、留学することをおすすめします。特に、語学習得や異文化理解を目的とするならば、ドイツは留学する国の選択肢としてふさわしいでしょう。