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留学体験記

【オランダ】ハンザ大学3ヶ月レポート

【派遣先】ハンザUAS・フローニンゲン大学 【留学期間】2018年8月~2019年7月
共生システム理工学類 N.Sさん

 
はじめに

 オランダのフローニンゲン(Groningen)州に拠点を置くHanzehogeschool Groningen University of Applied Science (以下、ハンザ大学)での留学生活がスタートしてから3ヶ月が経とうとしています。3ヶ月という1つの節目を迎える今、私が留学中に感じたことや学んだことをレポートという形で、大学内外での生活面から書きたいと思います。

オランダでの生活

大学・授業面において

 
 皆さんはオランダという国の英語レベルをご存知ですか。オランダは母国語が英語でないにも関わらず世界でもトップクラスの英語力を誇り、人口の7~8割は英語が話せると言われています。かくいう私が勉強しているハンザ大学でも多くの授業が英語で開講されており、オランダ語の講義は受講しておりません。そのため英語を用いて現地の学生とコミュニケーションをとることができ、これは大きな魅力だと感じています。

 授業に関して最も強く印象に残っていること、それを一言で表現するならば「実践的」という言葉がしっくりくるかと思います。私はInternational Facility Managementという専攻にて勉強をさせていただいています。学生数は1クラス40人前後でその中で4~5人の班ごとに分かれプロジェクトとして、ビジネスモデルを考えます。1つのお祭りを題材として取り上げ、そのビジネスモデルを考察する中で、デスクワークとしての自分たちで思考を凝らすことはもちろんですが、脳内でのアイデアだけにとどまらず、実現させることを前提にプランを考えます。
 
 班によって手法は様々ですが私のグループは実際の企業に連絡をしたり、見学に行ったりもしました。大学から与えられるものだけでなく自分たちで考えて動いていく"考動力"が求められます。求められる環境に身を置けば必然的に機会が増え、自分の力として身につけるチャンスが増えます。一般的にイメージされるようなスタイルの講義(先生方が前で話す講義)もありますが、各々の授業内容が個別に隔離されているのではなく、それぞれの授業で学んだことをプロジェクトに総動員していきます。プロジェクトで不明点があれば先生方にアポイントを取り、話し合いを行います。それぞれの講義を単体のものとしてではなく、実践的なものと同時に学習を進めていくことができるため、しっかりとイメージをすることができ大変勉強になります。学習内容自体もですが、この学習スタイルも私には新鮮で日々刺激を受けています。

大学外・日常生活面において

 
 休日は同じアパートの学生と一緒に旅行したり、サイクリングに行ったりしています。サイクリングと言えば思い浮かぶのは自転車です。オランダはなんと「自転車の数>人口」という不等式が成立する国です。はじめてこれを聞いたときにとても驚いたことを覚えています。街中には沢山の自転車があり、ほとんどの人が自転車を利用しています。自転車専用道路が街の至る所に存在し、自転車無しでは生活できないと言っても過言ではない程、日常生活に必須なものです。購入せずともレンタルをすることができ、私は、12ユーロ(約1,500円)/月で借りています。

 旅行は休日に日帰りでアムステルダムや、デン・ハーグなどオランダ各地に出かけることもあれば、長期休暇を利用して他国へ旅行に行くこともあります。Fall breakという秋休みのような休暇が1週間ほどあり、私はその内4日くらいを利用してベルギーやフランスに旅行に行きました。ヨーロッパは近隣国へ海を渡らずに電車やバスで訪問できることがとても魅力的です。直接その国へ赴くことで、オランダと近隣国であるため多少は似ているものの、その国独自の文化を肌で感じることが出来ます。留学先の立地環境を活かして様々な異文化体験をこれからもしていきたいと思います。

 また、留学先で出会った人たちは良い人が多く、初対面にも関わらずとても気さくに話しかけてくださり、すぐに仲良くなることができました。私の拙い英語にもしっかり耳を傾けてくれて一生懸命に理解をしようとしてくれます。母国語が英語でないためスペインやフランスなど各国のなまりが英語に含まれており、聞き取るのが大変な時もありますが、聞きなおしてももう一度丁寧に言い直してくれるのでそれほど心配はありません。日々生活をしていくうちにそのなまりにも少しずつ慣れてきます。

 コミュニケーションに関して言えば正直ジェスチャーで何とかなってしまっているのが現状で、それが良くも悪くもあると感じています。自分の使っている単語や文法が間違っている場合でもジェスチャーを駆使して伝えることが出来てしまうため、自分が言いたかったことがすぐに伝えることが出来なかった時には、たとえジェスチャーで伝えることが出来たとしても、すぐに調べたり、聞いたりしてしっかりと「言葉」を用いて伝えることが出来るようにすることが大切だと思いました。出来るだけ他国の人と過ごす時間を設けること、英語に触れる機会を増やしていくことで少しずつではあるものの力を付けていくことが出来ると思います。

▲友達の誕生日パーティー

▲アムステルダム日帰り旅行

▲サッカー観戦

今後へ向けて

 
 3ヶ月が過ぎてオランダでの生活にも多少は慣れてきました。しかし、授業面でも、コミュニケーション面でもまだまだ苦労している部分は多々あります。3ヶ月を経て自分は何が成長したのか、何が変わったのか、その実感は正直まだありません。しかしそれでもこの環境に身を置いている以上は自分のためになるものを着実に会得していきたいという想いがあります。これからさらに大変になるかもわかりませんが、自分1人で解決しようとせずに周りにいる人たちを素直に頼り、少しずつ前に進んでいきたいです。