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留学体験記

【中国】留学中間レポート

【派遣先】重慶理工大学 【留学期間】2018年9月~2019年7月
経済経営学類 W.Aさん

 私が中国、重慶市に来て、早くも三ヶ月が経過しました。こちらに来てからは一日一日がとても早く、こちらで知り合った友人たちと楽しくも真剣に勉学に励んでいます。今回はその様子を皆さんに少しでもお伝えできればと思います。
▲大学正門前にて撮影しました。

山の街、霧の街、重慶

 皆さんはそもそも重慶市がどこにあるかご存知でしょうか。恥ずかしながら私自身、留学を決めるまで重慶がどこにあるのか、重慶の名前も知らないような状況でした。重慶市は中国のほぼ中央、やや南寄りにある都市です。中国の他の都市と異なり、省には区分されていない特別な都市です。重慶市は山の中に作られた都市で、急な坂道とそびえ立つ山々、その間ににょきにょきとビルが生えている、というような特徴的な町並みです。このような環境なので、主な交通手段はバスが多く、電車も地下鉄や路面を走るものではなく、モノレールのように空中を走るものが一般的です。日本では一般的な交通手段として自転車に乗ることも多かったのですが、重慶ではなかなか見かけません。どちらかというと自転車はスポーツのため乗る、と言うイメージの方が一般的なようです。

 重慶でもう一つ、この時期に有名なものが霧です。冬の朝は校舎や宿舎が見えなくなるほど霧が出ます。真っ白な霧の中にぼうっとビル群が浮かび上がる様子は、まるで別世界のようです。福島のように雪が降ることはないので、冬の間は雨や曇りの日が多いです。晴れ間が覗いた日には、学生だけでなく多くの家族連れやご婦人方が、大学内で散歩や写真撮影を楽しんでいる様子が見られます。

▲大学へ散歩に来た親子。池の鯉にえさをやったりする光景も見られます。

授業と語学について

 私は重慶に来るまで、中国語をほとんど勉強したことがありませんでした。ピンインから始まり、挨拶、数の数え方など、ここまで少しずつ勉強しています。今でも中国人の友達や先生と話す際、聞き取れないことは多いですが、自分の意見を段々と形にできるようになってきました。

 私が所属しているのは、中国語初級クラス。私のように中国語を全く話せないと言う学生がほとんどです。私の他にタイ人の学生が二人、ベラルーシの学生が一人という非常に小さなクラスです。この他に、時折バングラデシュの本科生(中国人の学生と一緒に授業を受けている学生)が不定期で参加します。はじめの頃はほぼ英語で授業が行われていましたが、今では中国語の方が段々と多くなってきました。それでも先生の話がだいたい分かるようになってきますので、心配はいりません。

 基本的にクラスメイトたちとは中国語でできるだけ会話するようにしていますが、上手く伝わらなかったときや、重要な話、複雑な話をする際は英語、と使い分けています。そのせいかは分かりませんが、最近は英語のCMのナレーション等も以前よりすらすらと聞き取れるようになったのが嬉しい驚きです。重慶に来てよかったと思う理由の一つとして、日本人が周りにほとんどいない環境のため、外国語に専念できることが挙げられます。

 最近は友人に少しずつタイ語を教えてもらったり、中国人の学生と一緒に日本語と中国語を教え合ったりなどして、楽しみつつ勉強をしています。また、普段の授業の予習復習と平行して、中国語の検定試験であるHSK4級の勉強も進めています。そこまで難度が高くないと感じたので、5級6級の勉強も今後始めたいと思います。

▲左にいる二人はいつも仲良くしてくれているクラスメイトのタイ人学生です。私のタイ語の先生でもあります。

重慶の魅力

 重慶の素敵なところやものはいろいろとあるのですが、その中でも私は特に重慶の人達の人柄が素敵だなと思います。私たちはよく大学の外へ食事に行くのですが、いつも行く食堂のお姉さんや果物屋のおばさん、おじさんなど、とても親切でフレンドリーに接してくれます。日本のような丁寧に整えられたサービスとはまた違う、気を遣わなくていい雰囲気がとてもよいと思います。何度も通ううちに値引きやおまけをしてくれるようになったり、一緒に世間話をしたりするのがとても楽しくて嬉しいです。

 重慶には有名な観光地がいくつもあり、特に休日には様々な地域から観光客が訪れます。そういうときはどこも人混みで、改めて中国の人口の多さを実感します。その中でも私がおすすめするのは、磁器口(CiQiKou)、そして鹅岭公園(ELingGongYuan)と呼ばれる場所です。磁器口は重慶の古い町並みをそのまま観光地化した地域で、苔で覆われた石造りの壁や、木造の建物がずらりと並んでいます。観光地らしく、売店もたくさんあるので食べ歩きをしながら見て回ることもできます。鹅岭公園は美しい木々や植物と建物が特徴的です。撮影スポットも多く、中国の民族衣装、漢服を着たり、コスプレをしたりして撮影をする人もいます。重慶の中でも高度がある場所なので、公園から重慶の町並みを眺めることができます。

▲磁器口


▲鹅岭公園

おわりに

 今思うと、ここまであっという間の三ヶ月だったと感じます。はじめは中国語が話せるようになるのか、重慶での生活から学びを得ることができるのか、私自身が成長できるのか、本当に不安な毎日でした。しかし、日本にいる家族や友人、先生方に加え、重慶でできた友人や先生方の激励やご助力のお陰で、悩みつつも少しずつ成長しています。また、留学期間10ヶ月という期限を設けられたことで、日本にいた頃より、一日の時間がずっと貴重で価値のある物に変わりました。これから残り約6ヶ月と少し。残りの時間を全て使って、さらにいろんな経験をしたいですし、自分の能力を高めて生きたいなと思います。

 そしてこれは蛇足ではありますが、個人的にFacebookで細かな留学の様子などを投稿しておりますので、もし興味のある方がいましたら、探してご覧になってみてくださいね。