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【中国】中国留学最終レポート

【派遣先】河北大学   【留学期間】2018年3月~2019年1月
経済経営学類3年 椎名 紬

 留学を終え、帰国して数日経ちます。温かな部屋で、自分の留学をこのレポートと書くことで振り返っていきたいと思います。私の留学を一言で表すことはできませんが、留学を経験してよかったとは言えるのは確かです。

 私は恥ずかしながら福島大学で中国語中級まで履修し、留学に望んだのですが中国に行ったときには「你好。谢谢。」しか聞き取れない、話せないようなレベルでした。中国留学を始めて二週間で中国語だけでの授業は聞き取れるようになったものの、やはりスラスラと話すまでにはかなり多くの時間がかかりました。少しでも気を抜いて話す機会が減ると忘れやすくなる為、話す機会は積極的に設ける必要がありました。そして言語を学び始めてしまったからには一生抜け出せない、言語コンプレックスが始まりました。他の言語学習者との上達速度などに時には羨む事もありましたが、あくまで自分のペースで学習することを心がけました。あまり自分を追い込みすぎないことを第一に考えていたからです。

 日本語学習をしている大学教授のおかげで一度、大学院生が受講している現代中国経済学を聴講させていただきましたが、パワーポイントに書いてある内容は読めばわかるものの、やはり先生が話すことは半分も聞きとれず、とても落ち込んで寮に帰ったのをよく覚えています。

 日本人がもつ漢字のアドバンテージにどれほど助けられているかをかなり実感した一年でもありました。英語学習が苦手な私ですが、言葉の持つ細かいニュアンスのちがいは日本と全く同じ感覚のものもあるため、他国の学生よりも随分と理解しやすく、その点なども含めると中国語はやはり学習しやすかったと感じています。

 クラスは初め私を含め2人しかおらず、不安を覚えましたが、最終的には10人にまでクラスメイトが増え、ロシア人、エジプト人、モンゴル人のクラスメイトと共に勉強をしました。それぞれ宗教観や、教育、環境の違いもあり、授業内容によっては時に生徒が授業を止めてでも自分の考えを主張する場面もありました。「日本はこうだ、ああだ」と自分で意見する事は他の生徒に比べてかなり少なく、日本では授業内容以外での質問だけでも手があがり辛いですが、授業内容以外のものでも手が挙がり、先生に質問や意見を求めるのは一年過ごしていてもやはり新鮮でした。

 留学後半には雄安新区に足を運ぶことができました。雄安新区とは中国政府が1000年をかけて作り上げようとしている未来都市計画の場所です。留学前から耳にしていて、留学中に一度は訪れ目にしようと思っていた場所でした。遠くはない距離ですが1人で足を運ぶには気合がいる距離でしたので、大学側で訪れる機会が提供してくれたのは幸運でした。

 実際に訪れてみると、一面荒野のような場所に新しい建築物が並ぶ区画が突如現れる不思議な土地でした。敷地内では無人コンビニがあったり、無人宅配車の実験を行なっていたり、職員は移動の為にセグウェイのようなもので移動していたり。今まで近未来的な商品が世界で開発され、販売されていますが、それらが一堂に会していたような場所です。そのほかにも書店やカフェ、市民サービスセンターなどもあり、行政関係者だけでなく市民も訪れることができました。1000年かけて築く未来都市ということで、何年かごとにこの保定を訪れ、その変化を継続的に見ていきたいと思っています。

 ついでではありますが、おそらく河北大学のある保定市は雄安新区から最も近い都市という事もあり、雄安新区計画に伴う人口増加も考慮しているためか、市内ではマンションなどの建設があちらこちらで行われていた記憶があります。今までの留学レポートではほかの留学先とは違い、いい都会感溢れる場所だという表記がありましたが、何十年か後の留学レポートでは他の留学先にひけを取らない都会だと書かれるようにになるのかもしれません。

 帰国したばかりですが、もうすでに学校周辺の中華料理が食べたくなっているほど、食事に関してとても恵まれていました。安いながらも本格的な中華料理を口にできたことは、中国留学して本当によかったと思うところです。北京料理だけでなく、他の有名地域料理もあり、日々選ぶのが大変でした。時には中華料理に飽きる事もありましたが、今思えば贅沢だったな、としみじみ思います。日本にあるような「あっさり」というような味付けには出会えず、辛い日々もありました。そんな時にはご褒美として、少し遠くにある日本料理屋にも足を運び(かなり再現度が高く美味しい)気分を変えることも大切でした。あっさりという味付けでなくても、母国の料理はやはり食べると安心します。

 

 前回の留学レポートでは、「後期は他国の学生と住んでみたい」と書きましたが、遂に後期に実現させることができました。他の日本人のルームメイトは全員インドネシアの方でしたが(一番暮らし方が似ていて住みやすいと評判だった)、私は両親が中国出身のパキスタン国籍を持つ女の子でした。乾燥地帯出身という事もあり、温暖湿潤気候出身の私とは生活習慣が異なるため、驚きに満ち溢れた生活で興味深かったです。家族ではない誰かと暮らすと、やはり衝突の一度や二度はあるものですが、ルームメイトのいる生活は大変いい経験になりました。

 留学の目的や目標は、留学前にもちろん定めておくべきですが、留学をしていく中で「この為に自分はここに身をおいているのかもしれない」と気づく事もあります。それぞれに留学の形があり、留学の意義があります。これから留学される方々も、留学中、目的を達成できているのか不安になる時もあるかと思います。そんな時には漠然と不安になったりするだけでなく、冷静に留学開始からの自分を振り返ってみてください。目的や目標を見返す・見直すことで、海外でしか学べないことに気づけるかもしれません。

 総括すると、冒頭でも書いたように中国留学を経験することができ、大変よかったと心から思っています。語学は一年の留学だけでぐんぐん伸びるわけではありません。しかし、それでなくても留学したことに後悔はありません。語学だけでなく、海外ならではの苦労を重ねるたびに自分と向き合い、自分自身の理解を深められたからこそ得られた学びがあったと確信しています。

 最後になりますが、今回の私の留学をサポートしてくださった皆様に、心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。