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留学体験記

【オランダ】最終レポート~1年間の交換留学を経て~

【派遣先】ハンザUAS・フローニンゲン大学 【留学期間】2018年8月~2019年7月
共生システム理工学類 N.Sさん

  

 

1. 序章 -はじめに-

 今月で約1年間の交換留学を修了しました。留学当初に「終わる頃にはきっと『あっという間の留学だった』と感じるのではないか」と思っていましたが、案の定あっという間に感じた1年間でした。この1年間の経験を通して感じたことや学んだこと、そして皆さんにお伝えしたいことなどを書きたいと思います。

2. 本章 -オランダでの生活-

2.1 授業について

 1年間を通してオランダの学校での授業は、学生が講義に"参加している"という印象が強く残りました。単にPowerPointに出てくる文字を眺め、メモを取るというものだけでなく、発言や質問等の"会話"がありました。授業のカリキュラムがクウォーター制(1年間を4つの学期に分けるシステム)で組まれているため、1つの科目が長々と続くのではなく、短期的で濃密な学習ができ、集中して行われていました。日本では多くの大学でセメスター制(2学期制)が採用されています(もちろんクウォーター制を採用している大学もいくつか存在します)。どちらが正解というわけではありませんが、「学校」というものの中にも多くのやり方があり、1つの手法としてこの制度があることを学びました。

 また教育システムに関してだと、よく「海外の大学は、入学は簡単だが卒業は難しい」という言葉を耳にするのではないでしょうか。私が留学した学校では1年間で取得しなければならない単位数を下回った場合、再度同じ学年をやり直すのではなくその後数年間、同じ学部で勉強することが出来ず、別の学部に移動、もしくは退学をしなければならないそうです。出席数は、成績にほぼ加味されず、試験やプレゼン等の結果から評定が決まります。だからこそ講義を通して得られるコンテンツの習得に力を注ぐことに繋がり、そこから意欲関心が芽生え、学習面での発展に効果がでているのではないかと思います。日本には出席が成績に影響するからという理由だけで出席する人が多いのが現状です。しかし、勉強というものに興味を示し、講義の内容を楽しめる状態になることが、大学に進学をして勉学に励む本来の姿なのではないかと感じました。

2.2. 就職活動/大学院入試の勉強について

 私は4年生の夏から1年間の交換留学を開始したため、帰国時期の関係上、日本で生活している場合とは異なるスケジュールで就職活動をしなければなりませんでした。そのため、合同説明会への参加やエントリーシートに関しての相談や添削等、留学中は出来ないであろうことを留学前のうちに経験としてやっておきました。留学開始後は、日英バイリンガル学生向けのキャリアフォーラムという就活イベントに参加をしたり、日本にある企業の人事の方と直接メールで連絡をとったりしました。実際の就活イベントには世界各国に留学している日本人の学生が沢山参加をしていました。エントリーシート提出後にウェブテストを受験するところまでは日本にいるときとほぼ同じですが、そこから一次選考、二次選考とイベント当日以外はほぼSkypeで実施することや、当日に合格が出たりする点は大きく異なるかと思います。近くの宿はすぐに予約で埋まってしまうので3カ月以上前には予約しておいた方が良いと思います。

 また私は、学部卒業後に就職だけでなく大学院進学も視野に入れていたため、学校の勉強、就職活動の2つに加えて外部の大学院入試試験の勉強も進めていました。同時進行で行うのは正直大変でしたが、留学をしないでそのまま進学するという道ではなく、留学をした方が楽しくなるだろうと思って選んだ道なので、なんとか時間を作って勉強をしました。勉強に必要な資料は留学開始前にPDFのデータとして用意したり、研究室訪問は留学前に事前に済ましておいたりと、国外にいることで出来なくなることを予め考えて計画的に進めていくことはとても大切だと感じました。

2.3. 旅行について

 ヨーロッパ圏での留学は何と言っても、すぐに他国へ旅行に行くことが出来ることができる利便性が大きな魅力の1つです。この先ヨーロッパに来るかわからないという事もあり、今のうちに沢山観光をしておこうという思いで週末や講義の合間、留学期間終了直前の休み等を利用して、同じ留学生と旅行したり、一人旅をしたりもしました。。私はFLiXBUSというバスをよく利用して最寄り駅から他国へ旅行をすることが多かったです。遠方の国にはバスを使って行くのは難しいので飛行機を使っていきますが、行った先にも同じFLiXBUSがあり、同じ国の中での移動にも用いていました。Free Wi-Fiやコンセント、トイレ等の設備は基本揃っているので長時間の移動でも基本そこまで苦に感じることはなく、リラックスして移動ができました。

 オランダの学校での留学活動がメインではありましたが、ヨーロッパには様々な観光名所を持つ国々が揃っており、日本にいるときは遠すぎてなかなか訪れることができない国にもすぐに行くことができます。ただ、英語がどこの国でもうまく通じるかというとそうではなく、こちらが英語で質問した時にも、一切英語を使わずに現地の言葉で返ってくることもあるため、円滑にやり取りが進まず苦労することもありました。しかし、丁寧に一生懸命教えてようとしてくださっているのは伝わってきて、言語がわからないからと言って相手にしないということはなく、とても良い人たちが多いと感じるとともに、オランダは母国語がオランダ語であるにもかかわらず、多くの人がハイレベルな英語能力を持っていることを改めて感じました。その点でもこのオランダへの留学はとてもお勧めです。


▲オランダ(キューケンホフ)

▲クロアチア(ドゥブロヴニク)

▲トルコ(カッパドキア)

▲ルームメイトの実家を訪問した時の写真(スペイン)

3. 終章 -留学を考えている学生へ-

 私にとって今回の留学は、普段何気なく生活をしていた習慣化した日常への、新しいスパイスのようなものだったと思います。日本という国を離れ、異国の地で勉学をはじめとした多種多様な取り組みをすることができるこの海外留学というものは、皆さんにきっと何かしらの変化・成長するチャンスを与えてくれると思います。

 今はまだ本当に些細な気持ちでもいいです。ほんの少しでも「面白そうだな」「興味あるな」と感じた方は、まずはお話だけでも聞いてみてください。国際交流センターの方々をはじめとして、多くの先生方がきっと親身になって聞いてくださるはずです。その一歩を踏み出すだけで、あなたの大学生活ががらりと変わり、今がなんとなくつまらないと感じている人は、魅力溢れる充実した毎日に、今が楽しいと感じる人でもさらに面白いものに、きっと変貌するはずです。有限な時間というものを、あなたにしかできないやり方で意味のある有意義で貴重なものにするために、ぜひこの"留学"を経験してほしいなと思います。応援しています。