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留学体験記

【中国】留学報告レポート②

【派遣先】河北大学 【留学期間】2019年9月~2020年1月
行政政策学類 O.Kさん

留学費用

留学費用

 交換留学は、福島大学で学費を納めていれば留学先の学費は免除され、行きかえりの飛行機に対して3万円の補助が出るため、かかる費用は補いきれなかった航空券代と寮費や教科書、食費などの生活費になります。私はJASSOの日本から留学する人向けの奨学金をもらっているため、奨学金はどのようにしてもらえるのか、もらっている場合の留学費用について書いていきたいと思います。
(※航空運賃補助に関しては2019年度の実績となり年度によって異なります)



奨学金

 私はJASSOから月6万円の奨学金をもらっています。これは地域別に金額が決められていて、中国に留学した場合、月額6万円が支給されます。留学先が決まった後に国際交流センターの方から奨学金を受け取るための用紙がもらえるので、奨学金がもらえなかった場合でも留学に行ける状態を整えて交換留学の募集に応募しなければなりません。もちろんJASSOのほかにも奨学金制度があるので、ほかの奨学金制度を考えている場合は自分の行く国が対象になっているのか、応募条件を満たしているのかを確認する必要があります。とはいっても今年の交換留学生は全員なにかしらの奨学金をもらっているということなので、そこまで心配する必要はないと思います。また国際交流センターの方々が親身に相談になってくれますし、学生課でも相談することが出来ます。なので、今は毎月の奨学金といままでの自身のアルバイト代で留学することが出来ています。
(※奨学金に関しては2019年度の実績となり年度によって異なります)



交通費

 仙台空港から北京首都国際空港は片道4万円前後が相場となっていて、空港に行くまでの費用などを考えると、2万円ほどの交通費が必要となります。また仙台空港より、成田空港からのほうが本数が多いのでおすすめです。帰りも自己負担金については、同じようになると思います。2か月前には予約しておくと安く買うことが出来るので、相手方の大学に連絡が取れ次第、航空券は予約するのが良いです。
 中国の空港についてからは河北大学に迎えを頼んでいたので、負担はありませんでした。しかし先輩方の話を聞くと、迎えを頼んでいなかったり、連絡ミスがあった場合は自分で空港から大学まで向かわなくてはならないようでした。加えて、中国の長距離を移動する時に使う交通機関は基本パスポート、荷物チェックが必須なので、時間に余裕を持って移動することをおすすめします。



生活費用

 現時点で私は一か月に2000~2500元(日本円で約3万5千~4万円)で生活しています。河北省の物価を考えると上海や北京に留学するより楽に生活できると思います。初期費用として掛かるお金はありますが、トータル的に奨学金の範囲内で納めることが出来ます。学食であれば一食5~15元(80円~230円)で食べることが出来、外食でも20元(300円)ほどです。冬服を買いたいときも100元前後(1500円)で買えるし、通販であればもっと安く買うことが出来ます。質がいいとは言えませんが1年過ごすだけなら問題ありません。
 中国で、現金はどうやって引き出すのかということについても触れていこうと思います。校内に中国工商銀行のATMがあり日本の口座から中国元でお金を引き出すことが出来ます。私の場合はゆうちょ銀行の「majika」というデビットカードを使用しています。ほかの留学生は三井住友のカードを使っています。VISAかVISA+が使える自分の使いやすいカードを作っておきましょう。ATMから現金を引き出した後は中国で作った口座に入金すれば、携帯から「支付宝」「wechatpay」で支払いができるので便利です。これは日本でいうpaypayやLINEpayのようなアプリで、キャッシュレス化が進んでいる中国では学食でも露店でも使うことが出来ます。また、友人間でのやり取りもできるので大変便利です。店のどこかにQRコードが張られており、自分で読み込んでお金を支払うことが出来、スーパーでは専用レジが設置されています。飲食店では現金は扱わないというお店もあります。自分は留学生で今は現金しかないといえば受け取ってくれまずが、中国に留学した際は、できるだけ早く銀行口座と携帯電話を用意しましょう。

▲キャッシュレス化の様子



授業

 授業は初級、中級A・B、高級があり、自分でクラスを選択することが出来ます。客観的に判断して欲しい場合は簡単なレベル分けテストを受けることが出来ますが、ほとんどの生徒は自己申告で決めています。私も自分の中国語に不安を感じていたため、初級で1から学ぶことにしました。
 初級クラスは中国語を全く学習したことの無い生徒がほとんどで、先生も英語と中国語を使い分けながら授業を進めてくれます。英語と中国語どちらかを聞くことが出来ないと授業を理解するのは厳しいですが、高校英語レベルで十分理解することができるので、授業に対して不安を感じることはありません。それだけでなく、中国語も簡単で短い言葉を選んで授業をしてもらえるので、留学開始直後でも理解することが出来ました。授業が進むにつれて一回一回の説明が長くなったり、新しい単語を使って説明してもらえるので、授業に出席することで着実にレベルアップすることが出来ます。今期の初級クラスには私が覚えている限り日本、スーダン、韓国、モリタニア、ガーナ、ロシアの生徒が在籍しており、年齢も19歳から41歳と国籍、年齢は様々です。
 私のように学生として授業を受けている生徒もいれば、単位関係なく中国語を学ぶためだけにきている生徒もいます。加えて昨日までいた生徒が今日から来なくなった、今日教室に行ったら知らない人が増えていたということがありますので、自分のモチベーション次第という部分があります。なので、学習に関しては同級生と協力してと、いうよりは個人戦になります。もし、授業で分からない部分があれば、自分のクラスの先生と授業内はもちろん、授業後でも個人チャット(wechat)でやりとりをすることが出来るため、通常より近い距離で学ぶことが出来ます。そのほかにも個人チャットで宿題を提出をしたり、クラスでグループチャットを作り当日の遅刻、テストの情報を共有しています。

 授業は平日の午前中に中国語全般、午後は太極拳や習字といった文化的要素を含むもの、高級のHSK対策の授業が行われています。私は習字の授業を取っていますが、午後の授業は必修ではないため、個人の好きなものをとることになります。
 午前の中国語全般の授業は必修で、初級は5つに分けられています。「口語」、「総合」、「漢字」、「リーディング」、「リスニング」があり、それぞれ曜日ごとに朝の8時から90分1コマで行われ、それぞれに中間テストと期末テストがあります。中間テストは10月から11月中旬に行われ、期末テストは12月下旬から1月上旬に行われます。評価の仕方は出席点、課題提出とテストから評価され、期末テストが60%を占めます。テストの形式は教科と先生によってペーパーテストか実技のどちらかが決められます。
 今回の中間テストはすべて教科書の内容だったので、授業に出席にしていれば問題ないレベルでした。特別単位に関してはあまり心配する必要はないと思います。河北大学の留学生を担当してくださる先生方は他大学からの評判も良く、とても分かりやすいので交換留学したいと思っている方がいればおすすめしたいです。

▲授業風景

 自主学習についてですが、中国語には日本語にない発音があるため、リーディングは授業後も時間を確保し学習する必要があります。逆に漢字の授業であれば、部首や止め・跳ね・はらいといった基本をわかっているため、授業内で理解し他の勉強の時間にあてることができるので、時間の使い方が重要になってきます。

最後に

 ここまで書いたこと以外にも、たくさんの出会いや経験をすることがありました。今回は全部とはいきませんが3か月過ごしてみて学んだことを書かせていただきました。自分が中国留学や河北大学について調べたときに、情報量が少ないことで困ったので、自分の感想だけでなく実用的な情報がある報告レポートの形にしました。少しでも中国への留学を考えている人の参考になれればうれしいです。
 実はこのほかに中国で家庭教師をはじめたり、中国の家族と一緒に餃子を作ってみたりと、楽しいこともたくさん挑戦しています。始めたばかりなので詳しい内容は次の報告レポートに書きたいと思います。

 中国に留学をすると決めたとき、留学といえば英語圏がいまだに多いため、中国に行って何するの?といろいろな人に言われました。しかし私はこんな大人だったらかっこいいなという理想、自分のやりたいこと、今だからできることが、たまたま中国留学という手段で実現できると考えただけで、留学はあくまで過程だと考えています。日本での友人関係がこれまでのようにいかないこともありますが、私は迷っている間に大学を卒業してしまうのが一番時間のもったいない使い方だと思っているので、留学したことは良かったと思います。残りの時間も後悔しないように使っていきたいです。