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留学体験記

【トルコ】留学3ヶ月レポート

【派遣先】中東工科大学 【派遣期間】2019年9月~2020年7月
経済経営学類 B.Kさん

  

【基本情報】

■留学先:Middle East Technical University (METU)
■学部:国際関係 International Relations
■場所:トルコ・アンカラ(トルコの首都はイスタンブールではなくアンカラです)
■気温(9~2月):13℃(10月)→7℃(11月)→3℃(12月)→1℃(1月)
■スケジュール(春セメスター)
 9/27 ~ 授業開始
 11月 中間テスト
 12/27~1/14 期末テスト

トルコについて


 皆さん、こんにちは。私は現在、トルコのアンカラにある、中東工科大学で1年間留学しています。皆さん、トルコについてどのような印象をお持ちでしょう? ケバブ、トルコアイス、気球、イスタンブール、イスラム教、シリアが近くて危険なんじゃ?...私がトルコという国を知るまでは、せいぜい知っていることといえばそれくらいでした。半年たって思うことは、トルコ(ただしMETUに限る)以上に留学に適した国は他にないのではないかということです。私がそのように思う要因を、皆さんのためにこのレポートで昇華できたらいいなと思います。まずはトルコという国について、「治安」「宗教」の観点から、簡単に説明していきたいと思います。

治安

 私が両親に「トルコへ留学に行きたい」と伝えた時の最初のリアクションが「テロとか大丈夫なの?」という治安に対する不安でした。結論から言うと、治安は大丈夫だと思います。この半年間で、治安に対する不安や危機感は一度も感じたことはありません。治安に対する大きな不安は「シリア」と「予測不可能なテロ」だと思います。

シリア国境

 トルコは日本の約2倍の面積で、比較的大きな国です。シリアとアンカラの距離は、福島から広島くらい離れており、直接的影響を受けることは考えにくいですし、シリア国境付近に近づかない限り大丈夫です。無論、常に外務省のホームページなどから最新の情報をチェックする必要があります。

予測不可能なテロ

 約3年前に、アンカラの中心街クズライ(METUからバスで20分ほど)という所で、バスの爆破テロがありました。ですがそれ以降、政府は警備強化にかなり力を入れており、幸いそういったテロのような事件は一件も発生していません。大型のショッピングモールや地下鉄、繁華街など人が多く集まる場所では金属探知機による持ち物検査や、警察によるパトロールが徹底されています。

 また、統計的には、テロよりも交通事故で死亡する確率のほうが格段に高いそうです。トルコでは特にタクシードライバーを中心として運転の荒さを感じますし、少し冗談っぽい言い方をすれば、テロより交通事故に気をつけたほうがいいです。また、イスタンブールは盗難・スリでかなり有名ですが、特にタクシム通りなどは本当に気を付けてください。年末に旅行に行った際に、友達が実際に財布を取られてしまいました。

イスラム教

 トルコはイスラム教の国です。イスラム教の基本的な考え方は、キリスト教やユダヤ教と共通しており、絶対的な唯一神、アッラーを信仰する一神教です。(仏教や神道は多神教)また、預言者によって神のメッセージがつづられた聖典クアラーン、(キリスト教の場合は聖書)の教えを守り、死後の世界、天国と地獄、悪魔と天使を信じるのがムスリムの人たちです。ムスリムはアラブの国だけではなく世界中に存在しており、15億人以上います。ムスリムになるために、国籍や人種、既成の宗教は関係なく、ムスリム立会いの下、簡易的な儀式を経て、アッラーと唯一神と認め誓うことで、だれでもムスリムになることができます。(ただし宗教をやめることはできない)ですので、イスラムの教えに感銘を受けたり、結婚したりする際にムスリムへコンバートすることも決して珍しくありません。もちろん日本人でも、たくさんのムスリムがいます。

 ムスリムと一口に言っても、国や地域、家庭、または個人によっても、信仰のレベルは実に様々です。トルコは比較的ソフトなイスラム教の国であり、1日5回のお祈りをしない人、お酒を飲む人、ヒジャブをつけない人が多く見受けられます。トルコに限らず、私のパキスタンの友達はヒジャブをつける人もつけない人もいて、その人次第です。Agnostic(不可知論者)やatheist(無神論者)も多くいます。

中東工科大学

 通称METUまたはODTU(トルコ語表記の略称)と呼ばれ、トルコの首都アンカラに位置しています。世界大学ランキングでも上位に入っていたこともある、トルコではトップレベルの大学で、国内外から非常に優秀な学生が集まります。名前から、工科系の学部しかないのでは、と思われがちですが、エンジニア系はもちろん、建築から、社会学、哲学、数学、化学、コンピュータ、英語教育、国際関係、ビジネス、経済などなど実に様々な学部が存在しています。

勉強できること

秋セメスター:「Beginning Turkish」「Foreign Policy Analysis」「Turkish Foreign Policy」「Communication International Relations」
春セメスター:「Human Resources Management」「World History」「Negotiation Process」「Communication International Relations」

 私は国際関係学部に交換留学生として所属しています。ですが、留学生はどの学部からも授業を取ることができ、非常に幅の広いユニークな履修が可能です。今セメスターはビジネス学部からも授業を取っており、中には学部を超えて人気な授業もあります。「Negotiation Process」はその一つです。

設備

 METUは非常に緑豊かで、建物は洗練されたデザインです。実に開放的かつ巨大なキャンパスで、生活のすべてがキャンパス内で完結します。スーパーやレストラン、銀行、理髪店、保健センター、また、ゴールデンジム並みの施設もあります。バスがキャンパス内を定期的に周回しており、授業や遊びへ行く際には欠かせません。キャンパスのすぐ外にはメトロがあり、中心街まで15分とアクセスもよいです。

寮生活

 私は、大学内の寮に住んでいます。4人部屋で、全員トルコ人です。人によっては、もちろん、留学生がルームメイトになることもありますので、それはお楽しみといったところです。トイレ、シャワー、洗濯はフロア共通で、毎日清掃員の方が一生懸命掃除してくださるので、寮は非常に清潔できれいです。月5,800円(290トルコリラ)と学内では一番安い寮ですが、きちんと申し込めば、入れないということはないと思います。また、寮にはカンティーンもあり、1食200~300円ほどでおなかいっぱい食べることができます。


▲寮の様子

おわりに

 METUは、世界中から優秀な学生が集まるハイレベルかつ国際的な大学です。設備はかなり充実しており、物価も安く英語圏の約半額の費用で1年間留学することができます。個人的には、トルコMETUはコスパ最強の留学だと自信をもって言うことができます。このレポートがみなさんの参考になれば幸いです。何か聞きたいことがあれば、国際交流センターを通して遠慮なくご質問ください。

METUのウェブサイト https://www.metu.edu.tr/accommodation
必要な情報が総て載っているわけではないので、私に質問したり、自ら情報収集をして補ってください。