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留学体験記

【ハンガリー】留学最終レポート

【派遣先】カーロリ・ガーシュパール・カルビン派大学
【派遣期間】2019年9月~2020年6月
経済経営学類 F.Eさん

   
 新型コロナウイルスの世界的な流行に伴い、留学期間が終了する前に帰国せざるを得ない状況となってしまったことはとても残念です。コロナウイルスに関する報道が流れ始めた時には、恥ずかしながら、このような状況になるとは考えていませんでした。なぜならその発生源が中国であり、ヨーロッパにいる自分にはさほど影響はないのではないかと思ったからです。こうした状況は稀なことかもしれません。むしろそうそう起きて欲しくはありません。しかし、絶対にないとは言い切れません。そこで今回は、こうした状況を受けて私が感じたことや経験したことについてお話ししたいと思います。

帰国に際して大変だったこと

 国際交流センターの方から帰国を推奨するというご連絡をいただいた時に、まず思ったことは「帰りたくない」でした。しかし、これより前からすでに他の留学生らは徐々に帰国していたこと、派遣先の大学は校内立ち入り禁止となっていたこと、家族からは帰国して欲しいという連絡が来ていたこともあり、不安もありました。結果として帰国が決定しましたが、そこからの準備が大変でした。まず、航空会社と連絡が取れず、予約していた帰国便の変更が出来ませんでした。何度かけても繋がらず、直接オフィスに出向くと休業していました。最終的には、キャンセルできないまま新しく航空券を購入することになりました。次に、銀行口座と携帯電話の解約です。留学して知りましたが、ハンガリーでは英語が通じないことが多いです。銀行や携帯電話会社には英語カウンターがありましたが、職員の数が少ないため待ち時間が長いです。ようやく呼ばれたと思ったら、解約手続きには時間が足りないと言われて正直焦りました。しかし、バディの助けにより、ギリギリ間に合いました。「帰国するなら新学期に間に合うように」と日程を考えて帰国日を決めましたが、それがかえって自分の首を絞めていたなとも思います。自分では何をすべきか、どれくらいで可能かなどを考慮し、優先順位を決めて行動していたつもりでしたが、冷静さが足りなかったのかもしれません。こうした不測の事態を受けて、冷静さの重要性や周りの助けがどれほど有難いものかを再認識することが出来ました。

授業や生活に関して

 帰国前から履修していた授業はオンライン授業となりました。パソコンなどの機械操作があまり得意ではない私にとって、緊張と不安がありました。しかし、先生方にとっても初めての経験であり、皆で試行錯誤しながら行うことは逆に良い経験となりました。日本に帰国してからも継続していたため、単位も無事に習得することが出来ました。また、寮から学校までの移動時間が他のことに使えるようになった、外出自粛をせざるを得ないことで、お互いに寮にいる時間が長くなり、友達と過ごす時間が増えたといったメリットもありました。その反面、寮生以外の友達とはなかなか会えなくなったことはとても残念でした。授業もやはり対面式とは異なるため不都合が生じる事もありました。

 WHOのパンデミック宣言を受けて、スーパーなどの営業時間の短縮や品切れが頻繁に起きました。特にパスタや野菜、イースト菌が売り切れとなることが多かったように感じます。また、薬局や銀行では一度に店内に入れる人数が制限されており、外には日々一定の間隔を開けた列が出来ていました。しかし、不思議なことにマスクは品切れ状態にも関わらず、街でマスクをしている人はあまり見かけませんでした。バディ曰く、家のストックには限りがあり、次はいつ手に入るかわからないため、みんな事態がもっと深刻になってから使おうと思っているからだそうです。それを聞いたときには驚きました。

▲寮で友達と作ったハンガリー料理(ランゴーシュ)

終わりに

 今回の留学を通して経験出来たことが沢山ありました。その中には良いものも、大変だったものもあります。ですが、総じて自分にとってはプラスの経験が多かったです。突然友達と離れることになったのは寂しいですが、今でも留学先でできた友達とは連絡を取り合っています。帰国の際にコロナが収束したら、またいつか会おうという約束をしました。口約束でいつかも、本当に実現するかもわかりません。ですが、私はとても得難い友人に出会うことが出来たと実感しています。やり残したことは沢山ありますが、私にとってそれらはむしろ今後の糧になります。現在も新型コロナウイルスの第二波が懸念され、今後どうなるかが不透明な状況ですが、もし機会があり、迷っている方がいたらぜひ留学して欲しいです。私自身、留学をしたいと思いつつ一歩が踏み出せずにいました。しかし、一歩踏み出したらそこからはあっという間でした。何事も自分次第だと感じました。いろいろな事がありましたが、私は留学したことを後悔していません。どのような目的でも内容が明確であれば、きっと皆さんにとっても貴重な経験になると思います。


▲エステルゴムでとった一枚(スロヴァキアとの国境がある街)