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【ドイツ】留学を終えて

【派遣先】ハノーファー大学 【留学期間】2019年9月~2020年3月
行政政策学類4年 高橋 尚史

 

 留学を始めて約6か月が経ち、「さて、これから留学も後半戦、新しいことに取り組むぞ」と意気込んだその矢先、コロナウイルスがヨーロッパでも爆発的に広がり始めたために留学が中止になってしまいました。ですが、これまでの半年の間に感じたことは非常に多かったので、有意義な時間を過ごすことができました。
本レポートではこれまでの留学を振り返って思ったことなどについて、報告したいと思います。

 

大学生活

 セメスターが後半戦になると試験が近づき、勉強漬けの日々が始まりました。ドイツ語や英語の使用には慣れ始めていましたが、やはりそれらの言語で勉強するのは骨が折れました。
毎日机に向かってはレジュメを読んだり自作した問題を解いたりし、かなり集中して勉強していました。試験前は不安で、大学1年生の時初めて受ける試験の前に、問題が全く解けずに単位を落とすのではないかとヒヤヒヤしていた気持ちを思い出しました。ですが、勉強の甲斐あって無事に全ての試験をパスできました。
友達にドイツ語の資料の読み取りを手伝ってもらいながら試験勉強をしたこともあり、試験一つとっても、日本とは異なる取り組み方となりました。

 

日常生活

 大学が休みの日や放課後には町に出かけたり、時には旅行に行ったりしました。パリ旅行、クリスマスマーケット、ケルンのカーニバル、街にあるバーなどなど。その中でも印象的だった映画とクリスマスについてご紹介します。

 私は日本のアニメが好きな友達から映画を見に行こうと誘われました。なんと見に行く映画とは「天気の子」。留学前に天気の子を見ておきたいと思っていながら結局見ることなく留学に出てしまった私にとって、思いがけない幸運でした。まさかドイツで天気の子が見られるとは思っていませんでしたから。音声は日本語だろうかと思っていたらドイツ語の吹き替え版だったので、映画が始まった時、果たして理解できるか不安でした。しかし、日ごろの勉強の甲斐あって全て理解してその上で友達と感想を交換することもできました。楽しかったうえに達成感もあったので、記憶に残っています。ちなみに映画を見ている時に、私が笑うタイミングと周りのドイツ人が笑うタイミングはことごとくずれていました。「面白い」の判断基準が違うんですね。

 ドイツにおけるクリスマスは家族で集まって祝う一大イベントです。留学を通してドイツ人は家族の関係を非常に大切にしていることに気づいたのですが、このクリスマスは特にその特徴がよく現れるイベントだと思います。クリスマス休暇に入ると、友達やルームメイトは皆家族のもとへと帰っていきました。
 私は外国人であり、ドイツ国内に帰る場所もないので、クリスマスはビールを飲もう、と思っていました。しかし、嬉しいことにあるドイツ人の友達が家族のパーティーに誘ってくれました。ですので、二つ返事でドイツ本場のクリスマスに参加してきました。
 誘われたのは12月24日で、この日は家族で夕食をとり、食後にプレゼントを交換する日だそうです。そこでシュニッツェルというドイツ料理をごちそうになり、その上プレゼントまで頂けました。クリスマスにプレゼントをもらうことが久しぶりだったのでそれだけでも嬉しかったのですが、家族のイベントに一緒にいさせてもらえたことが何より嬉しかったです。家族で祝うドイツのクリスマスの雰囲気は非常に暖かいものでした。大げさな言い方かもしれませんが、それは「これが『嬉しい』ということか!」と思うほど感慨深いものでした。自分の居場所があると感じると、とても落ち着きます。

▲教会とその足元に広がるクリスマスマーケット。12月22日ころまで開かれ、買い物や飲食を楽しめる。
右の画像はグリューワインというクリスマスの時期に飲まれるちょっと特別なワイン。
ワインが苦手な私でも飲める。日本の祭りに似た雰囲気で気に入っていたので、
開催期間中友達を誘っては何度も遊びに行った。

 

コロナウイルスとドイツ

 はじめにも書きましたが、ドイツではコロナウイルス感染者数が爆発的に増えました。そんな中だからこそ見えたドイツの特徴についても記しておきます。
 ある朝感染者数をチェックしたら、前日まで11000人だった感染者数が18000人に増えていた日さえありました。1月末までは特に特別なことはなかったのですが、2月の中頃からドイツでも雲行きが怪しくなり、3月に入った途端に急に流行りだしたように記憶しています。
 多分ドイツは水際で感染爆発を防ぐことはできていなかったのですが(周囲と陸続きで人の出入りが自由なため、しかたないことなのでしょう)、その一方で危機感が広まってからの対応の早さには目を見張るものがありました。街からは人がいなくなり、マクドナルドやケンタッキー・フライド・チキン、ほか様々な店が州の指示によって一斉に閉店したのです。そのため、お気に入りのバーに行くことはおろか、帰国前にお気に入りのケバブ屋でテイクアウトすることすらできませんでした。それは残念なことではあったのですが、それだけのスピード感と判断力に感心してしまいました。
 その後も、政府や州のガイドラインに基づいて警察官が集まっている市民を解散させていると思しきところに遭遇し、その徹底した対応にドイツという国のお国柄を見たように思います。
 ちなみに、コロナウイルスが広まり、町の空気に緊張感が走り始めた頃からドイツでもトイレットペーパーの買い占めが起こりました。私のルームメイト曰く、「本当は品切れにならないはずなのに、品切れを心配した誰かが多く買い始め、それを見た別の人びとが連鎖的に多く買う」ために起こるらしいです。どうも日本と似たことが起こるようです。
 緊急事態だからこそ見えた側面があり、非常に珍しい経験になったと思います。

▲グループでの入店ができません、という旨の看板。
新型ウイルス感染防止のため、スーパーマーケットのような生活に必要な最小限の店だけ営業しており、
バーやジムなどは営業停止となっていた。
スーパーマーケットも一度に入店できる人数を制限したり、
人と人との間隔を十分とるよう促したりしていた。

 

さいごに

 嬉しいことや辛いことが多くあった留学生活でしたが、あっという間に過ぎてしまいました。そして最後は誰も予想のできない終わり方をしてしまいました。とどまって更に勉強したり、夏のドイツを見たりしたかったのですが、それは叶いませんでした。
 それでも半年間という短い時間の中で自分の世界を大きく広げることができ、有意義な時間を過ごせました。現地の人々や世界中から集まった他の留学生との交流を通して、私が今まで当り前だと思ってきたことは数ある当たり前の一つでしかないことが分かりました。
 私の住んでみて感じたドイツのいいところは、人が混ざり合っていてそれぞれが自由な点です。私がそう感じただけで実際は必ずしもそうではないかもしれませんが、私が出会い交流した人々は皆自由に自分の在り方を発信していたように思います。だからそれをキャッチして学べることも多かったのです。
 留学3か月目に書いたレポートでも同様のことを書いたのですが、やはり自分で体験すると本やインターネットから情報を得るのとは異なる学びがあります。なので、私にとってこの留学は、来て、見て、感じることで自分だけの「そうなのか」という学びを得ることができる有意義なものでした。

 
▲パリにて。ストライキ中に旅行をしてしまい、
交通機関のほとんどが止まったパリを徒歩で移動した。
歩数計によれば3日で80000歩弱歩いたらしい。
町の雰囲気は陸続きであってもドイツとは全く違う。


▲靴を買ったら左右で靴ひもの長さが違った。もしかしてこういうデザイン?
左下に映っているサンダルは「Hausschuhe=(家用靴)」にしていた上履きのようなもの。